前回のあらすじ
営業だけの毎日が約一年続き、悩んでいるときに、平島は漫才グランプリが開催されることを知る。その漫才グランプリに出ることを決めた二人だった。
一回戦は余裕に突破した。それだけではなかった。なんと、二、三回戦も余裕で突破したのだ。
宮原
俺ら、才能あるんかな?
諸星
あるんちゃうか?
宮原
やっぱ、俺らは漫才するために生まれてきたんやな
諸星
あまり、調子乗るんちゃうで
宮原
わかっとるわ。
宮原
次はもう、準々決勝やで
宮原
これで決勝行けたら、売れるきっかけになるかもしれへんで。
宮原
よーし、頑張るで~❗
諸星
大丈夫かいな
平島
宮原さん、諸星さん、準備しといてくださいね
宮原
おう🙋
宮原たちは準々決勝も突破した。しかし、諸星は何かモヤモヤとしていた。
宮原
よっしゃ~❗楽勝や~❗
宮原
もう、皆雑魚いな
諸星
ホンマに調子乗んな❗
宮原
乗ってへんし
宮原
それより、次は準決勝や❗頑張るで~❗
諸星
(なんやろ…。勝ち進んでるのに…。)
諸星
(なんかモヤモヤするな)
諸星
(準決勝、大丈夫かいな)
平島
諸星さん?どうかしました?
諸星
いや、な、何もないで
平島
そうですか。
平島
では、そろそろ失礼します。また何かありましたら、いつでも呼んで下さいね。
諸星
お、おう。
宮原
諸ちゃん
宮原
俺らも今日のところは帰ろうか
諸星
せ、せやな
宮原
また明日な
諸星
また明日~。
諸星
はぁ。なんやろうか。このモヤモヤは
広谷
おう、諸星、久しぶりやな
諸星
ひ、広谷さん❗
広谷
聞いたで❗
広谷
準決勝行ったんやってな❗
諸星
は、はい…😒
広谷
どないしたん?元気ないやん
広谷
なんかあったんか?良かったら相談乗るで
諸星
あ、あの
諸星
(話してもええんかな?でも、先輩やしな…。)
広谷
諸星、遠慮せんと、話したらええねん。しょうもないことでも聞いたるから
広谷
絶対話した方がスッキリするで。
諸星
(うーん。この人やったら話してもええかな。よーし)
諸星
実はですね
広谷
おう。
広谷
そうなんや…。
諸星
準決勝行ったんは嬉しいんですけど、なんか調子乗ってるというか。
広谷
なるほどな
広谷
でも、エエ方に考えてみいや。
諸星
え?
広谷
それほど、宮原はやる気あるってことやで
広谷
思いっきり漫才すればええんちゃうか?
諸星
うーん。
広谷
思いっきり漫才やったら、後悔はないと思うで。
広谷
思いっきりや❗思いっきり❗そして、楽しめ❗
諸星
そうですね❗
広谷
頑張れ✊天才諸星❗
広谷
俺は天才や❗そう思って漫才し❗
広谷
わかったな❗
諸星
はい❗ありがとうございます❗
諸星
(相談して良かったわ。さすが、コントの神様や)
諸星
宮ちゃん❗俺、思いっきり漫才やるわ❗
宮原
なんや?急に?
諸星
俺、思いっきり漫才やるわ
諸星
楽しんでやるわ❗
宮原
(何ゆうとんねん。楽しむ?漫才は笑い以外求めるものはないねん。)
諸星
だから宮ちゃん❗思いっきり、頑張ろうな❗
宮原
楽しむってなんやねん
諸星
え?
宮原
漫才わな、お客様を笑わすためにやっとんねん❗
宮原
笑い以外、求めるものはない❗
宮原
漫才はそんなに甘くないねん❗
宮原
甘く考えすぎや、あんたは❗
諸星
甘く考えてる訳じゃ…。
宮原
じゃあなんやねん
諸星
思いっきりやらんかったどうすんねん
諸星
俺らの力だせへんやん。
諸星
後、笑わすためにはまず俺らが楽しまなあかんやろ
宮原
もう一回ゆうけど、
宮原
笑い以外求めるものはない❗
宮原
笑いだけを求めて漫才すんねん。
宮原
準決勝はそんなに甘くないねん
宮原
分かったな❗
諸星
(なんかいつもの宮ちゃんじゃない)
平島
もう、喧嘩はやめましょうよ。それより、準決勝に向けて頑張りましょうよ❗
宮原
…。
諸星
…。
宮原
やるで
宮原
笑いを求めて❗
諸星
お、おう
宮原
(き、緊張してきた)
宮原
ど、どーも。ダイヤモンドと言います。
諸星
お願いします❗
宮原
え、えっと…。
宮原
(ヤバい。緊張でネタ飛んでもうた。どないしよう。)
諸星
宮ちゃん?
諸星
(どないしたん?まさか、ネタ、飛んだんか?)
諸星
(どないしよう。アドリブで頑張ればええんか?でも…。)
二人は舞台にぽつんと立ったままだった。
その後、二人は強制終了させられたのだった。
平島
宮原さん。
宮原
…。
平島
諸星さん。
諸星
…。
平島
元気出してくださいよ❗
宮原
…。
諸星
…。
次の日はついに、結果発表だった。しかし、決勝進出とはやはりならなかった。
宮原
(俺のせいや。俺さえ、俺さえネタが飛ばなかったら…。)
諸星
(俺、宮ちゃんをフォローすることが出来へんかった…。俺、相方として最低や…。)
平島
宮原さん…。諸星さん…。