琉羅
大きくなったら結婚しよーね!
琉尾
うん!
彼女はとても眩しい笑顔でその言葉を発した
冗談なのはわかるだろう
だが、幼い俺はそれを本気にしてしまった
絶対忘れないようにと、心の中に大事にしまっていた
性別は服装の好みと正反対
だからこそ、この子なら大丈夫! なんてことを考えていた
ザアアアア
卒業式終わり、雨が降ってき俺は親に迎えに来てくれるのを待っていた
俺は彼女…いや、彼を見つけた
琉羅
待ってたよ
一目見ただけでは分からないほど変わった見た目
俺の方に向けられる視線
琉尾
あ…るr
みくる
琉羅ー!
琉尾
ッ…
分かっていた…はずなのに
琉羅
じゃあ行こうか
みくる
うん!
2人は相合傘をして幸せそうに帰って行った
琉尾
…琉羅
思わず漏れる想い人の名前
短く切られていた髪
女装していたとは思えられない格好
綺麗な白髪や見慣れたオッドアイの瞳
昔の面影なんてそれぐらいしか無かった
琉羅
バイバイ
琉羅
琉尾
琉羅
私…いや
琉羅
俺は変わるよ
琉尾
待って…琉羅!
琉尾
置いてかないでよ…
琉尾
…
琉兄
どーしたの
琉兄
話でも聞こっか?
いつの間にか、俺の目から涙が溢れていたらしい
それを見兼ねた琉兄が話を聞いてくれた
琉尾
ここ…
琉兄
どう?
琉兄
綺麗でしょ
琉尾
あ……(泣
琉尾
琉羅…琉羅ぁ(泣
琉兄
…話していいよ
琉兄
ゆっくり聞くから、いつまでも
俺は全て話してしまった
琉兄はそれをバカにすることなく静かに聞いてくれた
琉尾
昔の琉羅もこうやって聞いてくれたなぁ…
琉羅
〜〜〜?(笑
みくる
〜〜!
琉兄
あれが噂の琉羅くんかな…(ボソッ
琉兄
そろそろ帰ろっか
琉尾
あ…いや、俺はまだ居ます
琉兄
いや…でも
琉尾
大丈夫ですよ…気づいてますから
琉兄
…そっか
琉兄
じゃあまたね
琉尾
…はい
みくる
わぁぁぁ✨️
琉羅
どう?
みくる
すっごい綺麗!
琉羅
だろ?
琉羅
俺の初恋の人とよく遊んでたんだ
琉尾
…ッ
みくる
ちょっと〜!
みくる
今カノにその話するとかありえな〜い(笑
琉羅
ごめんごめん
みくる
でもそっか〜…どんな人だったの?
琉羅
…いい子だったよ
琉羅
本当に
みくる
ふ〜ん…そっか!
"初恋の人"その言葉でなんだか救われた気がした
忘れられてなかったと…ちゃんと覚えてくれていた
それがわかっただけで良かった
琉羅がどんな気持ちで変わったかは分からない
けど、俺も変わろうと思えた
昔の琉羅を引きずるままの自分を変えよう
少しずつ…変えていこう