俺はもう，ヒーローにはなれない[第二章]

あれから色んな場所を周り， 色んな人達を見た。

マイキーくんはイザナくんとも 和解していて

春千夜くんは口に傷はなかった

場地さんは相変わらず千冬と 仲良く半分こしてて

ドラケンくんもエマちゃんと 上手くやっている

ヒナは綺咲と幸せそうだし

三ツ谷くんも八戒と一緒に 妹の世話をしているらしい

灰谷兄弟は六本木を収めていて

鶴ちゃんもたまにイザナくんと 遊んでいる

チームは，芭流覇羅は無く， 東卍，天竺，黒龍の三つだけ

皆んなそれなりにやっているらしい

危なかった…

まぁ，見た目も全部変わってるし 一発じゃわからない

でも，心の中では一つの可能性に かけていて…

未だに，目は青色のままだ

すれ違ったりしただけじゃ 気付いてなんてもらえないに決まってる

でも，ほんの少しだけ…

期待してしまってる自分がいる

また，なんて

もう無いのにね…

ココくんは微妙だったけど， 他のみんなは大丈夫そうだ

それにしても，全員思い出してるなんて

“あれ”を覚えてるのは， 俺だけでいいのに…

やっぱり，何処まで行っても 俺は皆んなに迷惑をかける

もう，悪いことは考えたく無い

今は，寝よう

また今度，考えれば良い…

そう考えながら，俺の意識は 深い暗闇に沈んでいった…

久しぶりだな

そんなことはどうでもいい

察しが良くて助かる

お前に，俺の力を与えよう

言っておくが強制だ

…これで救えると言ったら？

…今のままじゃ全員救えない

…だけどいずれお前は言う

俺に助けを求める

本当に，あの頃から随分変わった

お前はあの日から目に光を 宿さなくなった

そして自分でも気付かぬうちに 闇を出している

…それはいくら，俺が嫌でもな

お前は無意識のうちに俺を求めている

だから自覚させようと思ったが…

案外，上手くはいかなさそうだな

…精々，頑張れよ

花垣武道くん