ワンナイト・レイプタウン

時計を見ると、今は 深夜の二時半。

…なんでいないんだよ…

また、あの笑顔を見せてよ。

りうら…。

会いたいよ…

┼«あらすじ»┼ (sideりうら) 少子化問題を解決するため、妊娠さえすれば強姦が認められてしまう、壊れた社会。 大学の帰りに りうら が見たのは、 輪姦されるあにき。 あまりのショックに気を失ってしまう。 目が覚めると、りうらの恋人を殺した いふ君 がいた。 最初は不安だったが、ないくんの罪の重さに気づかせてくれたり、りうらを大切にしてくれたりして、少しずつ心を開いていく… ……訳ないだろ？ だってない君は何にも悪くなくって、 ナイフで印までつけてくれて。 結ばれるべきなのは、ないくんとりうらなんだから！ ※りういふ表現、赤組表現ございます。 ないふが仲悪めです。

どのくらい走っただろうか。

もう会えるはずはないけれど、 ない君に会いたくって。

気付けばあの地下から逃げていたんだ。

もちろん、外にはたくさん人がいた。

可愛くってスタイルの良いりうらが襲われる可能性もある。

……いっそのこと、 犯して欲しい

ない君のこと、 忘れたいって。

何回思っただろう。

結局忘れられずに、 オーバードーズに走ってる。

……ないくん。 会いたいよ。

………

ないくんが死んだのも、

俺がこんな場所にいるのも

全部全部まろのせいだ。

指先は爛れ、 爪が剥がれかけている。

先程通った公園の、薔薇の棘が刺さったんだろう。

濃い桃色の花片、綺麗だったな。

滴る血を拭いながら、 絆創膏を買おうと コンビニへ急ぐ。

店内の照明が眩しい。

レジの店員なんて気にせず、 絆創膏がある場所へ向かった。

ちら、と他の棚に目をやると、 そこには消毒液が置いてあった。

期待しながら消毒液を掴み、 レジへ向かった。

「…君がりうらくん？」

店員の顔を見て気付いた。

にやっと笑う彼は、 まろによく似た男性だった。