天月
体が動かない 息をすることさえ、ままならない
天月
天月
ポタ…ポタ…
女の首から血が滴り落ちる
天月
首の傷は、まるでナイフでかき切ったようだ。 女は真っ暗な瞳でこちらをジッと見つめている
首から血を流す女
天月
焦る天月をよそに 女はゆっくりと腕を上げ、指をさした
天月
天月
体が勝手に女が指をさした方を見る
天月
振り返ると女は消えていた
天月
天月
天月
天月
天月
天月
天月
天月
天月
伊織
結城
結城
伊織
一ノ瀬
結城
結城
一ノ瀬
結城
結城
不安な表情を浮かべた伊織が こっちへ近づいてきた
伊織
伊織
伊織
結城
4人でここに来たときのことを思い出した
天月
天月
天月
伊織の不安そうな顔が頭をよぎった
天月
天月
天月
天月
天月
天月
友人のことを思い出し、急に心細くなった
天月
天月
天月
天月
天月
天月
天月は、みんなを探すためにA病棟に行くことに決めた
1階A病棟
コツン…コツン…コツン… 自分の足音だけが響き渡る
天月
院内は荒れている
壁にはラクガキ、破れた布、横たわる椅子 紙くずが散乱していた
天月
天月
天月
天月
天月
天月
女の姿が頭から離れない
天月
天月
天月
天月
天月
天月
天月
天月
天月
また会ってしまったら── そんな不安の中、A病棟を進む
天月
何かを感じ、立ち止まる
天月
耳を澄ましても何も聞こえない 気のせいだと思い、また歩き出す
コツン…コツン…コツン…
ヒタ… ヒタ… ヒタ…
天月
意を決して振り向く
天月
天月
振り向いても誰も居ない
天月
天月
前に向き直った瞬間だった
???
天月
耳元で囁かれたような 頭の中で響き渡る不気味な女の声に驚き、走り出す
天月
天月は無我夢中で走る
天月
ヒタヒタヒタヒタ
天月
天月
天月
天月
半開きのドアが目に入った
天月
天月
その部屋は事務室のようだった 荒れていて草木が床を這っている
ヒタヒタヒタヒタ
天月
天月
机の下に隠れ息を殺す
天月
ドクンドクンドクン
バレないか不安になるくらい心臓の音が大きい
天月
天月
天月
天月
ヒタヒタヒタヒタ
足音はすぐ目の前まで迫っていた
コメント
4件
追いかけないで!
いや追っかけてくるのは怖いわʷʷ
怖い((((;゜Д゜)))