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ケツウ

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ケツウ

1 - ケツウ

♥

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2019年09月04日

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この町では、口にしてはいけないと言われている言葉があった

「ケツウ」

なぜ口にしてはいけないかは、誰も知らなかった。

男子

ケツだって!ケツ!わはは!

気の弱い女子

あ、あんまり馬鹿にしない方がいいと思うよ·····

男子

だってー!
面白いんだもーん!

小学生はこうやって馬鹿にしたりしていたが、その言葉を口にしたりは決してしなかった。

夕方、部活終わり

はぁ·····

今日も疲れたな·····

みんなと違う部活だからいつも1人で帰らなくちゃいけないんだよね·····

今日は雨も降ってるし、なんだか怖いなぁ·····

少し早歩きで行こう!

あれ?少し雨が強くなってきた·····

さっきよりも暗くなってる気もするし·····

でも家までもう少しだし、大丈夫だよね

なんだか足音がする

この辺りは人はほとんど通らないはずなのに

暗いからちょっと怖いな·····

私は1度振り向いてみることにした

·····あれ?

そこには誰もいなかった。

ま、まぁ·····
空耳だよね·····

ちょっと怖がりすぎだよね
きっとそう·····だよ·····

そう思ったが、やっぱり不安だったので小走りで帰ることにした。

·····

やっぱり

さっきの足音だ。

空耳じゃ·····
ない?

私はもう一度振り向いてみた

えっ·····

そこには

雨に濡れてびしょびしょで、履いている制服のスカートが赤く染っている女が下を向いて立っていた

·····?!

なに·····
あの人·····

立ち竦んでいると、女はこちらを見た

·····いや、「見た」と言っていいのか。

なぜなら

目が·····

無い?

その女は、本来なら目があるところにぽっかりと穴が空いていた。

え·····

·····逃げなきゃ

私は全速力で走った。

血だらけの女

@#&?*!:*/¨‰

女は人の声とは言えない声で笑った

そして有り得ないスピードで追いかけてきた

私、しんじゃうの·····?

すると、女がブツブツと何かを言っているのが聞こえた。

血だらけの女

·····つ·····

血だらけの女

·····ツウ·····

·····!

もしかして·····

あの口にしてはいけない言葉「ケツウ」を呟いている·····?

でもどうして·····

その時私は、急にひらめいた。

「ケツウ」って、もしかして「血雨」ってこと?

それを口にした瞬間、土砂降りの雨は赤色に染まった。

しまった!

言ってしまった。あの言葉を。

·····?!

動けない·····!

ドロドロの赤い雨の水溜まりにはまってしまった私は、足が動かなくなってしまった。

血だらけの女

ヨウコソ

血だらけの女

コレデアナタモ

血だらけの女

ワタシタチノナカマダネ

女子高生

部活で遅くなっちゃったなぁ

女子高生

雨も降ってきちゃったぁ

女子高生

早く帰ろぉーと

·····つ·····

女子高生

女子高生

あなたは·····誰?

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