「青春旅行」
注意(attention) atkr二次創作 学パロ、年齢操作、 ダーク要素あり 魔法系(ファンタジー)要素大
第1章第10話 星の下で
僕が、中学3年生の頃かな。
母さんが、こう言ったんだ。
母親
母親
1歳の頃、家族でお花見に行ったことを、ぼんやりと覚えている。
なんとなく覚えているのは、春の温かい日差しと、綺麗な桜、優しい両親のことだった。
僕が2歳になる直前に、母さんは病気を患い、倒れた。
あれから今まで、ずっと入院している彼女の目には、何が映っているのだろう。
僕は…否、僕達は。
悪夢を見続けている。
醒めることのない、地獄のような夢…即ち現実の中を、僕達は無我夢中に走っている。
それぞれの能力により、能力者全員が苦しめられた。
本当は、能力者は能力が嫌いだ。
満開の桜の木の下だった。 空は春の光に包まれた、美しい水色だった。
🍆
どうして?
🍆
🍆
胸元の造花が揺れている。
春のそよ風は温かくて、心地よい。
これは…僕の存在しない記憶だ。
目覚まし時計の五月蝿い音で目を覚ます。
スマホを見ると、正しい日時を示している。
良かった、これは夢じゃない。
あんな不自然な夢、怖くて仕方がない。
父親
お父さんの声で我にかえり、返事をして部屋を出た。
父親
いつも朝ご飯は父さんが、夜ご飯は僕が作る。
父さんが作るご飯は、いつも温かい。
母さんが入院したあの頃から、毎日仕事で忙しい父さん。
それなのに、朝から手の込んだ料理を用意してくれるのが、とても嬉しい。
多分、父さんなりの愛情の形だろう。
寡黙な父さんは、いつも何を考えているのかわからない。
🦍
カトラリーの音と、都会に溢れる鳩や鴉達の鳴き声が耳に残る。
父親
🦍
父親
この人は、並程度の人にはわからないような、ごく僅かな変化を見逃さない。
🦍
父親
そう言って小さく笑う貴方を見つめながら、フランスパンを齧る。
🦍
🦍
🦍
🦍
そこまで言うと、父さんは小さく息を漏らし、再び笑った。
父親
知りたくない。
認めたくない。
🐈
??
他人事のような返事。
??
??
next→(第2章第1話) 闇の光
コメント
3件
Mrくんの両親が “ 四季を消した ” んですかね...? ファンタジー系好きなのでとっっても楽しく読ませてもらってます!!