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part5 『秘密の星空』
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えとが小さくつぶやいた。
中庭を出ると、夜空が広がっていた。 ビルの明かりもまばらな病院の敷地からは、思ったよりたくさん星が見えた。
ふたりは並んでベンチに座る。 えとは口を開けたまま、空を見上げていた。
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しばらく風の音だけが流れた
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ふたりで笑い合う。
その笑い声も、夜の中庭ではそっと消えていく。
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急に、なおきりの声が少しだけ静かになった。
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えとは振り向く。
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えとはなおきりの肩に軽く頭を預ける。 風がふたりの髪をゆらした。
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少し間をあけて、なおきりは空を見上げたまま、ぽつりとつぶやく。
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えとはその横顔を見つめながら、ゆっくり頷いた。
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『アイスココアと、えとさんの口癖』🌷
えとさんはなんでか知らないけど毎日同じ時間に「アイスココア飲みたい」って言う
病院の売店で買えるやつ。プラスチックのカップに入ってて、ストローが細くてすぐぬるくなるやつ。
たぶん、うまいってほどでもないけど、あれを飲むときのえとはいつも楽しそうで。
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って聞くと、
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って返してくる
だから最近は、先に買っておくようにした。 えとさんの笑った顔、見たいし。
今日も図書館のあと、ふたりで中庭のベンチに座った。 ココアを一口飲んで、えとさんは嬉しそうに言う
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えとさんはよくそうやって言う。
“空気読もう?”とか、“からかいすぎ”とか、“そういうとこだよ”とか。 正直、言われるたびにちょっとだけ嬉しい。
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ココアを飲み終えて、えとさんはストローをくるくる回しながら言った。
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でも、えとさんの頬が少しだけ赤くなってるの、僕は見逃してない。
病院の毎日は、たいして変わらない。 検査、点滴、安静。
なのに、えとさんがそばにいるだけで、なんてことない1日がすごく特別になる。 例えば今日みたいに、ココアのぬるさを語り合ったり、一緒に雲を見上げたり、 くだらない言い合いをしたり。
そんな毎日が、ずっと続けばいいのにって。 そう思いながら、また明日も同じ時間に、ココアを2本買う。