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ねぇねぇるぅちゃん、
なんですか?
愛してるよ
えへ、ぼくもです
ここからさきは一つにまとまっているので
上に引っ張ってご覧ください
僕たちのルールは 「お互いを干渉しない」ただそれだけ。 理由はお互いの作業に支障が出るからだ。 ころちゃんが何処で何をしていようと、僕が深く聞き出すことはしない。 逆も然りで、僕が何処で何をしていようと、ころちゃんは深く聞いてこない。 僕達は恋人だけど、デートは滅多にしないし、会うと言ってもころちゃんの性欲に付き合わされる程度。 だけど不思議なことに、お互い好きあっているのだ。 もちろん、別れるなんてお互い考えたことが無い。 結局1人は寂しいのだ。 仕事柄、人と関わることが少なくなって今ではメンバー以外と関わる機会が明らかに減った。 人目につくところは避けなければならないので、外へ出る機会も減るわけで。 外よりは安全であろう家で過ごすことが増えた。 「ころちゃん入りますよ」 そう言って、先程貰った“来て”というメッセージに従ってころちゃんの家へと合鍵を使ってやってきた僕。 「ころちゃーん?」 いつもなら返事をしてくれるのに何も応答がない。 寝てるのかな、? そう思いながらリビングへと向かえば、案の定ソファで眠りについていた。 机の上にはスマホも置いてあって、連絡が来ているのか通知音が鳴っている。 覗くつもりはなかったけど連続で来る通知が気になってしまい、恐る恐る覗いてみれば、 “昨日楽しかった、またみんなで宅飲みしようぜ” “俺二日酔いだわー、みんな大丈夫?” 昨日ころちゃんに起きていた出来事をころちゃんの携帯越しに知る。 「干渉しない」がルールなのは分かってる。 だけど、僕の知らないところでころちゃんが楽しんでいるという状況にヤキモチを妬いてしまう僕はワガママなのだろうか。 なんて、今までなら考えもしなかったことを見えてしまった通知からグルグルと考えてしまう。 昨日、楽しかったのかな 寝ているころちゃんを見つめながら、そんなことを思ってモヤモヤしてしまう。 「んん…?るぅとくん?」 「っ!お、おはようございます」 「起こしてくれてよかったのに」 「気持ち良さそうに眠ってたので」 そう伝えれば、「そっか」と言って僕の腕を引いた。 バランスを崩した僕は、ころちゃんに倒れ込んでしまった。 「ふっ、おいで」 ころちゃんにそう言われ、僕はころちゃんが寝転がっているソファへと上がった。 2人が横向きになれば収まる程には広さのあるソファ。 見つめ合えば、自然と重なる口。 あぁ、今日も性欲のはけ口にさせられるだけか。 なんて、いつもなら絶対に思わなかったのに。どうして干渉しないなんてルールを作ってしまったのだろう。 グルグルと悪い方向へと進んでいく僕の思考。 「どうした?気分じゃなかった?」 「あ、ごめんなさい。考え事してました」 「そっか」 続くと思っていた行為は終わり、ころちゃんは立ち上がって冷蔵庫のある方へと行ってしまった。 コップに水を汲んだらしいころちゃんが、コップを持ったままこちらに戻ってきた。 「ちょっと二日酔いなんよ」 その言葉に先程見てしまった通知を思い出す。やっぱりころちゃんも行ってたんだ。 「その、覗くつもりはなかったんですけど…通知が連続で来てたから気になって覗いちゃいました、ごめんなさい」 別に見たことなんて言わなきゃバレないのに、このモヤモヤを解消したくて伝えてしまった。 「通知?あー、これね。そうそう、昨日友達と飲んでたんよ」 机の上にあった携帯を手に取り、昨日あった出来事を話してくれた。 「覗いた僕が悪いんですけど…少しモヤモヤしていたので、話してくれてありがとうございます」 僕の言葉に、何かを考えている様子のころちゃんを見つめていれば目が合い、ころちゃんが口を開く。 「…もう辞めようか」 「…え?」 僕が携帯を覗いちゃったから?呆れた?それとも、えっちの気分じゃないって言ったから飽きた? どちらにしろ、別れなきゃいけないのだろう。 「付き合ってるのに干渉しないなんて意味わかんないよね、そんなルール辞めよっか」 「…え?」 「 僕もるぅとくんがなにしてるのかずっと気になってた。 るぅとくんも何してるの?なんていちいち聞かれたくないかなって思ってたけど、 僕のことでモヤモヤしてくれるなら辞めようよ。 こっちの方が作業に支障出るよね 」 なんて、嬉しい言葉を投げかけてくれる。 「い、いいんですか?」 「るぅとくんこそ、いいの?」 「僕は嬉しい、です」 「うん、僕も嬉しいよ」 なんでこんなルールを作ってしまったのか、なんて分からないけどその時はお互いよりも自分の活動を優先していたんだと思う。 それがだんだん同じくらい大事なものになってしまったんだと思う。 「じゃあ新しくルール作ろうよ」 「ルール、ですか?」 「言いたい事は言って聞きたい事は聞く!…どう?」 「…すっごくいいと思います!」 これで少しは恋人らしくなれるかな。 なんてね。 「聞きたいことは聞いてもいいんですよね?」 「うん、何かあった?」 「会う度に、その、えっちする理由…」 「あー…るぅとくん見てるとなんか、ムラムラするんよ」 「え?」 「え?」 そんな理由…? やっぱり、聞きたいことは聞くべきなんだなと思う僕だった。 end.