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卒業までの、たった1日の休日に2人で遠出した。
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月島基
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基君は何事も、とことんストイックにやり遂げるタフなところと、覚悟がある。私はそういうのを持ち合わせていない。根性だけじゃ自衛官もプロバレーボール選手もやってられない。
電車に揺られ向かうは水族館。 暗がりの中手を繋ぎにいったり、少しでも基君に触れていたくてアプローチを積極的にしてみる。
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月島基
イルカショーを行うステージの近くにあるお土産屋さんに入る。
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月島基
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月島基
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購入して、イルカショーを見るために早めに会場入りする。
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始まってから、今までまともに見れなかった横顔をふと眺めると、時おり表情が綻んでいて安心した。
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月島基
ショーの後、名残惜しいが水族館を後にする。
行く時よりも体を密着させて座り、心地よい体温を感じながら電車に揺られ。
月島基
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月島基
ふわりと胸の中に引き寄せられた。
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月島基
泣きそうなのを我慢して、唸りながら基君の肩に顔を押しつける。
月島基
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離したくないこの手。でも、今度は私が覚悟を決める時。目に溜まった涙を片方の手で拭い、そっと繋いだ手を離した。この時、基君に私はどう見えたのかな。ハッとした表情を一瞬して、照れくさそうに目を伏せて背中を向けて歩きだした…。
あれから4年、大学の卒業式が終わってしばらくたった頃、とあるカフェに呼び出されたので行ってみると。
月島基
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お互いの容姿の変化に驚きつつ。
月島基
深呼吸したのち、ぎこちない手で彼が取り出したもの。
月島基
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そう言った瞬間、周りから拍手喝采が起こる。
月島基
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今度は私が抱きしめる。
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月島基
と同時に唇が重なった。
再び沸き上がる店内に、困惑と照れが入り交じる。あの時気づいた気持ちがやっと芽吹いて、どんなものが実るか咲くか、彼と歩む人生が今始まる。