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淳太side
さっきから大毅がなんかおかしい。
いつもならずっと立ち歩いとんのに。
なのに今は、
窓の外見て、
なんか考え事しとるみたい。
黄「大毅?なにしとるん?」
赤「あ、淳太。」
赤「おったんや。」
黄「今来た。」
なんて。
ほんとはもっと前からおったんやけどね。
黄「なに?考え事?」
黄「なんかあったら俺に相談し?」
赤「...なぁ、」
黄「ん?」
赤「流星のことなんやけどさ。」
黄「っ...!」
やめろ。今それ言うな。
思い出したら泣きそうになるやろ。
赤「流星がさ、」
赤「望を初めてだっこした時に言ったこと覚えとる?」
黄「...うん。覚えとる。」
黄「確かお兄ちゃんが守ったるからなって言ってたよな。」
赤「うん。それさ、のん知らんよな?」
赤「俺考えてん。流星のんのこと守ってくれたんよなって。」
黄「...!」
赤「それ、のんに言ってみよう思て。」
黄「...うん。ええと思う。」
赤「相談乗ってくれてありがとう。」
バタン
そう言って大毅はのんのところへと行ってしまった。
俺はただ1人、取り残された部屋で涙を流した。
大毅side
赤「のん?」
赤「ちょっとお兄ちゃんとお話しよか?」
桃「...コクッ」
赤「ありがとう。じゃあこっち。」
赤「よく聞いてな?」
赤「のんのお兄ちゃんの流星のことなんやけど。」
桃「...!」
気のせいかもしれんけど、この時はのんが少し驚いたように見えた。
赤「多分のんは知らんかな。」
赤「流星事故で亡くなったやん?」
赤「んでな、俺考えてん。」
とうとう話す時が来たな。
のんはどんな反応すんねやろ。
まあ無反応やろな。
赤「流星がのんを初めてだっこした時にな、」
赤「お兄ちゃんが守ったるからなって言っててん。」
赤「そんで、流星はのんが危なかったから助けた。」
赤「流星は身代わりになってくれたんや。」
赤「大切な弟を傷つけないために。」
桃「...!」
赤「元々流星は弟が出来るのを凄い楽しみにしてた。」
赤「のんが生まれる聞いた時は誰よりも喜んでくれとってん。」
赤「流星は守ってくれたんやで?」
赤「お兄ちゃんが守ったるからなって。」
赤「約束守ってくれてん?」
赤「お兄ちゃんは亡くなったかもしれんけど、」
赤「ちゃんと約束は守ってくれた。」
赤「な?」
桃「...ポロ」
赤「...のん。」
それは紛れもない" 涙 "やった。
綺麗な透き通った涙。
何年ぶりやろ。
弟が泣いたのを見たのは。
赤「ええよ。いっぱい泣き。」
そう言うとのんは俺に抱きついてきた。
桃「...ポロポロ」
弟にぎゅーされんのってこんなに嬉しいんや。
ああ、この時間がずっと続けばええのに。
のんは俺の中で泣き続けた。