紅葉のような都の子

前川side 4月1日。 あれから2年と少し。 美和ちゃんとはずっと仲良くさせて 貰っている。 ちょっと前に美和ちゃんから 就職先で第1希望のとこに内定 貰ったって連絡もらった。 場所までは教えてくれなかったけど。

選手と監督・コーチにトレーナーが グランド中央に集まる。 中野さんからトレーナーの紹介が かかって新人さんが みんなの前にでてきた。

横にいた井上さんの顔を伺う。 やっぱりお互い同一人物を 思い浮かべていたのか 目の前のトレーナーを見る。 そのトレーナーは 先輩トレーナーに連れられて どこかに行ってしまった。

なんで呼ばれたか分からないまま トレーナーの元へ向かった。

医務室

グランドに出て 念入りにストレッチをする 美和ちゃんは引っ張りだこで 忙しそう。 新人さんだし慣れないよね。

従兄妹同士 仲睦まじい空気感漂わす。 それを不思議に感じた小幡さん。 従兄妹同士なのを知らないらしい。

実は初めて会った瞬間から 好きだった。まぁ言えば一目惚れ。 今まで言わなかったけど。 誰にも言ってない。 てか言えない。

とにかく今まで通りに しておかないとやばい気がした。 美和ちゃんに対する恋心を 誰かに見透かされそうで。 それと野球に支障が出たら 俺の人生にかかってしまう。 そんな複雑な気持ちを 抱えながらトレーニングに 取り掛かった。