生きろ
生きろ
生きろ
生きろ…
⸺この短い一生だけでも何度も聞いたその言葉が頭の中で乱反射する
頭が痛い…昔はこの言葉を使うだけで良い人になれた時代があったらしい
ライ
作業用のヘルメットを外しながら言葉を零した
この世界は元々狂っているのだから
そんな時代があったすら怪しい
モーテ
と言いながら疫病神、もといモーテ先輩が無気力な歩き方でこちらに近づいてきた
…本当にこいつは嫌いだ
ライ
俺はこいつの事を一応目上の人としては認識しているのだが、とにかく見た目と性格が気に食わない
砕けた喋り方、鬱陶しいボサボサの髪、女癖の悪さ…
どこを取っても駄目人間だ
モーテ
うぜぇ…
そのアホ毛毟ってやろうか
ライ
ライ
超作り笑いをした
完璧な笑顔だ!うん!
──奴の反応は
めっちゃ笑ってた
それはもう比喩とかじゃなく本当に腹がよじれるぐらいには
笑いが止まる気配が無かったので声をかけた
ライ
モーテ
モーテ
モーテ
…と奴は俺の頬を引っ張りながら言った
はぁ?
ライ
この口調は目上の人に対してどうかと思ったがもう遅い
日頃の鬱憤を晴らさせてもらうぜ!
ライ
と、日が暮れるまでこいつに暴言を吐き散らしてついでにぶん殴るつもりだったが
オスマン
オスマン先輩に口を塞がれ止められた
ライ
オスマン
モーテ
まぁ…オスマン先輩の言う通りか…
俺が腕をもいだらその分の金は俺に請求される訳だし…
ライ
オスマン
モーテ
…とかなんとかやっている内に聞き慣れたアナウンスにしては感情的なのが一体に鳴り響く
「えーX地区でエパナスタシィ共が暴れておりまーす。あいつらに我軍の技術力を見せつけてやりましょー」
「お前もうちょっとみんなを鼓舞するアナウンスできねぇのかよ!」
「無理っす」
モーテ
オスマン
いや、一周回って仲良いだろあの二人
モーテ
モーテ
オスマン
モーテ
と、二人はX地区のある方に急いだ
俺もそれに続いた
──現在2XXX年はどの体の一部を失っても変えがある
それが
腕や足
ましてや臓器までも
変えがある
そのせいで寿命はほぼ永遠とも言っていい
──だが、俺はふと思うときがあるのだ
何でも変えがあるこの世界で
真の"生きる"とは何だろうと
本当に少しだけ
思うのだ
プロローグ 終
鍋
鍋
鍋
鍋
鍋
鍋
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