生きたい僕と死ねない君

確か、今から2年前の夏。 突然だった。

こう言われた時に時間が止まったような気がした。 もう生きれないんだ。って。 だから…逆に前を向いて生きようと思った。 今となっては2年前の懐かしい話。

ガチャ

外 ミーンミンミンミンミン

アイス買い終わり…

ガサガサ

ー数分後ー

ー数分後ー

目の前には、 おとぎ話で出てくるような可愛らしい家が1件ぽつんと建っていた。

コンコンコン

ガチャ

声の主を見る。 すると、15歳ぐらいのまるで人形のような見た目の女の子が立っていた。

部屋の中は涼しくて、アンティークな家具で統一されていてますますおとぎ話に出てきそうだと思った。

その時君は振り返って笑顔を見せたけど僕にはわかった。 少し曇った…影のある笑顔。 悲しい笑顔だって。

君はこちらを振り返ることなくお茶の準備をしていたけど多分曇った顔をしてるんだろう。 何となくここは踏み込んでいいところじゃないと思った。

それからしばらく他愛もない話を沢山した。 初対面だったけど不思議と色んなことが話せた。 僕は君を不審に思っていないけど、 君からみたら僕はかなり不審なひとだっただろう。 恐らく警察に余裕で通報できるレベルだったけど君は仲良くしてくれた。

その時、突然だった。

グラグラ

僕は咄嗟に机の下に隠れようとした。 その時＿。

ゴーン バサバサバサ

地震がおさまって机からでて利音ちゃんがいた所を見てみる。 すると…

倒れた本棚の下からおびただしい程の血が……流れ出ていた。 見た時にすぐ思った。 利音ちゃんは生きてないって。 でも急いで本棚をどけて利音ちゃんを抱き抱えた。

呟いてみたけど、ぐったりとしている君からの返事はなかった。 初めて会ったけど一緒にいるとすごく落ち着くし楽しかった。 さっきまで一緒に笑ってたのに。 その子はもう別の、もう少しで僕がいくところにいってしまった。

君の声がした。 君を見てみると…

何事も無かったように心配そうな顔で僕を見ていた。