彼女はユキと名乗った。
ユキさんは23歳であの駅の駅員さんらしい。
そして、趣味は読書だという。
僕の趣味も読書なため、どこか親近感が湧いた。
僕
ユキ、は馴れ馴れし過ぎるか…
僕
ユキちゃん、もなんか違うか…
僕
ユキさん、はちょっと堅すぎるか…?
自分と同い年なのでどう呼んだらいいか分からない。
そしてもっとユキさんのことを知りたくなった。
会社に着き、少し肌寒いオフィスに入る。
それと同時に同僚が肩をたたいた。
同僚
よう、佐木、今日何で遅れたんだ?
僕
いや、いろいろあって…
同僚
何で隠すんだよー、別にいいだろー?
僕は渋々今日のことを話した。
同僚
別に変じゃないだろ。何で隠したんだよー!
僕
だって、恥ずいじゃん…
確かに僕は学生時代もそんなに恋愛に積極的な方ではなかった。
そしてその日はユキさんのことが頭から離れなくなった。
あの黒い髪、向日葵のような黄色いワンピース、
あのときはスーツだったけどアイコンのユキさんはワンピースを着ていたっけ。