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スマイル
シャーク
スマイル
森へ入りグループ行動が始まってから十数分。 ぶつくさ言いながらも先導してくれているスマイルの半歩後ろを歩く。
シャーク
プレイ中はエフェクトの出ている個所を調べてミニゲームをクリアするだけで終わっていたレポートが、こんなに面倒くさいなんて思いもしなかった。
シャーク
周回のため大事なテストの回答は暗記した。 思い出せないことが多い中で、この回答は未だはっきりと脳に焼き付いている。
消える記憶と残る記憶……何が違うのだろうか
スマイル
シャーク
スマイルは俺が思っていたよりも疲れていたらしい。 いつももっと魔法使いまくってるイメージあったんだけどな…
スマイル
シャーク
スマイル
少しの沈黙の後、スマイルが何かを思い出したかのように話しかけてくる
スマイル
あの件……まあ十中八九 裏庭のだろう。
シャーク
スマイル
シャーク
スマイル
シャーク
スマイルだから……で済ませられるような話じゃないよな。
俺らではない別の"なにか"を感じて少しゾッとする。
スマイル
見られていたと分かったあの瞬間からずっと考え続けていた。
どこまで、スマイルに話すべきか。
スマイル……というか攻略キャラ達は適当にあしらえるような存在じゃない。 気になればとことん詰めてくるし、言い訳はほぼ通用しない。 なら答えは簡単だ。
シャーク
ステータスの一部が文字化けしていて分からないこと 自分でも元のステータスが分からないこと あの時はMP数値を探っていたこと を正直に話した
ただ原因は分からずいつから文字化けしていたかも覚えていないとぼやかした。 原因なんて"俺"が入り込んだからに決まっているのだが、それを説明して何かしら世界に影響が出ても困る。
無暗に話して面倒ごとになるだけならまだしも、世界がバグって崩壊するなんて事も無くはないだろうし。
スマイル
シャーク
スマイル
声色からドン引きしているのが伝わる。 そりゃそうだ、この世界の最大MPは俺の知る限り国王側近魔術師の6500。 学生なら3000を超えるだけで超優秀だと言える。
MPは生まれ持ったステータス数値+魔法の鍛錬で数値が段々と上がっていく。 とはいえ上がり幅は人それぞれだし、平均的な上がり幅でも100上げるのに相当な時間と鍛錬が必要だ。
俺らと同年代で6000となれば側近魔術師のように、元の数値が優秀かつ上がり幅も大きく、生まれてから今までずっと鍛錬のみに時間を費やしている者に限られる。 どうやったって今まで鍛錬のたの字も無かったシャークが到達できる数値ではないのだ。
スマイル
スマイル
シャーク
スマイル
ヴォン
聞き慣れない音が耳を掠めた。
シャーク
電子音……もっと言葉にするならテレポートだったりホログラムをイメージさせるようなゲーム特有のあの音が。
スマイル
知らない音のはずなのに、なんだかとても不吉な予感がして、心臓がドクドクと波打つ。
シャーク
シャーク
ぐわんと視界が揺れる。 キンキンと鳴り響く耳鳴りがいつしか声となって、頭に響いた。
?
シャーク
まるで全身を揺さぶられているようなめまいに朦朧としながら、必死に記憶を手繰り寄せる。
シャーク
『レイはまだ体調も万全じゃない、守ってくれる人物がいるクラスと行くようにと王からお達しがあったんだ。だからC組のキリヤ、ブルック。レイと組んで行動してくれ』
「やった〜レイと一緒だってやんさん!」 「…そうだね」 「どーしたのやんさん!!なんかテンション低くな〜い?」 「いや別に、Broooockのテンションが高いだけでしょ 「えへへ、よろしくね!2人とも」
シャーク
レイは今回の校外学習中、本来のA組ではなくC組の攻略対象、Broooockときりやんの2人と行動している。 そして二人は謎の物音がした方を調べにいって、その隙にレイは………
シャーク
スマイル
思考より先に足が動き出す。 背後からスマイルの呼び止める声が聞こえた。 悪いスマイル、あとでちゃんと説明するから許してくれ。
何の影響か分からないが、自分の記憶力の低下が怖い。こんな大切なことまで忘れてしまっていたなんて。
今から起こるのはいわゆる”負けイベ”だ。 この森には本来居ないはずの高ランクな魔物が襲ってきて、プレイヤーはこのゲームで初めての戦闘となる。
なけなしの魔法で戦うがまだ入学して間もない主人公が覚えてる魔法なんて精々弱風で人間にかすり傷を残す程度。 勝てるはずもなく魔物に怪我を追わされ騒ぎを聞き付けたきりやんとBroooockに助けられる……という何ともゲームらしさ全開なイベント。
しかもその魔物をこの森に連れてきたのはシャークだということにされてしまうという最悪のおまけ付き。 彼が本気で否定していたシーンが印象に残っている。
この状況を見る限り、この一件は本当にシャークのせいではないらしい。 だとしたら一体だれが…?
シャーク
シャーク
そんな考えが脳をかすめる。
〈やっぱり、人は変わんないんだよやんさん〉 〈そうだね、期待した俺が馬鹿みたいだ〉
聞いたことなんて無いはずの、俺への言葉が聞こえた気がした。 足が震える、呼吸が酷く浅くなる、額に汗が滲んで目の前がぼやける。
シャーク
シャーク
不意に足が止まる。
シャーク
喉の奥から絞り出すように、魔法を唱える。 さっきまで全く動かなかった足が前へと踏み出され、周りの景色が目で追えなくなるほどの速度で動き出す。
シャーク
主人公も、きりやんもBroooockもゲームのキャラクターに過ぎない。 でも、今の俺にとって、シャークにとっては同じ世界の住民で、同じ人間だ。 仲良くはない、むしろシャークは嫌っていたはずだ、でも。 でも。