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小学五年生の時
私は初めて恋をした
真緒
蘭
真緒
蘭
同い年の灰谷蘭くん
彼が私の初恋だった
男の子なのに女の子みたいな髪で、最初は戸惑っていた
でもいつの間にかその髪も彼の好きなところになっていた
真緒
真緒
蘭
蘭
真緒
彼に髪を褒められた時は嬉しかった
長く綺麗でサラサラな黒髪は私の自慢だったから
幼い頃に一度だけ髪を切られたことがある
男の子がほしかった母は女の子の私を見て見て嫌がった
我慢に耐え切れなくなった母は私の髪をバッサリと切った
それ以降、私は髪を伸ばすのが怖くなった
でも小学生の時、蘭くんに出会って言われた
「綺麗な髪なのになんで伸ばさないの?もったいないね〜」
始めは、私の気も知らないでそんなこと言わないでと思った
でも、時が経つに連れ私は自然と髪を伸ばすようになった
なぜかはわからないけど、多分嬉しかったんだと思う
初めて誰かに綺麗な髪と言われたことが
真緒
蘭
真緒
真緒
真緒
蘭
「似合ってる」
「可愛い」
その言葉が今でも忘れられないくらい嬉しかった
その日から私は色んな髪型をした
日に日に上手になり、難しい髪型もできるようになった
髪型を変えてはいつも蘭くんに見せていた
ある時は「似合ってる」
ある時は「可愛い」
そう言ってくれた
成長するに連れ、どんどん女の子になっていく私に母は怒りを覚えた
気づけば髪は肩まで伸びていて、いつまた切られるか怖くなった私は髪が短く見える髪型というのを覚えた
そして努力の末、見事に母を騙すことに成功した
これで悪夢が終わる
母に怯えなくてすむ
そう思っていた
でも、私の本当の悲劇はここからだった
真緒
ーーー?
ーー、ーー
ーーー!
真緒
モブ助(なぁなぁ、蘭
蘭(んー?なーに?
真緒
真緒
モブ助(ぶっちゃけ櫻坂のことどう思ってるの?
真緒
蘭(えー?真緒ー?
真緒
モブ尾(どうなんだよ!笑
蘭(んー、正直好きじゃない
真緒
モブ助(えー!意外!
モブ尾(なんでなんでー?
蘭(いちいち髪型変えて俺に見せて感想聞いてくるからさ
蘭(お前はアイドルかモデルかよって思うんだよね〜笑
蘭(正直面倒なんだよね、そういうのって
真緒
モブ尾(あー、でもわかる気するわー笑
モブ助(毎日髪型変えてくるからさ覚えられないんだよねー笑
この日、私は逃げるように学校から飛び出した
初恋だった人に陰でそんなこと言われて、とても悲しかった
その日から私は髪型を変えることはなくなった
すると必然的に蘭くんに話しかけることもなくなった
結局、私は自分を見てもらうことにしか目がなかったのだと気づいた
このままで終わりたくない
このままバカにされて終わりたくない
アイツらを、蘭くんを見返したい
初めて恋をし、恋に焦がれてた
あの頃の私はもういらない
あの頃の私はもういらない
___0話.
連載 START
コメント
10件
蘭ちゃんか〜 どんなお話になるだろう? 続きゆっくりで良いので楽しみに待ってます((o(´∀`)o))ワクワク
関係ないんですけど1つ前の話っていつ最新でますか!
蘭か~!! めっちゃ続き気になります! 待ってます!