初兎ちゃん 5歳
僕の家は、兄弟がいっぱいいた
7人兄弟の、末っ子だった
1番目 兄
初兎、おはよう
初兎
にいちゃ…
初兎
おはよぉ…
2番目 姉
みんな!早く起きないと父さ…
初兎たちの父
ちっ…まだ寝てんのかよ
初兎
ぁぅ…ごめんなさ…
ボコッ
初兎
あ''…い''た''ぃ
4番目 姉
初兎!やめてよ父さん!
初兎たちの父
うるせぇ!
初兎たちの父
誰のおかげで生活できてると思ってんだよ!
ボコボコッ(4を殴る音)
4番目 姉
痛っ…
初兎たちの母
あんたもはやく起きなさいよ!
3番目 姉
っ…はぃっ…
初兎
5兄ちゃん!6兄ちゃん!起きてっ…
ボコボコッ×100
6番目 兄
いたっ!
5番目 兄
っ!いだぃ…
初兎たちの父
はぁ…とっとと仕事しろ!
僕達は父さんや母さんの奴隷だった。
元々、売られるために孤児院から集められた子だったから。
父さんや母さんに殴られる度に死にたくなった。
そのうち、お兄ちゃんやお姉ちゃんたちは売られる前に逃げていった。
最後に、僕だけ残った。
初兎たちの父
おい、戻ってくんじゃねぇぞ
初兎たちの父
お前はもう、お荷物だからな
僕は捨てられた。
初兎
だから、あの時の事…思い出すと、
初兎
死にたくなっちゃうっ…
ほとけ
( :˙꒫˙: )ポロポロ
ないこ
よく頑張ったね
ないこ
ここはもう、殴られないし
ないこ
安心して居られるからね
ないこ
だから
死にたいだなんて、思わないで。
ないこ
…じゃあ、お昼にしよっか!
ないこ
まっててね
初兎
はぁい!
悠佑
…
ガラガラッ
ないこ
うおぉ!あにき!
ないこ
どうしたの?
悠佑
いや…なんでもな
ないこ
なんかあったでしょ?
ないこ
言ってよ〜
悠佑
お昼取りに行かないのか?
ないこ
じゃあ手伝って!
ないこ
行きながら話そ!
ないこ
それで?何があったの?
悠佑
初兎の話、聞いたやろ?
ないこ
あーあれね
ないこ
ん?廊下に聞こえてた?
悠佑
うん
悠佑
聞いてた
ないこ
あにきも病室で聞けばよかったのに
悠佑
いや…全部聞くと
俺も思い出しそうだから。
ないこ
え?
悠佑
初兎のお兄ちゃん、俺や
ないこ
え?あ…え?
悠佑
あの時、初兎のこと連れて行けばよかった
悠佑
自分のことだけしか、考えられなかった
ないこ
…
悠佑
あれを思い出すと
悠佑
俺も自殺しそうになる
ないこ
まって…
ないこ
じゃあ、あにきも?
悠佑
『自殺症』
ないこ
…
悠佑
初兎は気づいてるかな?
ないこ
え?