テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ほいっぷ🍰☕️
9,096
推しの不調は万病に効く
3,814
13,659
警察署の廊下を車椅子がカラカラと音を立てて進む。
稀に見る異様な光景は、否が応でも目線を集める。
オルカ トヴォロ
オルカ トヴォロ
成瀬 力二
成瀬 力二
オルカ トヴォロ
この、すこぶる元気な声を聞いても、らだおはすやすやと眠ったままだ。
オルカ トヴォロ
オルカ トヴォロ
オルカ トヴォロ
成瀬 力二
オルカ トヴォロ
オルカも連れて鳥野の後を追うと、多くの警察官の溜まり場-裏口前のちょっとした空間-に着いた。
やはりそこでは、見慣れた面々がいつもと変わらぬ様子で顔を揃えていた。
鳥野はその場所を目指していたらしく、到着するや否や口を開いた。
何があったのか、ここに来た理由。そして、らだおの抱える持病──それらについて。
ひの らん
オルカ トヴォロ
成瀬 力二
成瀬 力二
二十日 ネル
二十日 ネル
皇帝
ひの らん
俺たちは署内にある仮眠室で、大人数のワクワクお泊まり会をすることになった。
嘘つき
青井 らだお
どうして言ってくれなかったの?
青井 らだお
青井 らだお
もう役立たずだって気付いてないの?
青井 らだお
みんな思ってる
青井らだおは足手まといだ
役立たず
足手まとい
足手まとい
役立たず
足手まとい
警察辞めれば?
青井 らだお
目を覚ました先には、やけに見覚えのある光景が広がっていた。
カーテンの隙間から見える月光は、淡く室内を照らしている。
手探りで周りを確認すれば、点滴スタンドに手が当たった。
成瀬 力二
ベッドに凭れるようにして寝ていた成瀬が物音に気づいて目を覚ました。
成瀬 力二
成瀬 力二
成瀬 力二
成瀬に支えてもらいながら、何とか上半身を起こす。
成瀬 力二
何をしようにも身体が言うことを聞かない、覚醒しているはずなのに脳内に靄がかかっているような、そんな感覚。
青井 らだお
これは怪我だけが原因では無さそうだ。
青井 らだお
大怪我を負っていない方の左腕で額を触ってみるが、案外こんな事じゃ熱の有無は分からないものだ。
オルカ トヴォロ
青井 らだお
成瀬 力二
オルカ トヴォロ
この仮眠室に来る前、二十日ネルが交代で見張りをすることを提案していた。
それに基づき、2時間毎に扉の外で見張りを行っていたのだ。
オルカ トヴォロ
心臓がドクリと脈打ち、背筋が凍った。
オルカ トヴォロ
じわりと滲む汗が、発熱によるものなのか、それとも恐怖による冷や汗なのか、自分でも分からなかった。
青井 らだお
らだおは震える拳を膝の上で握りしめ、乱れていく呼吸を整えようとした。
吸って吐いて。吸って、吐いて────。
そんな単純な作業すら今の身体には酷く困難だった。
成瀬 力二
その声には責める色も憐れむ響きも見当たらなかった。
猫 マンゴー
二十日 ネル
ひの らん
みんなが名前を呼ぶ。
鳥野 ぎん
みんな、ただただ優しい声をしていた。
青井 らだお
警察官である以上、誰よりも頼られる存在でなければならない。
青井 らだお
青井 らだお
ふいに、視界が大きく揺らぐ。
身体の芯に籠っていた熱が一気に押し寄せてきた。
額から頬にかけて汗が伝う。
青井 らだお
それなのに指先は氷のように冷えている。
青井 らだお
息が、上手く吸えない。
浅く吸っては吐き出し、また浅く吸う。
青井 らだお
青井 らだお
青井 らだお
その繰り返しで身体も肺も、腕の裂傷までもが脈打つように痛み始める。
どれ一つとして誤魔化すことはできなかった。
コメント
8件
第6話、読み終えました……。らだおの「嫌われたくない」「役立たずになりたくない」っていう内面の声が、痛いくらいに伝わってきました。特に、みんなが優しく名前を呼んでくれるシーン、あの優しさが逆にらだおを追い詰めてるような切なさがあって、胸がぎゅっとなりました。成瀬の「もう隠そうとしなくていいんだよ」って台詞、すごく沁みますね。熱と呼吸の描写も生々しくて、読んでるこっちまで息苦しくなりました。この先、らだおがどうなっていくのか、すごく気になります……!