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いつもの仕事帰り

私は家の鍵を開ける。

さおり

……ただいまー

もう誰も返事しないけど

言ってみる。

かずき

おかえり、さおり。

さおり

!?

さおり

かず!!!!

誰もいないはずの部屋に

少し大人びた弟がいた。

さおり

えーかず!

かずき

なによ

さおり

えー!久しぶりっ!!

かずき

んふふ、久しぶり。

かずは意地悪な笑みをして私を見てくる。

かずき

かずき

同棲中の彼氏は?

さおり

……たくみのこと?

かずき

ん。

さおり

別れた。

かずき

かずき

そっか。

さおり

だってさ、私が重いって言うんだよっ…?

かずき

…まぁね、ちょっと重いところはあるよね。

さおり

うそっ!?

さおり

でもね、だってさぁ…!

かずき

……気にしてんの?

さおり

さおり

別に?

さおり

もう忘れた的な?

かずき

ふーん。

さおり

なによ。

かずき

別に?

さおり

んむー

さおり

ってか、なんできたの?

かずき

いや?

かずき

俺も仕事長期間休みでさ?

さおり

えっ偶然っ私も明日から長期間休み!!

かずき

知ってる。

さおり

えっ?なんで?

かずき

俺の情報力なめんなよ☆

かずはぺろっと下を出す。

いや、可愛いなおい。

さおり

だから、泊まりに来たの?

かずき

ん。

さおり

いや、彼女のとこ行きなよー。

かずき

ばーか、いませんよ。

さおり

…一緒。

かずき

ばか。

さおり

ばかじゃない。

かずき

ばかだよ。

さおり

いや、一応お姉様だからね?

かずき

…でも血は繋がってないじゃん。

さおり

さおり

そーだけどさ。

かずと私は義理の姉弟。

私が中学2年生の時に

亡くなったお母さんの代わりか、

新しいお母さんと、新しい弟が来た。

その弟がかずだ。

12年前

お父さん

さおちゃん?

さおり

んー?

お父さん

お父さんね、好きな人出来たの。

さおり

…え?

お父さん

会ってくれる?

さおり

……うん。

新しいお母さんと呼ぶその人は

とても優しそうで綺麗な人だった。

お母さん

よろしくね、さおりちゃん。

お母さん

今日から貴方のお母さんよ。

さおり

さおり

…お母さん…。

お母さん

そして、貴方の弟の

お母さん

かずきよ。

かずき

さおり

かずき

…よろしく。

さおり

…よろしくね。

最初は素っ気なかったかずも

ゲームに誘ってくれたり

勉強一緒にしたり

年子なのか、楽しかった。

そして私が高校2年生の時。

かずは高校1年生で、

私は初めての彼氏が出来る。

さおり

ねぇ、かず

かずき

んー?

よくかずは私の部屋に来る。

さおり

なんで私の部屋に来るの?

かずき

かずき

ダメなの?

さおり

い、いやダメじゃないけどさ

かずき

ならいいじゃん。

さおり

あのね

さおり

さおり

お姉ちゃん彼氏出来たの。

かずき

…え?

かずき

嘘でしょ?

さおり

嘘じゃない。

かずき

お姉ちゃんに彼氏…。

さおり

いや、なんで驚いてんの!?

かずき

お姉ちゃん、経験なさそう。

さおり

いや、どーゆー意味!?

かずき

……ハグとかないでしょ

さおり

さおり

あ、ある、し?

かずき

嘘。

さおり

なんでわかった。

かずき

わかる。

かずき

お姉ちゃんばかだから。

さおり

ばかじゃない。

かずき

ばか。

さおり

とにかく、彼氏が来るから

さおり

…今日はちょっと…ねぇ?

かずき

俺、お姉ちゃんの彼氏見てみたい。

さおり

……いやぁねぇ?

かずき

なんて言う名前なの。

さおり

さおり

たくみ…君。

かずき

たくみくん。

かずき

ふーん。

さおり

いや、もうっ…ねぇ?

かずき

ふーん

かずは私のベットから降りて

私と同じ姿勢でこっちを見つめる。

さおり

かずき

お姉ちゃん。

さおり

な、に。

かずき

男をね

かずき

そんな軽々と部屋に上がらすものじゃないからね?

さおり

さおり

分かってるよ!!

さおり

たくみ君はそんなことしないよ。

かずき

……信じすぎっだつーの。

さおり

…へ?

かずは部屋を出ていった。

さおり

さおり

それから30分後、

たくみ君は部屋に来た。

たくみ

よっ

さおり

いらっしゃい。

たくみ

へぇー部屋綺麗だな。

さおり

…ありがと。

たくみ

……

いや、気まず。

無言になる。

たくみ

さおりっ

さおり

やっ…

たくみ君は私の頬を掴む。

たくみ

……

さおり

……

たくみ君に抱き締められる。

さおり

っ…

たくみ

さおり…

さおり

た、くみ…君…。

そして口と口が触れる。

触れるだけ。

さおり

そして離す。

そして

もう1回私の口に触れようとする。

さおり

さおり

いやっ…!!!

私は反射でたくみ君の胸を押した。

かずき

さおり

ご、ごめ…ん。

たくみ

…いや、俺こそごめん。

たくみ

俺、なんか焦ってるから

さおり

さおり

うん…

こんな空気耐えられない…。

さおり

あ、お茶持ってくるねッ

たくみ

うん。

私は部屋を出る。

さおり

……はぁ~

私は階段を降りる。

かずき

かずとすれ違う。

さおり

か……

かずの目はいつもと違う目だった。

さおり

ず……

かずは私とすれ違う。

さおり

私は自分の唇を触る。

なんでだろう。

気持ち悪い

これは何?

その後も

気まずい空気の中で

たくみ君は1時間も経たずに帰って行った。

さおり

かずき

入るよ。

かずがいつもの様に入ってくる。

かずき

…どうだったの。

さおり

嫌われた。

さおり

たくみ君に嫌われた。

かずき

かずき

でもキスしたんでしょ。

かずき

いいじゃん

かずき

たくみくんいい人だと思うけど。

なんでそんなに推してくるの。

何故か胸が苦しくなる。

さおり

ばか、ばか。

かずき

ばかはさおりだろ。

さおり

っ!?

さおり

なんっで…

急に名前で呼ばれて

顔が熱くなる。

かずき

…これで分かったんじゃないの

さおり

かずき

さおりがたくみくんの事

かずき

どう思ってるのか。

さおり

かずっ…

かずき

かずが手を広げる。

そこに私はダイブする。

さおり

嫌…だった。

かずき

そりゃね。

かずき

好きでもない男にキスなんて

かずき

死ぬよ。

さおり

さおり

最悪

かずき

ばか。

さおり

ばか…

さおり

かもしれない。

私達は見つめあった。

さおり

かず…

かずき

ねぇ。

さおり

…?

かずき

今日だけの関係。

かずき

いい?

さおり

さおり

…え?

私達はキスをした。

それは

その日だけの関係だった。

そして今。

さおり

かずはさ

かずき

ん。

さおり

彼女ほしいとか

さおり

思ったりしないの?

かずき

かずき

ほしいよ。

さおり

えっ

かずき

好きな人もいる。

さおり

うそぉん。

かずき

ほんと。

かずき

でもきっと叶わないよ。

さおり

なんで

かずき

その好きな人には好きな人がいるからね。

さおり

さおり

そっか…。

さおり

でもかず容姿バッチリなのにね。

かずき

うるさいな。

かずき

慰めになってないよ。

とかいいながら

かずは笑顔だった。

さおり

結婚したいなぁ

かずき

だって、もう26でしょ?‪w

さおり

かずだって25でしょ。

かずき

…お互い様だよ。

さおり

ね。

やっぱり

気まずい空気が流れる。

前のことを思い出しちゃう。

かずとのハグ

キス。

全てが

全てが思い出す。

心地の良い

あの

快感が。

でもね

一緒にいられないの。

かずには好きな人がいる。

なにせ、姉弟。

絶対に結ばれない関係。

それでも

さおり

それでも

私は

さおり

私は

かずのことが

さおり

忘れられない。

さおり

かずが好きなの。

かずき

さおり

さおり

ま、まって…

さおり

声…出てた?

かずき

う…ん。

さおり

恥ずかしくて顔が熱くなる。

さおり

わ、忘れてっ…!!!!

私は立ち上がった。

さおり

コンビニっ…行ってくる。

さおり

最悪だ。

最低だ。

かずに伝えるなんて

馬鹿だ。

最悪な姉だ。

私は夜中の道を歩く。

歩く。

嫌だ。

嫌だ。

なんでっ

かずき

さおり!!!!

さおり

さおり

か、ず…。

かずき

これ。

かずはかずのコートを渡す。

さおり

えっ

かずき

そんな薄着じゃさみぃだろ。

さおり

…ありがとう

でも

ブカブカだった。

こんなにかずは大きかったけ?

いつの間にか越された身長。

大きな手。

凛々しい横顔を。

私は愛しくてたまらない。

かずき

さおり

さおり

………

かずき

さおり。

かずき

俺、さおりの弟。

さおり

う、ん……。

知ってる。

そんなこと

知ってる。

なのに

涙が出てくる。

かずき

俺、親を憎んだ。

かずき

なんで、なんでさおりと姉弟なんだろって。

かずき

なんで家族になっちゃったんだろって。

さおり

私と……

さおり

そんなに会うのが嫌だった…?

かずき

…は?

さおり

そんなに嫌だったなら!

さおり

なんで今日来たのさ

さおり

そうやってさ、私の心を弄んでるの?

かずき

さおり…?

さおり

こんなのずるいよっ…。

さおり

嫌だよっ………

かずき

俺は

かずき

さおりが好きだ。

さおり

さおり

…え?

かずき

こんなに愛おしくて

かずき

綺麗な髪も

かずき

長い指も、爪も。

かずき

泣き虫なところも。

かずき

純粋そうな笑みも

かずき

細い足も

かずき

華奢な体も。

かずき

かずき

さおり自身も。

かずき

姉としてじゃない。

さおり

かずき

女として。

かずき

女として恋をした。

さおり

かずき

この気持ち、抑えられなかった。

かずき

でも我慢した。

かずき

さおりを傷つけてしまうって。

かずき

結局傷つけた。

かずき

かずき

ごめん

さおり

かずっ……

かずき

でも好きなんだ。

さおり

かずぅっ…あぅっ…う…

かずき

泣かないで。

かずき

しょうがないよ。

かずき

こんな

かずき

こんな世界なんか

かずき

残酷なんだよ。

好きなのに

両想いなのに

大好きなのに

一緒にいれない。

こんなに

こんなに、大好きなのに

一緒になれない。

辛いよ

しんどいよ。

それでも

許して。

お父さんお母さん

私を許して。

私はかずと一緒にいたい。

かずき

手。

さおり

え……

かずき

両想い…だろ?

さおり

うん…………

かずき

不安?

かずが手を繋いでくれる。

さおり

そんなこと、ないよ。

かずき

ほんとは?

さおり

ものすっごく不安。

かずき

んふふ。

さおり

なんで笑うの。

かずき

いや。

かずき

可愛いなって。

さおり

何が?

かずき

さおりが?

さおり

…え?

かずき

俺のために悩んでくれてる。

かずき

…嬉しいよ。

かずき

でも、俺、さおりのこと本気だからさ

さおり

うんっ………

かずき

俺、ちゃんと言いたい

さおり

えっ…?

さおり

さおり

え?

かずき

お母さんお父さんに、いおう。

さおり

嘘……でしょ?

かずき

ほんと。

かずき

俺は本気なんだ。

かずき

さおりは?本気じゃない?

さおり

さおり

ほんき。

かずき

だよな。

かずき

大丈夫、俺たちなら。

そう言って私を抱き締める。

かずのいい匂い。

安心する匂い。

この匂いに包まれたい。

ずっと。

私のかずを握る手が強くなる。

それに気づいたのかかずは

私を抱き締める力が強くなる。

一緒に…いたい。

かずき

お母さん?

かずは電話をかける。

かずき

かずき

かずき

うん。

かずき

お願い、うん。

そして電話を切る。

さおり

さおり

来る…の?

かずき

らしい、お父さんも来るよ。

さおり

さおり

そっか。

かずき

怖い?

さおり

……うん。

かずき

そっか……。

かずき

……この部屋が2ヶ月前まで他の男といたんだって

かずき

思うと嫌だよね。

さおり

さおり

でも。もう忘れたから。

さおり

たくみのことなんて。

かずき

好きでもなかったのに

かずき

よくずっと付き合ってられたよね。

さおり

……。

かずき

高校二年生からでしょ。

かずき

よく続いたよ。

さおり

……

かずき

ほんとは、

かずき

忘れてないんでしょ。

さおり

さおり

違うよ……1人がっ…

さおり

嫌だったんだよ……

かずき

さおり

私のことなんて

さおり

分かってくれてなかった。

さおり

だから言ったの……

さおり

もっと、ちゃんと私のことを見てよって。

かずき

さおり

そしたら、出て行ったの。

さおり

…ひとりだった。

さおり

怖かった。

かずき

さおり

確かに忘れてない。

さおり

そして

さおり

怖い。

さおり

かずは私のこと、見てくれるの?

さおり

出ていかない?

さおり

離れない……?

沈黙が流れる。

重かったかな。

私ったら

何言ってるんだろう。

かずの顔を見るのが怖い。

さおり

やっぱなんでもっ…

かずき

好き。

さおり

かずき

俺はさおりを守りたい。

しばらくして

お父さんお母さんが来た。

不安でたくさん。

かずき

ふたりとも

かずき

話があるんだ。

お父さん

お父さん

改まってなんだ。

お母さん

そうよ、どうしたの?

3人ともリビングテーブルに座る。

私は怖くて座れない。

かずが私をみる。

かずき

さおり

さおり

かずき

大丈夫、俺に任せて。

さおり

さおり

うん…

私は座る。

足がガタガタ。

かずき

ふたりとも

かずき

あのな

かずき

かずき

さおりを好きになったんだ。

沈黙が流れる。

怖くて顔後見れない。

やっとの沈黙の終わりで

お父さんが口を開く。

お父さん

お父さん

いつからだ?

声が低い。

かずき

俺は、結構まえから。

お父さん

さおりは?

さおり

さおり

私も結構前から、気づいてました。

お父さん

お母さん

お母さん

両想い、なの?

かずき

うん。

私も頷く。

でも顔はまだ見れない。

お父さん

……なんで、話してくれなかったんだ

お父さん

と言いたいところだが

お父さん

…そうか。

お父さん

気持ちは辛かったよな。

お父さんの笑い声が聞こえる。

私は安心したのか顔を挙げる。

さおり

だけど

ふたりとも泣いていた。

さおり

……っ

お母さん

………

沈黙が流れる。

お母さん

かずき

かずき

はい

お母さん

あなたは、さおりを支えていける自信はあるの?

お母さん

これからは恋人として、なんて。

かずき

かずき

はい。

さおり

お父さん

さおりも、これでいいのかしっかり考えたのか?

お父さん

これでやっぱり弟とか、許されない世界なんだぞ?

さおり

…はい。

涙を流す。

涙を流す。

お願い。

神様

この関係が嫌だ。

でも

この関係でいたい、

心の矛盾。

お父さん

お父さん達は

お父さん

お父さん

反対することはない

かずき

かずき

え、

さおり

さおり

え?

お母さん

お母さんも、貴方達がそれでいいなら

お母さん

どんなことも乗り越えられるなら。

かずき

かずき

ほんとか!?!?

お父さん

あぁ、

そう言ってお父さんは

離婚届を出した、

さおり

さおり

え、

お母さん

貴方達のためなら

お母さん

私達だってなんでもするわ。

お母さんはわらった。

静かに笑った。

そしてハンコを押した。

かずき

ちょっと待てよ!!!!!

さおり

さおり

そうだよ

さおり

なんでっ…

お父さん

これでいいんだ。

お父さん

これで

お父さん

君達は結ばれる。

さおり

そんなの!

さおり

そんなの望んでない!!!!!!!!!

かずき

俺達のせいで

かずき

ふたりが別れるなんて!!!!

かずき

俺は嫌だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

お母さん

……大丈夫よ。

お母さん

お母さん

別れても私達は家族なのだから。

さおり

……

お父さん

別れても家族だ。

お父さん

決して離れたりしない。

かずき

ふたりともっ……

かずの目から涙が溢れる。

かずき

ぅ…あ

かずき

ありがとう…っ…

さおり

うぇっ…う……

こんなに

感謝したことはない。

こんなに

泣いたことは

久しぶりなんだ。

あぁ

さようなら。

弟。

そして

私達は…

さおり

もう、かず!?!?

かずき

ん?

さおり

早く洗濯したいから出してよね

さおり

って何読んでるの??

私はかずきが読んでるモノを見る。

さおり

アルバム…??

そこには

小さい私とかずが手を繋いで

笑っている写真だった。

さおり

さおり

懐かし…

かずき

このふたりは思ってもないだろうな。

さおり

かずき

未来

かずき

俺達が結婚してること。

さおり

さおり

私も思ってなかったもん。

さおり

未来

さおり

こんなに意地悪になってるなんて。

かずき

ばーか。

さおり

バカじゃないっ!!!

かずき

変わってねぇよ、さおりは。

さおり

さおり

変わったよ。

かずき

かずき

何が変わったの。

かずが意地悪な笑みでこっちを見てくる。

数秒後

かずは私を抱きしめることになる。

なんでかと言うと

私はこう言ったから。

さおり

かずがもっと大好きになったの。

さよなら弟。

そして

弟は恋人に。

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それでは!

さよなら すごすご(*´ `*)

この作品はいかがでしたか?

1,479

コメント

35

ユーザー

普通に泣けるyoーーーーンてー

ユーザー

もう指が進み過ぎる。 だいすきですわ

ユーザー

さきちゃん、え、ありがとう‪w え、普通に嬉しい‪w‪w‪w‪w

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