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期限付きの恋心

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5 - 第5話 『秘密の星空』 『アイスココアと、えとさんの口癖 🌷』

♥

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2025年08月02日

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part5 『秘密の星空』

🍫

うわ…風、気持ちいい

えとが小さくつぶやいた。

中庭を出ると、夜空が広がっていた。 ビルの明かりもまばらな病院の敷地からは、思ったよりたくさん星が見えた。

ふたりは並んでベンチに座る。 えとは口を開けたまま、空を見上げていた。

🍫

なおきりさん

🌷

はい、何でしょう。さっきの冒険、五段階評価で言えば…?

🍫

うるさい。……でも、楽しかったよ

🌷

でしょ?

🍫

うん

しばらく風の音だけが流れた

🍫

ねえ、

🌷

なに?

🍫

……なんかね、こうやって黙ってても、気まずくないのって不思議

🌷

えとさんが無言でも顔がうるさいからかもね

🍫

はい?どゆこと?

🌷

“楽しい”とか“さみしい”とか、全部顔にでてる。バレバレ

🍫

なおきりさんには言われたくない!

🌷

僕はね、プロだから。からかいの

🍫

自称ね。病院一のからかい王子

ふたりで笑い合う。

その笑い声も、夜の中庭ではそっと消えていく。

🌷

でもさ

急に、なおきりの声が少しだけ静かになった。

🌷

こういう時間、ほんとに……宝物みたいに感じる

えとは振り向く。

🍫

珍しいね、なおきりさんがそんなこというなんて

🌷

……まぁ、えとさんがいるからだよ

🍫

……え?

🌷

ほら、また顔にでた

🍫

…バカ

えとはなおきりの肩に軽く頭を預ける。 風がふたりの髪をゆらした。

🍫

この星空、忘れないと思う

🌷

ふたりで見たから?

🍫

うん

🌷

じゃあ、次は流れ星見つけて、願い事としよう

🍫

なにお願いするの?

🌷

そりゃもう、えとが元気になることーーって言ったら、
“なおきりさんは?”って聞くんだろ

🍫

うん

🌷

僕の願いはさ……

少し間をあけて、なおきりは空を見上げたまま、ぽつりとつぶやく。

🌷

……この時間が、もうちょっとだけ続いてほしいなって

えとはその横顔を見つめながら、ゆっくり頷いた。

🍫

……うん。わたしも

『アイスココアと、えとさんの口癖』🌷

えとさんはなんでか知らないけど毎日同じ時間に「アイスココア飲みたい」って言う

病院の売店で買えるやつ。プラスチックのカップに入ってて、ストローが細くてすぐぬるくなるやつ。

たぶん、うまいってほどでもないけど、あれを飲むときのえとはいつも楽しそうで。

🌷

今日もアイスココア?

って聞くと、

🍫

えっ、まさかなおきりが買ってきてくれるの?

って返してくる

だから最近は、先に買っておくようにした。 えとさんの笑った顔、見たいし。

今日も図書館のあと、ふたりで中庭のベンチに座った。 ココアを一口飲んで、えとさんは嬉しそうに言う

🍫

これ、たぶん世界で一番優しい味

🌷

それは言いすぎ

🍫

だってさ、気づいた?毎回、ちょっとだけ冷たすぎなくて、ぬるすぎなくて、ちょうどいいの。

🌷

いや、それは売店の冷蔵庫の仕事じゃないの?

🍫

なおきりさん、空気読もう?

えとさんはよくそうやって言う。

“空気読もう?”とか、“からかいすぎ”とか、“そういうとこだよ”とか。 正直、言われるたびにちょっとだけ嬉しい。

🍫

ねぇ、

ココアを飲み終えて、えとさんはストローをくるくる回しながら言った。

🍫

いつかさ、病院抜け出して、カフェとか行きたいね

🍫

行こう!ドリンクバー付きのとこで、なおきりさんが10杯くらい飲んで後悔するやつ

🍫

そのときは、わたしが写真撮っとく

🌷

なんで?

🍫

だって、“幸せそうなバカ”って感じでちょうどいいじゃん

🌷

おいwそこ、“幸せそうな彼氏”とかいうとこでしょ普通!

🍫

…言わないよ、そんなの

🌷

ちぇー

でも、えとさんの頬が少しだけ赤くなってるの、僕は見逃してない。

病院の毎日は、たいして変わらない。 検査、点滴、安静。

なのに、えとさんがそばにいるだけで、なんてことない1日がすごく特別になる。 例えば今日みたいに、ココアのぬるさを語り合ったり、一緒に雲を見上げたり、 くだらない言い合いをしたり。

そんな毎日が、ずっと続けばいいのにって。 そう思いながら、また明日も同じ時間に、ココアを2本買う。

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