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8月12日、月曜日

海の近くに建つ大きな屋敷にとある家族が近付く

るいと

おーい、誰かいるかー?

詩帆

お邪魔しまーす!

るいとは幼稚園児の聡と手を繋ぎ、詩帆は産まれたばかりの赤ちゃんを抱えながら叫ぶ

朱架

あ〜

朱架

るいとと委員長だ〜

詩帆

朱架くんおはよう

るいと

世話になるぞ

朱架

は〜い

朱架

荷物預かるよ

朱架

入って入って〜

詩帆

ありがとう

この屋敷は、羽望暗W夫妻が購入した別荘である

かなり広く設計したらしく、度々るいとや律の家族を呼んでいる

この屋敷でいちばん広いリビングに着くと、そこには既に他のメンツが集まっていた

ラト

あ〜!

ラト

るいとくんと詩帆ちゃんだ〜!

ラト

ふわふわだねぇ〜!

詩帆

ラトさんおはよう

るいと

すまん待たせてたか?

俺らも少し前に着いたところだ

颯真

それに、るいとのところは赤ちゃん産まれたばかりなんだし、遅れても文句言わないよ

颯真

多分

るいと

多分てなんだよ

親友達との会話を楽しんでいると、るいとはシャツを引っ張られる

パパ

つかれた

るいと

あー、そうだな、部屋に行こうか

颯真

荷物も置かなきゃだもんね〜

颯真

案内は必要?

るいと

さすがに覚えてるっつの

颯真

そっか〜

るいと達は準備された部屋へと向かう

るいと

──よし

るいと

荷物はここにまとめときゃいいだろ

詩帆

そうだね

詩帆

それにしてもほんと広いよね、ここ

詩帆は一般家庭のリビングほどの広さのある、16畳ほどの部屋を見渡しながら言う

るいと

そうだな〜…

るいと

ま、あいつらの金だからなんでもいいけど

…ふぇ……

詩帆

あら、起きちゃった

詩帆

ミルクかな?

詩帆は目が覚めた赤ん坊の世話を始める

るいと

俺は下の手伝い行ってくるわ

詩帆

わかった

ボクもいきたい

るいと

お、そうか、じゃあ一緒に行こう

うん

るいと

おーい、何か手伝うことはあるかー?

るいとと聡は40畳ほどの広さのリビングに戻り、朱架に尋ねた

朱架

うーん…

朱架

俺サボってたからわかんないやー

るいと

いやサボんなよ

朱架

颯真か律辺りに聞いてみてよ

るいと

颯真もマイペースで当てになんねぇし律に聞くわ

朱架

ウケる〜

るいと

律ー、手伝うことはあるかー?

お!救世主が来た!!

律は顔をパァッと明るくして言う

るいと

その口ぶりは…

そう、朱架も颯真もサボりながら準備してるからなかなか進まねぇし…

ラトもくるみも子供達の面倒見てるし…

かいあは手伝ってはくれてるけど柑夏も見ながらだからガッツリ手伝ってもらう訳にはいかないし…

マジで!

お前が来てくれてよかった!!

るいと

お、おう…

るいと

そりゃよかった…

律の気迫にたじろぐるいとであった

律から指示を受けたるいとは冷蔵庫を開ける

パパ、なにするの?

るいと

肉と野菜を運ぶんだよ

るいと

はい、これ持てる?

るいとは小さいカゴに肉や野菜を入れ、聡に手渡す

んしょ…

もてる!

るいと

よし!

るいと

じゃあ庭にいる緑髪の女の人に渡しに行って

ラト

こっちだよ〜ふわふわ〜

聡にわかりやすいよう、ラトが手を振る

わかった

るいとは聡がラトに向かって歩いていくのを確認し、冷蔵庫から大きなカゴへ肉や野菜を詰める

るいと

よし、こんなもんかな

るいとは庭へ食材を届けに行く

るいと

持ってきたぞー

るいと

これで足りるか?

るいとが庭に着くと、くるみやラト、かいあがバーベキューの準備をしていた

くるみ

うんうん!

くるみ

これだけあれば大丈夫だと思う!

かいあ

ま、足りんでも誰かが持ってくるなり買ってくるなりするやろ

るいと

それもそうか

ラト

見てみて〜

ラトは子供達に炭を見せる

ラト

黒い石〜ふわふわ〜

実音

ほんとだー!

実音

くろいいしー!

実來

すごーい!

実咲

炭って石だったの?

くるみ

ら〜とぉ〜?!

くるみ

人の子供に変な知識植え付けないでぇ〜!!

ラト

ふわ?

伊月

まま

伊月

すみは、いしじゃなくて、きだよ

ラト

ふわ?

るいと

なぁ、伊月ってほんとにラトの子供か?

くるみ

私も疑問に思ってるんだよねー…

かいあ

取り違えでも起こったんちゃうか…?

ラト

ふわふわ〜

そうしてバーベキューの準備が終わり、大人たちは肉や野菜を焼き始めていた

実來

パパー!まだぁー?

颯真

あと少しで焼けるからな〜

実來

すこしってどのくらい?

柑夏

はやくたべたいねぇ〜

柑夏

そうだねぇ〜

あっ、こら柑夏!

危ないから近寄っちゃダメだろ?

柑夏

はぁい〜

友梨

ママー!パパー!

友梨

やけたらおしえてね!

ラト

は〜いのふわふわ〜

友梨

希里!むこうであそぼう!

希里

うん!おねえちゃん!

友梨

いづきもいっしょにあそぶ?

伊月

ぼくはぱぱといる

友梨

わかった〜!

朱架

そんなにパパと一緒にいたいの〜?

伊月

ぱぱとままがやけどしないかしんぱい

朱架

そんなにパパ達信用ないかなぁ〜?

パパ、ぼくもやりたい

るいと

うーん、聡にはまだ早いかなぁ…

るいと

もう少し大きくなったらな

えぇー…

子供たちと会話をしながら調理をしていき、肉や野菜は食べ頃に焼けてきた

お、そろそろいいんじゃないか?

実來

おにくー!!

かいあ

食べたい子お皿準備してや〜

実來

はーい!

柑夏

かんなはねぇ〜

柑夏

おにくがたべたいねぇ〜

かいあ

野菜も食べるんやで

かいあは野菜と肉が交互に刺さっている串を柑夏のお皿に置く

柑夏

……

それを見て柑夏は顔をしかめる

実來

わたしもおにくー!

かいあ

野菜も食べるんやで〜

柑夏同様に野菜も刺さっている串を受け取った実來は顔を引きつらせる

実咲

もー、みんな子どもだなー

実咲

実咲はやさいもちゃんと食べれるもんねー

かいあ

お、ほんとか?

かいあ

残さず食べてな〜

柑夏達と同じ串を受け取った実咲は年下の子供達に見せびらかすように野菜を頬張る

実咲

っ……!

だが、分厚く切られたネギは中にまで味が染み渡っておらず、噛めば噛むほどネギの本来の味が口を支配する

実咲

〜〜っっ!!!

予想を超えたネギの味に限界を迎えた実咲は口を抑えてうずくまる

伊月

…あんなにどやってしてたのに…

伊月は涙目でネギを飲み込む実咲を憐れむような目で見つめながら、串から外された肉を食べる

ラト

私は大人だから野菜は食べな〜い

ラト

ふわふわ〜

くるみ

ちょっとぉ?!

くるみ

子供達に示しがつかないからちゃんと食べてぇ?!

くるみはラトのお皿に野菜を入れる

ラト

やだ〜のふわふわ〜

ラトは入れられた野菜を朱架のお皿に入れる

朱架

えぇー…

朱架

俺もいらないなぁ…

朱架

はい

朱架は隣にいた律のお皿に野菜を入れる

いや、食えよ

律は朱架のお皿に野菜を戻し、戻された野菜を再び律の皿へ…という攻防がしばらく続く

くるみ

……

くるみ

みんな、ああいう大人にならないように野菜食べれるようになろうね

……

希里

はぁぃ……

伊月

みっともないおとなって…
ああいうのをいうんだな…

友梨

ママ…パパ…

るいと

子供に引かれとるがな

みっともない大人達がさらけ出されたバーベキューも終わり、4家族は海で遊び始める

希里

きゃー!つめたーい!

朱架

あんまり遠くに行っちゃダメだよ〜

柑夏

ぱぱ…まま…

柑夏

うみはさめさんがいてきけんだねぇ…

柑夏

はいりたくないねぇ…そうだねぇ…

この辺にはサメさん棲んでないんじゃないかなー…

ラト

魚さんはいっぱいいるよ〜

ラト

ふわふわ〜

柑夏

……!!

柑夏

かんなたちをたべちゃうさかなさんがいるかもしれないねぇ…

柑夏

こわいねぇ…

いや、いないって

……

聡はるいとの背後にしがみつき、海をじっと見つめる

るいと

怖いか?

聡はるいとの問いかけにコクっと頷く

詩帆

じゃあお砂遊びしよっか

する

詩帆

るいとくん、心お願いできる?

るいと

OK

るいとは心を詩帆から受け取り抱き上げる

聡と詩帆は海辺から少し離れ、砂をかき集めていく

そこから少し離れたところでは実咲が砂にお絵描きをしていた

実咲

♪〜

そしてそこに実來が走っていき、絵を踏みつける

実來

みらいキィィック!!

実咲

あー!!

実咲

ちょっとみらい〜!!!

実來

えっへへ〜

実音

わたしもいれてぇ〜!

実咲

じゃあみんなでおえかきしよう!

実音

うん!!

実來

わーい!

朱架

(砂で城作るとかじゃなくてお絵描きなんだ…)

各々自由に遊び、やがて日が暮れ、4家族は屋敷へと戻る

るいと

聡〜楽しかったか〜?

るいとは聡の頭を撫でながら聞いた

うん…!

るいと

そうかぁ〜

るいと

良かった良かった

詩帆

今は毎年みんなで集まって遊んでってしてるけど、子供たちが成長して反抗期とか来たら集まれなくなるかもしれないね〜

るいと

そうだなー…

るいと

1番反抗期来そうなのは実來とかか?

詩帆

ふふっ、確かに、お転婆な子だからか反抗期の様子がハッキリ目に浮かぶね

はんこーき…?

聡はるいとの事を上目遣いで眺める

るいと

まだ知らなくていいことだぞ

???

詩帆

それでも、みんなの成長が楽しみだね

るいと

…そうだな

こうしてるいとたち4家族の年1バカンスは幕を閉じた──

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