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その日も
気づいたら夕方になっていた
ゲームセンターを出ると
空はオレンジ色に染まっていて
昼の町とは違って
人が少しずつ増えていた
俺はサメのぬいぐるみを持ったまま歩いていた。
??
隣であいつが言う
スマイル
??
スマイル
そういうとあいつは笑った
??
その呼び方にも
その呼び方にも
少し慣れてきてしまっている自分がいる
しばらく歩いて
交差点の前で止まった
赤信号。
車が横を通り過ぎていく
??
あいつが言った
??
スマイル
??
昨日と同じ質問だった
俺は答えない
答えなくてもあいつは気にしない
信号が青になる
俺たちはまた歩き出す
気づいたら公園の近くまで戻っていた
空はもう暗くなり始めている
夜になる
それはつまり___
家に帰る時間だ。
足が少し止まる。
あいつはそれに気づいたらしい
??
軽い声だった
でも、図星だった
スマイル
いつもの言葉が口から出る
あいつは少しだけ空を見た
??
ポケットに手を入れながら言う。
??
スマイル
??
おれは少し迷う
帰りたくない
でも、帰らないのも怖い。
そんな顔をしていたのか、あいつは笑った
??
??
また同じことを言う
軽い言葉なのに、妙に安心する。
おれは小さく息を吐いた。
スマイル
あいつは嬉しそうに言った。
??
そして歩き出す
街の灯りが1つずつ点いていく。
その中を歩きながらふと思う
今日もまた、帰るのが遅くなる
でも。
昨日より
今日の方が
ほんの少しだけ
最低じゃない時間が増えている気がした。