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あの夏が飽和する .

あの夏が飽和する .

「あの夏が飽和する .」のメインビジュアル

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『 頭の中を飽和している 』

♥

1,048

2024年03月18日

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あの夏が飽和する .

所々、 歌詞を改変している部分があります。

例 私→俺 言い回し等

暗い部屋、 僕は一人で寝ていた。

その時に、家のチャイムが鳴った。

玄関のドアを開けると、 そこには紫さんが立っていた。

…昨日、っ…人を殺したんだ…

貴方は、そう言っていた。

…ひと、を…

梅雨時ずぶ濡れのまんま、 部屋の前で泣いていた。

…俺、どうしたらいいか、っ゙…

…紫さ、ッ…

…っ、…

……

夏が始まったばかりの言うのに、 貴方はひどく震えていた。

そんな話で始まる、

…紫、さん… 僕…は、ッ゙…

あの夏の日の記憶だ。

とりあえず人気の少ない場所に行って 詳しく訊くことにした。

何があったの、

彼は、すんなり答えてくれた。

…殺したのは隣の席の、
いつも虐めてくるアイツ

紫さんの隣の席は、 虐めっ子で有名なやつだ。

親は何度だって止めているのに 全く言うことを聞かないヤツ。

…もう嫌になって、
肩を突き飛ばして…

打ち所が悪かったんだ、

紫さんは、 何も悪くないじゃないか。

アイツが自業自得だっただけだ。

紫さんは、どうするの…?

もうここには
居られないと思うし
どっか遠いところで
死んでくるよ、笑

っ、!!

諦めきった顔で笑う、 そんな君に僕は言った。

それじゃあ、
僕も連れてって!

あの時の彼の驚いた表情は 一生忘れられないものになる。

サイフを持って、ナイフを持って 携帯ゲームもカバンに詰めて

要らないものは全部、
壊していこう

っ、…

…これ、要らないの、?

……

家族と撮った あの写真も 大人に成った時に 懐かしめるように書いた あの日記も

…うん、要らない

今となっちゃもう要らないさ、

…準備できた、?

人殺しと

…できた、よ

ダメ人間の

俺、青しか居ないから

君と

それは僕も一緒だよ

僕の

行こっか

うん、笑

旅だ

っ、はぁッ…はふ、ッあぁ…

…青、ッ…走りすぎぃ、っ…

そして僕らは逃げ出した。

だって、僕も
逃げたかったから笑

この狭い狭い、 この世界から。

…っ、今更…だけど

青には家族がいるのに、
良かったの…?

…全部、捨てたかった

家族も、クラスの
おかしい連中も

家族もクラスの奴らも全部 捨てて君と二人で。

遠い遠い誰も居ない場所で
二人で死のうよ

…俺、本当は後悔してる

旅に出たことに対して?

青を…連れてきたことに対して

なんでそんな事言うの。

別にいいよ、笑

もう、この世界に 価値なんて無いのに。

…それに、俺がしたことも…

…人殺しを気にしてるなら
気にすることなんてないよ

人殺しなんてそこら中 湧いてるじゃんか

だから、

貴方は何も悪くないよ。

…紫さんは何も悪くないよ

…ごめん、っ…

結局僕ら誰にも愛されたことなんて 無かったんだ。

そんな嫌な共通点で 僕らは簡単に信じあってきた。

僕らは結局、 仲間が欲しかったんだだけなんだ。

独りになりたいと言いながら 僕らは手を取りあった。

青、楽しいね笑

待ってよ、笑

君の手を握った時 微かな震えも 既に無くなっていて

誰にも縛られないで二人、

線路の上、初めて歩いた笑

それは僕もだよ笑

廃線になった 線路の上を歩いた。

今だ!

入れ入れっ!!

民家から金を盗んで、

はぁ、ッ…はッ、ふぅ…

はぁッ…はぁ、ッ…ふッ

二人で逃げて、

っ、ははっ…あはは、ッ!!

…っ、ふふッ…はは、ッ!!

初めて犯罪を犯して 二人で高笑いした時は

どこにも行ける気がしたんだ。

今更怖いものは 僕らにはなかったんだ。

夏が本番に差し掛かってきた頃 滝の近くに来ることが多くなった。

そこは涼しくて、過ごしやすい。

けど、やっぱり

…やっぱ暑いね笑

だね、笑

そう言って流れた額の汗も

…っ、あ…

紫さんのメガネ、っ!!

…もういいよ、笑

どうせ死ぬんだし笑

でも、見えないんじゃ…

青がいるでしょ

青が俺のこと、支えてよ

…うん、笑

落ちたメガネも

…星が細かく見えない…

やっぱり拾った方が
良かったんじゃないの?

…今となっちゃどうでもいい

所詮、あぶれ物の
小さな逃避行の旅だし

そう言った彼は、

……

…っ、…

遠い目をしていた。

…いつか夢見た優しくて、
誰にでも好かれる主人公なら

汚くなった僕らも見捨てずに
助けてくれるのかな?

彼は少し苦い顔をした。

…そんな夢、俺だって見てた

けど、そんな夢なら捨てたよ

どうして、?

だって現実を見ろよ。

シアワセの四文字なんて
どこにも無かった

今までの人生で
思い知ったじゃないか

…僕ら、
そんなに悪いことしたかな

自分は何も悪くねぇ、
って誰もがきっと思ってる

彼の目は、少し怖かった。

…そっか、…

だから目を背けた。

ある日、店から万引きしたあと 警察官に見つかって追いかけられた

だから、僕らは走った。

死ぬような思いをして 走り続けたんだ。

僕らはとうとう追いつかれた。

数メートルもしたら崖の部分で 警察官に四方を取り囲まれた。

その時、紫さんは 僕が背負っていたリュックサックを 強引に奪い取り 中に護身用で入っていたナイフを 取り出した。

そして、僕を人質に使った。

紫さんはヤケになっているのか 警察にナイフを向けて 「 来るな 」そう、叫んでいた。

僕は怖くなって

…っ、もう諦めよう…

紫さんにだけ 聞こえるように言った。

…青は、黙ってて…

珍しく僕にも怒っているようで 僕の心は冷静と動揺が同時に来て

あてもなく彷徨う蝉の群れに、 水も無くなり揺れ出す視界に、

 

冷静になりなさい゙ッ!!!

迫り狂う鬼たちの怒号に、

バカみたいにはしゃぎあい ふと君はナイフを取ったんだ。

きっと僕だって、そうする。

君が今まで傍にいたから
ここまで来れたんだ。

だから、もういいよ。

…え、?

もういいよ

死ぬのは俺一人でいいよ

紫さん゙ッ!!!

…ごめん、っ…

…っ、!!

っ、は…ぁ…紫、さ…!

僕は警察官がいる方に突き飛ばされて 軽く脳震盪を起こしている中、 君の名前を呼び続けた。

…ありがとう。

楽しかった。青がいたから
こんなに楽しい旅ができた!!

青だけは生きて、生きて生きて
そして…死ね!!!

…紫、さ…

大好きだった!!

紫くん゙!!!

初めて君の名前をくん付で呼んだ。

口馴染みが悪くて 個人的には最悪な呼び方。

慣れるようにするからさ 生きてよ。

そんな心の叫びも虚しく、 君は首を切った。

まるで何かの映画のワンシーンだ。

今まで隣で笑っていた人が もう返事をしてくれない。

白昼夢を見ている気がした。

地面を這いつくばって 君の隣に行こうとした時には 僕は気づいたら 警察官に捕まっていた。

君の遺体は警察に回収されて 君がどこにも見つからなくって

…紫、くん…

君だけがどこにもいなくって。

 

青さん、この資料を
ラミネートしておいて下さい

了解しました

そして時は過ぎていった

…暑っつい、
早く会社つかないかな

ただ暑い日が過ぎていった。

…いってきます、…

 

ええ。行ってらっしゃい

 

気をつけてね

は〜い、

家族も

この光景は、 あんまり変わらないな。

 

…っ、青…久しぶり、…

うん、久しぶり

 

あの時は…紫に、…

それ以上、聞きたくないよ

僕は、貴方達と関わる気は
毛頭ないので

それでは、

クラスの奴らもいるのに

 

青!

…紫、さん…

なぜか君だけはどこにもいない

この夏草の匂いを感じると あの夏の日を思い出す

僕は今も、今でも歌ってる。

貴方が教えてくれた あの歌を、あの曲を 今でもずっと

ん〜ん、ら〜ら…

歌いながら 君をずっと探しているんだ

君に言いたいことがあるんだ

…っ、くしゅッ!!

 

青さん風邪すか〜?笑

ちょっと寒くて…

 

最近冷え込み酷いっすもんね〜

九月の終わりにくしゃみして

…最近、雨ばっかりだな…

雨の匂いあんまり
好きじゃないんだよね〜…

僕は好きだよ

えぇ、?!

六月の匂いを繰り返す

…あ、雨だ〜っ笑

…紫さんって
雨の日はテンション高いよね

匂いと音が好きだから笑

そうなんだ、笑

君の笑顔は

花畑だ!!

突然元気になった…

さっきまでは
「 疲れた〜 」とか
言ってたくせに笑

うるさい!笑

こんなでっかい花畑見たら
誰でもテンション上がるでしょ

僕は普通かな

えぇ…

君の無邪気さは

…また、この夢かぁ…

頭の中を飽和している

…昨日、っ…人を殺したんだ…

…ひと、を…

っ、…

誰も何も悪くないよ

…俺、どうしたらいいか、っ゙…

…紫さ、ッ…

…っ、…

君は何も悪くはないから

…もう、いい…

え、?

もういいよ゙!!

全部、ッ!!全部を…
投げ出してしまおうッッ゙!!

…っ、!

紫くん、ッ゙…

…あの時、
ああ言えてればっ゙…

そう言って欲しかったのだろう?

なぁ?

 

…大丈夫ですか?

え、?

 

泣いた後、付いてたので…

だいじょ、…

そこにいた高校生くらいの子は、 紫くんに似てないのに 何処か面影を感じる子だった。

…君、名前は…

…桃、ですけど…

それから また違う物語が始まって より一層、 僕は紫くんを思い出すんだ。

それはいつかの墓参りで 紫くんにも話すね。

一部分の表現等は 『 あの夏が飽和する 』 小説を参考に書いています。

本読むの苦手な自分が読めたから 書店にあったらぜひ買ってみてほしい

ちなみに、曲を聴いた上で 小説読むのをおすすめします

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コメント

2

ユーザー

こういう系で初めて泣きました。 歌詞だけじゃなくて言い回しが素敵ですごく惹き込まれました。小説を私も読んだのですが小説の中の台詞が入っていたりしていて感動しました😢

ユーザー

めちゃくちゃ泣きました😭 曲聴いて、あったら読んでみます!

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