無痛症

｢お母さん！お父さん！｣

｢今日もちゃんと神様にお祈りできたよ！！｣

そう言うといつも母と父は微笑んでおでこを撫でてくれた

今日も“あの場所で”お祈りするの

教会って言うんだって！

少女は母と父と手を繋ぎ

教会を歩いていました。

影に紛れ男が遠くから

銃弾をその親子に向けて打ちました

親は子供を守り

子供は目の前で親を殺された憎しみで

それ以来

痛みが感じなくなりました

｢痛いってなあに？｣

｢顔…覚えたからね？｣

と独り言を言い

現在も夜道をさまよい

犯人の男を探している

“顔…覚えたからね？”