テラーノベル
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#オリジナル
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裂け目の中で“何か”が動いた。 影。 形を持たないまま、外へ滲み出る。
孝太郎は震えながら呟いた。
夏目孝太郎
坂口メグ
坂口メグ
坂口メグ
その時、龍太が前へ出た。
高橋龍太
高橋龍太
一ノ瀬早苗
一ノ瀬早苗
高橋龍太
高橋龍太
和彦も無言で構えた。 盾のように前へ立つ。
鈴子は動けなかった。 銃もない、戦闘服もない。 ただ目の前に“それ”がいる。
影が1歩出る。空気が重くなった。
一ノ瀬早苗
坂口メグ
そう言ってメグは影を煽るように動いた。
坂口メグ
声で引きつける。 その間に龍太が影へ飛び込んでいった。
右手の拳を思いっ切り影にぶつける。 ゴンッ!!!!
しかし、逆に龍太の身体が弾き飛ばされた。
龍太は地面に背中を引き摺られる。
高橋龍太
夏目孝太郎
次は和彦が影に向かって拳をぶつけた。 さっきよりも鈍い音が鳴り響く。 ゴンッッッ!!
しかし、和彦の腕は震えていた。
八木沢和彦
鈴子はただみんなが戦う姿を見ているだけだった。
山田鈴子
山田鈴子
その瞬間。 影が鈴子の姿をはっきりと捉えた。
山田鈴子
身体が固まる。動けない。
山田鈴子
その時、空から何かが落ちてきた。 鈴子の足元に、複数の金属ケースが落ちる。
坂口メグ
山田鈴子
鈴子が上を見上げると、近くの建物の屋上に橘がいた。
橘カナエ
橘カナエ
橘カナエ
橘は無線に淡々と呟いた。
橘カナエ
山田鈴子
山田鈴子
高橋龍太
山田鈴子
坂口メグ
一ノ瀬早苗
八木沢和彦
夏目孝太郎
坂口メグ
一ノ瀬早苗
一ノ瀬早苗
夏目孝太郎
夏目孝太郎
坂口メグ
そして、メグ、龍太、孝太郎、和彦の4人は着替えに向かった。
一ノ瀬早苗
山田鈴子
一ノ瀬早苗
早苗は思いついたようにカバンから有線イヤホンを取り出した。
一ノ瀬早苗
山田鈴子
一ノ瀬早苗
二人は長い有線イヤホンの端を持ち、影の周りを旋回した。
山田鈴子
2人はイヤホンの端と端を思いっきり引っ張った。 影からかイヤホンのコードからか、ギチギチと音がした。
一ノ瀬早苗
山田鈴子
早苗はすっかり戦闘に夢中になっていた。 まるで吹っ切れてしまったようだった。 完全にキャラが崩壊している。
しかし残響には全く効かなかった。 そして耐えきれなくなったイヤホンコードがぶち、と音を立てて切れた。
山田鈴子
一ノ瀬早苗
引っ張っていた勢いで、2人は地面に倒れ込んだ。
山田鈴子
一ノ瀬早苗
残響は倒れ込んだ2人に近づいてきた。 その瞬間、同じ裂け目から何体もの残響が滑り落ちていく。
山田鈴子
一ノ瀬早苗
一ノ瀬早苗
山田鈴子
そう2人が話している間にも、残響は一体、二体と増え続けていた。 いつの間にか辺りは残響が30体ほど出現していた。
山田鈴子
その時、戦闘服に身を包み、武器を構えた4人が帰ってきた。
高橋龍太
坂口メグ
メグは愚痴を零しながら慣れた手つきで弾薬をロードしていく。 使い方が分かってないとは思えない動きだった。
高橋龍太
坂口メグ
夏目孝太郎
八木沢和彦
山田鈴子
一ノ瀬早苗
そして2人は足早に着替えに向かった。
夏目孝太郎
孝太郎は残響に照準を合わせ始めた。
坂口メグ
メグは大きな銃を構え直す。
坂口メグ
パァン!!!パァン!!!! メグは手当たり次第に弾を打ち込んでいく。
一体、二体と少しずつ残響の身体を撃ち抜いていった。
夏目孝太郎
夏目孝太郎
照準を合わせた孝太郎は、ようやく引き金を引いた。 パァン!!!
その弾は、残響の頭を貫通していった。
坂口メグ
坂口メグ
八木沢和彦
和彦も手早く銃を打ち込んでいく。 しかし不器用なのか、命中率が低かった。
八木沢和彦
高橋龍太
龍太は和彦の横を走り抜けてそう言いながら撃っていく。
高橋龍太
その時、近くから悲鳴が聞こえた。
坂口メグ
夏目孝太郎
八木沢和彦
坂口メグ
高橋龍太
坂口メグ
そう言って、メグは叫び声の方へ走っていった。
坂口メグ
坂口メグ
叫び声を出したのは、第七区画の隊員だった。 応援要請を受けて駆けつけたのだろう。
坂口メグ
メグは隊員の元へ駆け寄ろうとした。 しかし、あまりにも惨憺たる状況が目に入り、足がすくんだ。
残響の影が隊員の右腕を蝕んでいた。 じわじわと腕に影が広がっていく。
女性隊員
女性隊員
隊員は痛みに耐えきれず我を失い、 狂気的なまでに頭を上下にブンブンと振った。
隊員が動いた拍子に右腕が街灯の微かな光に照らされ、鮮血がぼたぼた落ちていることにようやく気づいた。
坂口メグ
女性隊員
女性隊員
ぶちぶちと肌の繊維が焼き切れていく音がする。 腕の皮が焼け爛れ、血が滲んで真っ赤になっていた。
坂口メグ
その時、メグの口から胃酸が逆流する。 吐瀉物が地面をびしゃびしゃと叩いた。 喉の奥が胃酸でヒリついた。
坂口メグ
坂口メグ
坂口メグ
坂口メグ
坂口メグ
坂口メグ
坂口メグ
親友
坂口メグ
親友
坂口メグ
親友
坂口メグ
親友
坂口メグ
親友
親友
親友
坂口メグ
親友
親友
坂口メグ
親友
親友
坂口メグ
坂口メグ
坂口メグ
親友
親友
坂口メグ
数日後。
私たちは、いつものように公園にいた。
夏の日照時間は、相変わらず長かった。 遠くへと蝉の鳴き声が響いている。
親友
時計は午後6時を指していた。
親友
坂口メグ
坂口メグ
親友
坂口メグ
親友
親友は笑っていた。 それは引き攣った笑みだった。
坂口メグ
親友
坂口メグ
私は親友の手を握った。 彼女の手は夏の蒸し暑い空気に反して、冷たく、震えていたような気がした。
親友
今度の笑みは少しだけ柔らかかった。 少しでも、彼女の気持ちを晴らしたい。 私はそう思っていた。
その時だった。
親友
彼女の顔は酷く青ざめていた。 冷や汗を流し、ぶるぶると震えながら、向こうの茂みを指さした。
坂口メグ
私は素早くスマホを取り出し電話キーパッドを開く。 スマホを持つ手が震えていた。
親友
そう叫んで、彼女は遠くへと走り出した。
坂口メグ
私は残響に追われているのだと確信し、親友から事前に伝えられていた第六区画の電話番号を入れ、電話をかけた。
保全局職員
坂口メグ
保全局職員
坂口メグ
私は今いる公園の住所を言った。しかし、親友は遠くへ走り去り、何処にいるのか分からない。
保全局職員
坂口メグ
坂口メグ
私は親友に向かって叫んだ。 しかし返事がなかった。 もうこの声が届かないほど遠くまで行ってしまったのだろうか。
その日、隊員が親友を捜索したものの、公園周辺に彼女の姿はなかった。
数日後。私は雨の中公園を歩いていた。
坂口メグ
坂口メグ
私はついカッとなって、がむしゃらに走り出した。
学校のことも、趣味のことも、今はどうでもよかった。
ただ、彼女を見つけることに必死だった。
坂口メグ
私は息を切らして、走るのをやめた。 いつの間にか知らない場所に来てしまった。 私の足が枯葉の山をバリバリと踏みつけていた。 なんだかきつい匂いが漂っている。
辺りを見渡しても誰もいなかった。
坂口メグ
私はスマホを取りだし、マップアプリを開いた。電波は良好で、すぐに現在地が把握できた。
坂口メグ
そう思ったときだった。 私は、ある枯葉の中にカラスが何匹も集まっているのを見つけた。
坂口メグ
私は興味本位でそこを覗いた。 タヌキやネコの死骸だろうと思っていた。
坂口メグ
そこには皮膚が暗い褐色に変色し、口から体液が漏れ出した女がいた。
カラスに啄まれた箇所からは濁った血液が流れ、肉が露出していた。 彼女の頬には、涙の跡が残っていた。
私は発見したのだ。 残響に蝕まれ、何処かも分からない場所で野垂れ死んだ彼女を。
坂口メグ
私はあれから、ご飯も勉強も、全てが手につかなくなった。
遠くから、私のことを話している声がひそひそと聞こえてくる。
親友の親戚
親友の親戚
親友の親戚
坂口メグ
私は式中ずっと俯いていた。 何も考えられず、頭が空っぽなまま呼吸していた。 今思えばとても彼女に失礼なことをしたと思う。
遺影に映る彼女は、笑っていた。 観測適正さえなければ、こんなことにはならなかったのに。
それとも、私に観測適正があれば、彼女を守ることができただろうか。
清水ヤマト
坂口メグ
そして数ヶ月前、私に観測適正があることが確認された。
清水ヤマト
清水ヤマト
一ノ瀬早苗
八木沢和彦
坂口メグ
私はその時、戦闘意欲に燃えていた。 とにかく私の親友を殺した“残響”とやらを消したかった。
橘カナエ
坂口メグ
戦闘服を纏った時、私はようやく心から闇が消えていくような気がした。
坂口メグ
このバチバチに武装した私は、今なら彼女を守れそうなくらい実力者のように見えた。
あの頃の、武装した私を見た時の高揚感。
誰にでも勝てそうなくらい、私は自信に満ち溢れていた。
あの頃の自分を、私はやっと思い出した。 私は蠢く残響に向かって、引き金を引いた。
コメント
1件
うおおおおお第5話泣いた😭💕 メグの過去重すぎだよ…親友を目の前で失って、それでも「戦う」って決めたんだね。今のメグがただのツッパリじゃなくてちゃんとそういう背景あってのキャラなんだ…って分かってから読み返すと1話から全部の台詞が違って見えるよ😢 戦闘パートのテンポもめっちゃ良くて、特にイヤホンで絞めようとした早苗さんが可愛すぎたww 次どうなるか気になりすぎる!!えびふらいさん次話も楽しみにしてます🔥🔥