一覧ページ

ボスキと主様

第105話 - 第105話再会の赤い薔薇 (上)

2025年04月26日

#悪魔執事と黒い猫

#ボスキ・アリーナス

aimer(エメ)

主の部屋

北の大地から屋敷へ戻った主は、みんなへお土産を配り、また日常へと戻って行った。しかし、ハウレスとは、北の大地で以来、話をできずにいた…。

ムー

おはようございます。
主様。

主

おはよう。ムー。
今日もいい天気だね。

ムー

そうですね。
主様は、今日、何かご予定はございますか？

主

ううん。特にはないから、ここでのんびりしようかな。

ムー

そうですか。
わかりました。では、
朝食に行かれますか？

主

そうだね。そろそろ、
ベリアンが声をかけに
来そうだしね。

コンコン

ベリアン

主様。おはようございます。お部屋へ失礼してもよろしいでしょうか？

主

ほらね。

ムー

すごいですね。主様。

主

ふふっ。でしょ？

ムー

はい。

主

ベリアン、いいよ～!

ベリアン

失礼致します。
お食事の準備が整いましたので、お知らせに参りました。

主

ありがとう。ベリアン。今行く。

そういうと、ベリアンとムーと共に食卓へと向かった。

食後、なんとなく庭へ1人で散歩に来た主。

主

綺麗。

アモン

ありがとうございますっす。〇〇さん。

主

アモン。お疲れ様。
今は、水やり？

アモン

そうっすね。朝のうちに水やりをしないと、昼だと暑すぎて熱湯をかけるようなもんすから。

主

そっか。そうだよね。

アモン

そうっす。どの花も俺が丹精込めて、〇〇さんのために育てた子たちっすからね。それに、お綺麗な〇〇さんにはこの花が似合うっす。

そういうと、丁寧に茎から花切りバサミで切り、1本の赤いバラを主へと手渡すアモン。

主

アモン…///
ありがとう。

アモン

ちなみに花言葉は、「美」、そして、1本の赤い薔薇は、「ひとめぼれ」や「あなたしかいない」という意味があるっす。

主

アモン…////

アモン

俺は、〇〇さんを愛しているっすよ。
この先も変わらずに。

主

ありがとう///
私もアモンを愛してる///
そうだ。せっかくもらったから、部屋に飾ってもらってもいい？

アモン

もちろんっす。
では、一旦、お借り
するっすよ。

主

うん。お願いします///

アモン

はいっす。

そうして、2人は主の部屋へと幸せそうに向かうのであった。

主の部屋

コンコン

ハウレス

主様。
いらっしゃいますか？

シーン…

ハウレス

(誰もいないのか？それなら、丁度いいかもしれないな。)

ハウレス

すみません。
失礼します。

誰もいない主の部屋のテーブルにハウレスはメッセージカード付きの花束を置く。

ハウレス

〇〇さん…。俺の気持ちを受け取ってくれるだろうか…。それとも、もう…。いや、考えても仕方ないな。仕事に戻るか。

そして、部屋を後にするハウレス。後には、テーブルに置かれた花束とメッセージカードのみが残った。そのメッセージカードには…。

～主様へハウレスより～

そう書かれていた。

朝の鍛錬後、休憩時間

ハウレス

はぁ…。

フェネス

大丈夫？ハウレス。

ハウレス

あぁ。大丈夫だ。ただ、息を整えていただけだ。

フェネス

そう。

ボスキ

ハウレス。やけに今日は力入ってたな。
どうした？

ハウレス

しっかり、鍛錬しないとなまってしまうからな。

ボスキ

そうか。

フェネス

それより、ハウレス。
〇〇さんに花束渡したの？

ボスキ

そういや、帰ってきて、渡すとかなんとかの話してたよな？
もう、渡したのか？
あれから、しばらく経つが。

ハウレス

渡したには渡した…。

ボスキ

なんだよ。ハウレス。
歯切れわりぃな。

フェネス

まさか…断られて…。

ハウレス

あ、いや、渡したというか、〇〇さんのお部屋に行ったがいなくてな…。だから、テーブルに置いて来たんだ。

ボスキ

あ？直接渡さなかったのかよ。

ハウレス

あ、あぁ…。俺もあれから、顔を合わせずらくてな…。

フェネス

まぁ、時間も経っちゃったしね…。

ボスキ

だから、早めにって話したじゃねぇか。

ハウレス

そうだが…なんだかんだ、〇〇さんにも避けられていて近づけなかったんだ。そのうちに、俺も会いずらくなってな…。

フェネス

そっか。まぁ、でも、戻ってきたら見てくれるだろうし、〇〇さんのことだから、アモンにお花を飾って貰う時に花言葉の意味をアモンから聞くと思うよ？それからは、〇〇さん次第としか言えないけれど、了承してくれると思うよ？

ボスキ

あぁ。俺もそう思うぞ。
たくっ。人が抱いてる時にまで、ハウレスのこと考えやがって。こっちはいい迷惑だ。

フェネス

ちょっボスキ///
まさか泊まりの時に？////

ボスキ

当たり前だろうが。
そうじゃなけりゃ、
わざわざ泊まんねぇよ。

フェネス

そ、そうだよね////

ハウレス

ボスキ。お前に抱かれながら〇〇さんは俺を考えてたのか？

ボスキ

あぁ。俺とデートしながら、ハウレスのことでビービー泣いたりな。だから、とっととより戻せよ。そうしなけりゃ、また、〇〇は俺といながら、お前のことばかり考えるだろうが。そういうのなんかムカつくんだよ。
こっちは。

ハウレス

す、すまない。

フェネス

ボスキ。それは、ハウレスに言っても仕方ないよ。〇〇さんの気持ちなんだから。

ボスキ

ちっ…。わかってる。
だが、なんか言わなきゃ、気が済まなかったんだよ。

フェネス

とにかく、後は、ハウレス。〇〇さんからの返事待ちだね。

ハウレス

あ、あぁ...。

ボスキ

そんな今から緊張してたら、俺との模擬戦は俺の勝ちだな。

ハウレス

な、そんなわけないだろう！

ボスキ

じゃぁ、やるか？

ハウレス

あぁ!受けて立つ!

フェネス

ふ、2人共、落ち着いてよ!

ボスキ

落ち着いてるから、
安心しろ。フェネス。

ハウレス

あぁ。俺もだ。

そう2人は笑い、休憩が終わると1対1の模擬戦をする中、フェネスもハラハラしながら2人を見ていた。

主の部屋

主

あれ？なんだろう。
花束？

アモン

どうしたんすか？
〇〇さん。

主

あ、なんか、テーブルに花束があって、えーと、差出人は……。
ハウレス？！

アモン

(やっとっすか。どれだけ渡すのに時間かけてるんすか。ハウレスさん。)

アモン

他には、何か書かれているっすか？

主

ううん。
～主様へハウレスより～しか書かれてない。
どういう事なんだろう。

アモン

(9本の赤いバラにカスミソウにしたんすね…。
ハウレスさん。)

アモン

〇〇さん。その花束そのものがメッセージっすよ。

主

え？どういうこと？

アモン

赤い薔薇が「美」ってお話しは先程しましたが、その他、「情熱」、「愛情」の意味も持ち合わせているっす。そして、そこには9本の赤いバラとカスミソウって白い花があるっすよね？

主

えーと、1、2、…8、9。うん。ある。

アモン

9本の赤い薔薇の花言葉は、「いつもあなたを想っています。」、「いつまでも一緒にいてください。」って意味があるっす。そして、カスミソウは、「感謝」、「優しい心」、「謝罪」、「永遠の愛」って意味があり、この場合だと「ごめんなさい。」とか「ずっと愛し続ける」って意味になるっす。

主

ハウレス…。

アモン

ハウレスさん。〇〇さんにしたことを悔いていたっす。ただ、俺は、〇〇さんを傷つけたことを許せないっすけど、〇〇さんはどうしたいっすか？

主

私は…。

主

(あれから時間が経つにつれて、気持ちは落ち着いたけど…ずっと引っかかってて…だから、顔を合わせられなくて避けてたけど…。ハウレス…私とよりをもどしたいってことだよね…？)

アモン

(悩んでるっすね。無理もないっす。時間も経って、ようやく落ち着いている中に、こんなまた強い感情をぶつけられたんじゃ…。)

アモン

ゆっくり考えてからでいいんじゃないっすか？
答えを出すのは。

主

え？

アモン

向こうだって、すぐ返事が返ってくるだなんて思ってないっすよ。それだけ、〇〇さんを深く傷つけたんすから。
当然っす。

主

うん…。

アモン

それに、〇〇さんがどう答えたとしても、構わないと思うっす。
ハウレスさんもその覚悟で、今日、ここに花束を置いていったでしょうから。

主

そっか。うん。少し考えてみる。
あと、ごめん。その花束も部屋に飾ってくれる？

アモン

わかったっす。

主

ありがとう。アモン。
あと、ごめん。私、少し、1人で散歩してくる。考えたいから。

アモン

わかったっす。気をつけていってらっしゃいっす。なんか、あったら俺を呼べばすぐ駆けつけるっすから。

主

うん。ありがとう。
アモン。
行ってきます。

そして、主が部屋を出た後、アモンは自身の赤い薔薇とハウレスの赤い薔薇、カスミソウを合わせ、花瓶に水を入れ、主の部屋に飾った。そして、主の部屋に1人残されたアモンは、その花を見つめ、右の人差し指でそっと赤い薔薇の花びらに触れ、アモンは微笑み呟く。

アモン

知ってるっすか？
〇〇さん。
赤い薔薇は10本になると「あなたは完璧な人」って意味になるんすよ。だから、〇〇さんは大丈夫っす。そのままで、俺にとっては完璧な人なんすから。

屋敷近くの丘

主

はぁ……。

主は、1人散歩に来て、土手に体育座りをして、花々を眺めながら考えていた。

主

(ハウレス…。なんで今になって…。確かに嬉しいし、すぐにでも返事を返したい気持ちだけど…。でも、また、私の好きが病気から来る好きなのか、本心からの好きなのかわからないって言われたら？)

主

また、疑われたらって
考えるだけで怖い…。

ラト

おや、主様ではありませんか。
このようなところで、いかがなさいましたか？

主

ラト？！

ラト

びっくりさせてしまいましたか？
それは、すみません。

主

あ、ううん。大丈夫。

ラト

ところで、主様はこちらで何をなされているのですか？花々を見にいらしたのですか？

主

あ、うん。
そんなところ。

ラト

ふむ...。そうですか。

主

ラトは？散歩？

ラト

はい。気持ちの良い天気でしたので、お散歩に出ましたら、主様をお見かけ致しましたので、お声をかけさせていただきました。

主

そっか。

ラト

はい。もしよろしければ、私とこの先にお散歩にでも行かれますか？

主

(断った方がいいんだろうけど、せっかく、ラトが誘ってくれてるし、少しくらいいいよね？)

主

うん。行く。
連れて行って。

ラト

はい。では、お手を失礼致します。

そういい、座る主に左手を差し伸べるラトに主は右手を差し出すと、ラトはゆっくりと主を立たせる。そして、共に並び歩く。

主

なんか、落ち着くね。
森が近いからかな？

ラト

そうかもしれませんね。本日は、森へは行かれますか？

主

あ、や、やめとこうかな///

主

(そういえば、森に行ったあと、ラトと…////)

ラト

ふむ...。そうですか。残念です。それでは、主様は、どちらへ行かれたいのですか？

主

(今、サラッと残念って言った？！///え？私、教えこんじゃいけない人に教えこんじゃったのかな？あんなこと…/////)

主

//////

ラト

クフフ…。主様。お顔が赤いですよ？
また、ドキドキされているのですか？

主

…う、うん////

ラト

そうですか。あれから、私はミヤジ先生に色々、男女のことを教わりましたので、主様が望むことは大抵は叶えられるようになりましたよ。お望みであれば、私はいつでもお応え致しますよ。

主

ラト…/////そういうのは、タイミングだから…////

ラト

おや？今ではありませんでしたか？
そうですか。まだまだ勉強不足のようです。失礼致しました。主様。

主

う、ううん////
ただね、そういうのは、そのお互いしたいなってタイミングが重なったときとか、ムードっていうのかな…///そういう、色んなことが合致した時に自然とね…。だから、機械的にとか命令されてすることではないからね///

ラト

ふむ...。そうなのですね。
それでは、つい先日の時は、そういうタイミングが合致した状態だったということでしょうか？

主

そ、そうだね…////

ラト

そうですか。
わかりました。
では、この間と同じような状況になりましたら、またお声がけ致すようにしますね。

主

(本当にわかってるのかな…？怪しいけど、つっこんでたらキリがなさそうだから、今はやめとこ。)

主

うん。そうして。ラト。

ラト

わかりました。
主様。

そうして、再び宛もない散歩を 2人はしていくのであった。

2階の執事室

ハウレス

ふぅ...。さて、今日は、後、これとこれだな。

アモン

ハウレスさん。

ハウレス

ん？アモンか。
どうした？

アモン

〇〇さん。
花束受け取ったっすよ。

ハウレス

そ、そうか…。それで、〇〇さんは何か言っていたか？

アモン

特に何も言ってなかったっすよ。
てか、自分で直接聞きに行ったらいいじゃないっすか。元々、あの花束、直接渡す予定だったんすよね？

ハウレス

あぁ…それはそうなのだが…。

アモン

まぁ、後は、〇〇さん次第じゃないっすか？一応、花言葉の意味くらいは教えてきたっすから。

ハウレス

本当か？！アモン!

アモン

はいっす。

ハウレス

ありがとう。アモン。

アモン

へへッ…。いいっすよ。
あと、もう、ハウレスさんを責めないっす。あの花束見て、ちゃんと俺はわかったっすから。
ハウレスさんの覚悟。

ハウレス

アモン…。

アモン

俺も〇〇さんを傷つけた過去があるっす。その過去はどうやったって消せるものではないっすけど、それでも、〇〇さんは許してくれて、今はちゃんと、想い合えてるっす。そのことを思い出したっす。だから、俺はもう、ハウレスさんを責めないっす。

ハウレス

アモン…ありがとう。
俺は俺に出来ることでこれから〇〇さんに償って行こうと思う。それで、もう一度、寄りが戻せるのなら、次はもう選択を間違えたりなどしない。〇〇さんを生涯、愛し続ける。

アモン

あ～。そういうのは、直接、本人に言ってくださいっす。俺が聞いても意味ないんで。

ハウレス

そ、そうだな///
すまない。
では、俺はまだやることがあるから行ってくる。

アモン

はいっす。

そうして、顔を真っ赤にして部屋を出るハウレスをアモンは見送ると、再び、庭の手入れへと戻るのであった。

次回へ続く

ボスキと主様

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

aimer(エメ)

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

ボスキと主様

第105話 - 第105話再会の赤い薔薇 (上)

作者の他の作品すべて見る

#悪魔執事と黒い猫の新着小説
一覧

関連するタグ

ボスキと主様

第105話 - 第105話 再会の赤い薔薇 (上)

作者の他の作品すべて見る

#悪魔執事と黒い猫の新着小説一覧

関連するタグ

第105話 - 第105話再会の赤い薔薇 (上)

#悪魔執事と黒い猫の新着小説
一覧