男A
あれ?ちょっとそこの兄ちゃーん!

男B
うわ匂いやっば!アンタΩ?!しかもヒート中とか激アツ〜!

男A
なぁ兄ちゃん、今から俺たちと良いことしようぜ♡

直哉
なッ…!は、離せやぁ…!♡

男B
やば!めっちゃ可愛いじゃーん!男のくせに凄ぇタイプだわ〜!

男A
抵抗したら…わかってんだろうな?

直哉
はッ…?はぁ…はぁッ…!♡

直哉
(嫌や、嫌や嫌や嫌や嫌や…!コイツらなんかと…!絶対に嫌や…!)

直哉
さッ…とるくん…ッ…(ポロポロ

男A
うおっ!泣き顔もめっちゃ可愛いじゃねぇか!

男B
良いの捕まえたぜ〜!

直哉
(あの時…なんで直接助けてって…言えんかったんやろ…俺アホちゃうか…?)

直哉
い、嫌や…っ! 触んな、言うてる…やろ…っ!♡

男B
おーおー、威勢がいいねぇ。でもさ、この匂い…隠せてねーぜ? 身体はこんなに欲しがってんのになぁ!

男たちが放つ、五条のそれとは似ても似つきもしない、下卑た濁ったαのフェロモン。それが直哉の鼻腔を突き、吐き気を催させる。
直哉
(こんな、どこの誰とも知らん奴らに…俺が、汚されるんか…?)

直哉
(悟くん…っ! なんで、行ってもうたんやっ。俺が、あんな…っ…強がり言ったから…っ)

男A
よーし、もっと奥に行こうぜ。そこでたっぷり可愛がってやるからよ……

男が直哉の腰に手を回し、路地のさらに暗い闇へと引きずり込もうとした、その時。
??
――ねぇ。それ、僕の『知り合い』なんだけど

男A
あぁ!? なんだてめぇ…っ

男たちが振り返った先には、サングラスを指先で弄びながら、いつの間にか戻ってきていた五条悟が立っていた。
五条
僕がちょっと目を離した隙に、何してくれてんの?

直哉
さと……くん……っ♡

五条の姿を見た瞬間、張り詰めていた糸が切れ、直哉の目から大粒の涙が溢れ出した。
五条
その子僕の幼馴染なんでー、返してくれないかな

男A
ヒーロー気取りかよ

男B
古すぎオッサン!

五条
…オッサン?

五条
はははっ!笑わせてくれるねぇ…一応、まだ20代なんだけど。最近のガキは敬語も知らないのかな?

男A
うるせぇ!俺たちが捕まえた獲物だ!テメェが幼馴染か知らねぇし!

男B
昔からの仲ですよアピールしても、幼馴染だからなんだよ!良い加減にしろよな!結局はほったらかしだろ!

男B
どうも思ってないんだろ!利用するだけしてあとは捨てんだろ!

直哉
っ…(ピクッ

男A
こんな男よりも、俺たちの方が良いに決まってんだろ!(無理矢理直哉の手首を掴んで寄せる)

直哉
い"ッ!は、離せやアホが…!♡(ポロポロ

五条
…へぇ〜?

五条の口角が吊り上がる。だが、その目は全く笑っていない。
五条
『利用するだけして捨てる』…か。僕が? 直哉を?

五条
勝手に僕の評価下げないでくれるかな。それとさ……

五条の手が、男Aが直哉の手首を掴んでいる腕に、そっと置かれた。
五条
その汚い手、今すぐ離さないと、一生何も掴めなくなるよ?

男A
あ、あぁっ!?

五条
直哉、おいで

五条は突き飛ばされた直哉をまるで見せつけるように引き寄せ、その細い腰をガッシリと抱きとめた。
ヒートで熱い直哉の背中が、五条の硬く、冷徹な胸板に押し付けられる。
直哉
あぇっ…?♡

五条
聞いた? こいつら、僕のこと『ほったらかし』だってさ。心外だよねぇ、直哉?

五条は男たちをゴミを見るような目で見据えたまま、抱き寄せた直哉の耳たぶを、今度は威嚇するように甘噛みした。
五条
ねぇ、ゴミ掃除…終わるまで待てる? それとも、このまま僕に『食べられちゃう』のがいい?

直哉
ま、待てるしッ…!♡

五条
じゃあ良い子にしててね♡

五条は直哉の腰から手を離すと、まるで散歩でもするかのような軽い足取りで男たちの前へ進み出た。
男A
な、なんだよ…っ、急に動けなく…っ!

男B
ヒッ!? お、お前、何者だよ…っ!

五条
僕? ただの通りすがりの最強だよ。あ、でもさっきの『オッサン』発言はちょっと傷ついたから、相応のペナルティは受けてもらうね

男たちは悲鳴を上げる暇もなく、不可視の衝撃によって壁際まで吹き飛ばされた。
五条
…はい、掃除完了。ゴミはゴミ箱へ、ってね

五条
お待たせ、直哉。…いい子にしてたご褒美、何がいい?

五条は直哉の前に跪き、地面にへたり込む彼の顔を覗き込む。
直哉
はぁっ、はぁっ…っ♡(…もう、限界や……っ)

直哉は震える手で五条の首筋に抱きつくと、その肩に顔を埋めた。もうプライドなんてどこにもない。
ただ、この強くて冷たい、大嫌いで大好きなαに、すべてをめちゃくちゃにされたいという本能だけが残っていた。
直哉
…さ、とるくん…。なんでも、ええから…はよ、して…ッ♡\\\

五条
……へぇ。直哉の方からそんなこと言うなんて、相当キてるね

五条の低い笑い声が直哉の鼓膜を揺らす。五条は直哉を軽々と横抱きにすると、彼のうなじに熱い唇を寄せた。
五条
…いいよ。後悔しても、もう離してあげないからね

五条
じゃ、とりあえず帰るよ〜

直哉
ど、どこにや…?♡

五条
ん?高専☆

直哉
はっ?! 高専って…おま、正気か…っ!?♡

直哉
あ、あかん!あんなとこ…呪術師の巣窟やろ…んなとこ連れてかれたら…俺、恥で死ぬわっ!♡

五条
えー、だって今からホテル探すの面倒だし、僕の部屋ならセキュリティ万全だよ?

五条
結界術もあるし、誰も入ってこれなーい。ね? 安全でしょ?

直哉
安全なわけ…っ、はぁっ♡あるか…っ! 相手…お前やぞっ!♡

五条
あはは、バレた? ま、直哉が今一番『危険』なのは、僕の目の前だってことだよね

直哉
ま、待て…っ! さと…っ、さとるくん! せめて、せめて誰にも…会わさん…っ…あぅっ♡

五条
はいはい善処しまーす、でもさ、もし見つかっちゃっても『僕の番(つがい)です』って紹介すれば、誰も文句言えないと思わない?

直哉
……っっっ!!(こいつ…!!!)
