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さと
（ｷ､ｷｭﾝｯってなんだ？）
さと
気のせいだよな…
ころ
ん？何か言いました？
さと
いや、別に…
ころ
？？？
ころ
……少しお話ししてもいいですか。
さと
いいよ。
ころ
ありがとうございます。まだ少し怖くて…
さと
無理もねぇよ。
さと
ストーカーがいて、しかもあんなことされたら…
さと
（それに少しじゃないな。無意識に俺のシャツ掴んでるし…）
ころ
僕、何か悪いことしちゃったのかな…
さと
いや、それはないだろ
さと
顔可愛いし、笑顔で話しかけてたならそりゃ…
さと
（って何言ってんだ俺！？）
さと
か、かわいいっていうのは、一般的にってことだからな///
さと
決して俺がお前を可愛いって思ってるわけじゃなくて…！
ころ
は、はい！！もちろん分かってます！！///
さと
（思ってないこともない…けど）
ころ
（一瞬ドキッとしちゃった…！！）
ころ
（恥ずかしい！恥ずかし過ぎて死ぬ///）
ころ
（話題変えなきゃ！）
ころ
あ、あの！桃瀬さんって昔からテレビ出てましたよね！？
さと
えっああ…まぁ。
ころ
すごいですよね！歌もダンスもその時から上手くて！
ころ
僕桃瀬さんのダンスすごく好きです！
さと
……ダンスも歌も俺のものじゃないよ。
ころ
えっどういう…？
さと
……
さと
………俺の親のことは知ってる？
ころ
はい。有名ですから。
さと
俺の親はどっちもすごい人だった。
さと
父はミュージカル俳優。母は世界一位のダンスチームの教師。
さと
その二人の子供として俺は昔からずっと稽古を受け続けてきた。
さと
二人の求めるものを身につけるため…ただそれだけの毎日だった。
ころ
……
さと
…でもある時気づいたんだ。
さと
ダンスの時の癖も歌う時の息継ぎの仕方も、全部親二人にそっくりなんだ。
さと
…そこに…俺なんていなかった。
ころ
ッ……！！
さと
……
さと
なんでだろうな…
さと
会って少ししか経ってないのに…
さと
俺こんなこと話してんだろう…？苦笑
ころ
桃瀬さん…
そう話す彼にいつものようなクールな顔はなかった。
本当に心から苦しんでいるような、助けを求めているような
自らを嘲笑うような、苦い苦い笑みだった。
さと
じゃ、そろそろ帰るわ。
ころ
あ、ありがとうございました。
さと
おう
ガチャッ
ころ
……あ、あの！！
さと
何？
ころ
桃瀬さんは、
ころ
桃瀬さんは……
ころ
自分の事が嫌いなんですか…？
さと
もちろん
大嫌いだよ。
さと
じゃ
バタン
ころ
ぁ……
ころ
……っ
ころ
（大嫌いだよ。なんて）
ころ
僕はなんて言ったらよかったのかな…？
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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