これは僕と君の夏の物語。
僕は今でも鮮明にあの出来事
を覚えている。
しおん
僕の名前はしおん。
クラスの端っこで
いわゆる陰キャってやつだ。

しおん
友達も未だ0人。

しおん
でも、いいんだ。
僕には大切な人がいるから。

ゆうが
あ、しおん!

しおん
お!ゆうが!

しおん
で、ゆうが、どうしたんだ?

ゆうが
あ、うん。
今日もウチでご飯食べて
行かないかな?って思って。
今日もおばさんたちいないよね?

しおん
まあ。そうだけど。
昨日もお世話になって
大丈夫なのか?

ゆうが
心配いらないよ!
全然大歓迎!ってか来て欲しいの!

しおん
あ。、ありがと。

ゆうが
じゃ、夜おうちで待ってるね!

それでも僕の事を好きだと
思っていたのだ。
あの時までは...。
しおん
ただいまぁ?

しおん母
だから何だっていうの?
全部私が悪いの?

しおん父
お前がこんなんだから、しおん
もあんなに暗いんだよ!

しおん母
こんなこと言われるくらいなら
産まなければ良かった。

しおん父
お前が勝手に産んだんだろーが!

な、なにが起きてるの?
僕を産まなければ良かった?
なんだよ、それ。
しおん
なに言い合ってんの。

しおん母
し、しおん。

しおん父
しおん。いたのか...。

しおん
産まなければ良かったって
なに?

しおん父
い、いやこれは。

しおん母
ほんとうの意味よ。
あなたが邪魔ってこと。

しおん母
私ね、今彼氏がいるの。
だから、その彼氏といたいから
あなたは1人で暮らして!
お金は毎月振り込むから。

しおん父
そういうことだ。ごめんな。

しおん
な、なんだよ。それ。
もう、いい。
出ていきたければ出てけ。

僕はいらなかったんだ。
もういい。全部全部忘れてしまおう。
しおん
んん?あ。僕、泣き疲れて
寝てたのか。

しおん
ってか、もう夜じゃないか!
ゆうがの家でご飯食べるって約束
してたのに。

しおん
あ。鳴ってたこと
すっかり忘れてた。

しおん
はーい?

しおん
ってゆうがじゃん!

しおん
ずぶ濡れじゃないか。
いいから1回上がって!

ゆうが
う、うん。
お邪魔しまーす。

しおん
で、なんできたんだ?
って今日ご飯食べに行かなかった
からだよな?ごめん!
ちょっと色々あってさ。

しおん
あ、でも、まだ制服ってことは
家にはまだ帰ってないってことか?

ゆうが
うん。ねえ、しおん
話したいことがあるの。

しおん
話したいこと?
なんだよ。それ。

こいつ変なんだよなぁ。
ずっと震えてるし、泣きそうに
なってる。そんなに雨で寒かったのか?
ゆうが
しおん...

ゆうが

そして、次の瞬間、ゆうがが言ったこ
とに対して理解が追いつかなかった。
ゆうが
昨日、人を殺したんだ。
