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大毅side
のんのこの障害は生まれつきじゃなかってん。
のんが小学2年生くらいかな?
そん時くらいからやったな。
んでな、のんには元々もう1人お兄ちゃんがおってん。
俺らからしたら弟やな。
2つ年上やってんけど、
のんはそのお兄ちゃんと凄い仲良くて。
なんでもお兄ちゃんと一緒がええ言うとったな。笑
やから手提げとか洋服とか全部お兄ちゃんと一緒でな。
近所の人からは双子みたいやねってよう言われとったなぁ。
まあそのお兄ちゃんはのんが生まれた時誰よりも喜んどって。
俺にも弟が出来るんや言うてな。
のんが生まれた時は俺が守る言うて。笑
まだ2歳やってんけどな。笑
初めてのんをだっこした時はお兄ちゃんが守ったるからな言うてなぁ。
やから家族の中で1番仲良かったんやと思う。
でもな、のんが小2で、そのお兄ちゃんが小4の時やねんけど、
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桃「お兄ちゃん!」
兄「ん、どうしたん?」
桃「俺と一緒に遊ぼ!!」
兄「ん、ええよ。ニコッ」
兄「じゃあ公園行こか。ニコッ」
桃「やったぁ!!」
桃「お兄ちゃん大好き!」
兄「ふふ、俺もやで?」
桃「あ、淳太お兄ちゃん!!」
桃「一緒に公園行ってきてええ?」
黄「ん、ええよ。行ってらっしゃい。ニコッ」
桃「やったぁ!行ってきます!」
兄「ありがとう。行ってきます!」
桃「ついたぁ!!」
兄「なにしよか?」
桃「サッカーする!」
兄「え?望少ししか出来んやん。笑」
桃「出来るもん!!」
兄「ほんまぁ?」
桃「練習したんやから!」
桃「じゃあ出来たら...。」
桃「家でやってるみたいにちゅーして!」
兄「え〜?でもここ公園やで〜?」
桃「やってくれんのぉ?」
兄「もお、そんな可愛い顔で見つめんといてやぁ。」
兄「ええよ。ちゅーしよな。ニコッ」
桃「やったぁ!」
桃「じゃあドリブルする!」
青「おぉ。結構出来たやん!」
桃「ちゅーしてぇ!」
兄「ふふ、ええよ。」
チュッ
桃「へへ、お兄ちゃんかっこえぇ。」
兄「望もやで?ニコッ」
兄「よし。そろそろ帰ろか?」
桃「うんっ!」
桃「そんでな!」
兄「そうなんや。笑」
兄「あ!望!!」
桃「え?」
兄「望危ない!!」
そして望の体は宙に投げ出された。
ドーン!!!
桃「わぁっ!!!」
桃「はっ、!」
桃「お兄ちゃんっ!!」
そこには血まみれなったお兄ちゃんがいた。
桃「お兄ちゃん...!!」
そしてそのままお兄ちゃんは2度と帰らぬ人となった。
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数秒前まで楽しく話してたのに、
急に大切な人を失うって。
小2にはまだ早かったんちゃうかな。
そのお兄ちゃんは小4というまだこれからって時に亡くなってしまって。
そんで、家族で葬儀に参加したんやけど。
のんは泣きじゃくるやろ。
そう思っとってん。
でもな。
のんは涙も流さなければ、
悲しい表情1つもせんかった。
ただただ無表情。
なにを考えとんのか分からんかった。
それからのんは、
料理とかで包丁で手を切っても何事も無かったかのように料理を続けるし、
火傷とか、絶対痛いやろって言うもんも痛いも言わずに普通の顔でいる。
そしたらともがこれは絶対おかしい言うて。
病院行って診察したら。
失感情症。
俺たちはとてもじゃないけど声が出なかった。
普段なら俺はこういう話とか聞くとすぐ立ち歩いてまうねんけど。
その時ばかりはちゃんと耳をすませて聞いとった。
そこからやったな。
大事な弟の笑顔が見れなくなったのは。
のんは大好きなお兄ちゃんを亡くしてしまって、
悲しいどころじゃなかったんやろな。
大切な人を亡くして、
ショックすぎて感情を失ってしまったらしい。
あ、そういやお兄ちゃんの名前ってなかったな。
そのお兄ちゃんは、
流星って言うんやけどな。
のんとめっちゃ仲良かったから。
亡くなった時はほんまに悲しかった。
なあ。流星。
お前が誰よりも先に死んでどうすんねん。
でもな。俺考えてん。
ちゃんとのんとの約束守ってくれたんよな。
のんを抱っこした時に言うとったよな。
" お兄ちゃんが守ったるからな "
そやな。
流星はのんを守ってくれたんよな。
やからのんはここにおる。
でも。
ここに流星がおったら。
のんは感情があったんかな。
のんの笑顔を見れたんかな。
流星、約束を守ってくれたんは感謝するけどな。
でも先死んでどうすんねん。
あ、せや、
きっとのんは流星がこんなこと言ったの知らんよな。
言ってみるか。