初めてだ
点字で話しかけてくれた
今迄そんな事されなかった
酷いことしかされなかった
車椅子を奪われたり
上履きを隠されたり
本当…探すの大変だった
下半身不随だから
歩けないの知ってる癖に
わざと面倒臭いことして
あの時の俺が
どれだけ周りに不快感を与えたか
知らない
アイツらは絶対に知らない
俺の苦労も
周りに与えた迷惑も
それがどれだけ大きいのかも
知らない
もうあんなの嫌だ
ほふく前進してるみたいで
正直、恥ずかしい
よりも
恐怖の方が大きかった
もう嫌だ
あんなの…ッ、
ちぐさ
まぜ太
確認はとれたものの
何故かそれ以上に動かなくなった
なんだか
「話しかけないで」
って言われてるみたいだ
実際にちぐがどう思ってるかは分からない
でも、やっぱり
「話しかけないで」
って言われてる感覚がする
ぷりっつ
どうしたのだろうか
アイツが他人に対してあんなに真剣になったことはなかった
なのに、何故だ?
何故そんなに、
態度が変わってるんだ?
確かにちぐは心配や
やけど
そんなに必死になる理由はなんや?
ちぐさ
怖い
でも、何処か
信じたいような
頼りたいような
そんな思いがある
どうして?
どうして俺は
『名前を知りたい』
なんて
思うの?
まぜ太
ちぐさ
また紙だ
『俺はまぜ太』
『よろしく』
ちぐさ
まぜ太って言うんだ
ちぐさ
ちぐさ
まぜ太
まぜ太
なんだか
まぜ太くんが
笑ってくれた気がしたのは
気の所為だろうか
あっと
何処か空気が悪い気がする
まぜがちぐの方に行ってから
そう感じ出した
まぜが原因では無い
でも、
他に原因が見つからない
まぜは悪くない
そう
まぜ"は"悪くない
悪いのは __
俺か?
あっと
まぜ太
まぜ太
ぷりっつ
まぜ太
まぜ太
あっきぃ
あっきぃ
まぜ太
けちゃ
あっと
まぜ太
まぜ太
あっと
『友達』って…
なんだ?
コメント
1件
まぜ太くんとお友達になれてよかった、 あっとくん…、なんかありそうですね…、 この話好きです! 続き楽しみにしてます!