テラーノベル
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藤澤は思考を巡らしながら 2人がいる寝室に向かう
藤澤
寝室の扉を開けると 悲惨な光景が広がっていた
大森の気に召さなかった服が クローゼット周りだけではなく 部屋のあちらこちらに 散乱している
藤澤
藤澤
若井は完全に 大森のペースに飲み込まれて 着せ替え人形と化している
大森
若井
大森
若井はすでに 大森によるコーディネートで 破壊的な格好になっている
しかし、それでも 満足していないのか さらなる破壊の一手を投げた
若井
若井が仕方なく 大森から渡された服を着る
若井
大森
大森が面白そうに 両手で口を抑えて笑う
大森
大森
若井
若井
大森
大森が立ち上がって こちらに走り寄ってくる
大森
大森が笑いながら若井を指さす
藤澤
藤澤
若井
若井
若井が大森を追いかけると 大森はきゃはきゃはと 笑いながら逃げ回る
藤澤
藤澤
いくつかの違和感を 見て見ぬふりをすれば この現状は幸せに 感じるのかもしれない
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その後、藤澤は マネージャーと話し合って 3日の休暇を貰った
理由は話せないという スタンスで進めたので ヒリついた雰囲気になったが 最終的には承諾を得た
藤澤
藤澤
予定を分解して、移動させて まるでパズルをしているような 大変な作業だった
藤澤
特に藤澤にとって 重要だったのは3人とも 3日間の休みを貰うことだった
大森の事が心配という思いも強いが 1番はこの目で今の大森を よく見ておきたいからだ
藤澤
藤澤
りんごが入っていないはずの 食品を口にして アナフィラキシーを起こした事
エピペンを刺す振りをしたら 症状が落ち着いたこと
藤澤
藤澤は机に散乱している 仕事の資料と パソコンを片付けて 2人が待つリビングに向かった
藤澤がリビングの扉を開けると ソファーに座っていた大森が 弾かれたように、こちらを見る
大森
藤澤の姿を見ると ソファーから跳ねるように降りて こちらに走ってくる
大森
ぎゅっと胸辺りに抱きつく だが、勢いが付きすぎていたのか ほぼ体当たりのような ハグを食らう
藤澤
大森
藤澤
藤澤
大森
若井
若井が心配そうに こちらに歩いてくる
藤澤
藤澤
大森
若井
大森も若井も キョトンとして藤澤を見る
藤澤
若井
若井
大森
大森
藤澤
大森がぎゅっと 自分の上着を服を掴む
大森
藤澤
若井
藤澤
藤澤
大森
突然、大森が走り出す そしてソファに ぼふっと飛び込む
大森
すぐにソファから降りて 今度は、こちらに走ってくる
大森
藤澤
大森
藤澤
大森
大森
大森
藤澤
藤澤
大森
大森がぴょんぴょんと跳ねる
大森
大森
藤澤
大森
大森
藤澤
藤澤
大森
大森
大森がその場で足をばたばたと 踏み鳴らしながら 右上を見て考える
大森
大森
藤澤
藤澤
その様子を見ていた若井は 少し考える
若井
若井が小声で藤澤に耳打ちする
若井
藤澤
若井
若井
大森は世間的には 人気バンドのフロントマンだ 混乱を招かずに 実現できるのだろうか
藤澤
大森
大森
大森が突然、冷たい声で言うので 2人は驚いて大森を見る
若井
藤澤
大森は、にこっと可愛らしく笑う
大森
大森
若井
大森
大森
藤澤
大森
若井
大森
大森
大森
大森
2人は何も言えなくなってしまう ただ大森を見つめた
大森
藤澤
藤澤はしっかり 大森の目を見つめる
藤澤
藤澤
大森
大森は嬉しそうに頷くと 藤澤に抱きつく
大森
大森
藤澤
藤澤
藤澤は大森の頭を撫でる
若井
若井は大森の態度に 正直、不気味さを感じた
若井
若井
若井
若井
思考の部分は理解できる 目の前でこそこそと話されて 良い思いはしないだろう
問題はその伝え方だ 「嫌だ」というのではなく 物語を組み立てて妖怪がいるからと
若井
若井はこの雰囲気に 覚えがある気がした
若井の脳裏に 小さい頃の大森が浮かぶ
若井
若井
若井はある出来事を思い出した
若井
若井が記憶を辿っていると 藤澤が名前を呼ぶ
藤澤
若井
顔を上げると藤澤と大森が こちらを見ている
藤澤
若井
若井は笑顔を作る
若井
大森
じっと大森が若井の顔をみる さっきまで純粋に感じた 目付きが何か意味を 含んでいるように見えてきた
若井
藤澤
藤澤
藤澤は大森に秘密の話だと 思われないように 少し大きめの声で若井に話しかける
若井
藤澤
藤澤
藤澤
若井
藤澤
藤澤
藤澤
藤澤
若井
大森
藤澤
藤澤
藤澤
藤澤
大森
藤澤
大森
藤澤
大森
藤澤
藤澤
藤澤がスマホで検索しながら ソファーに腰をかける
大森
大森
大森がはしゃぎながら 藤澤の膝の上に座る
藤澤
しかも藤澤と向き合う形で 座ったので、顔がぐっと近づく 藤澤は少しドキッとした
藤澤
藤澤
藤澤
藤澤は何とか平常心を保った
藤澤
大森
大森
大森が膝の上で 身体をぽんぽんと跳ねらせた
藤澤
大森は無自覚なのだろうし これに煽られるのは 大人としてどうなんだと 藤澤は自問自答する
藤澤
藤澤は咳払いをして 浮ついた心を追い出した
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ー15年前ー
若井は部活動の 入部希望届けを出すために 職員室に向かっていた
若井
入部を希望している サッカー部の顧問の名前を 何度か呟く
職員室の扉の前に着くと 2回ノックをしてから 扉を開ける
若井
若井
若井は、にこにことしながら 大きな声で言う
若井
若井
西野先生
若井
西野先生
若井
女性の先生が 飯田先生を探しに 行ってくれているようだ
若井
若井は飯田先生が どんな先生なのか 緊張しながら待っていた
すると突然 怒号が職員室に響き渡る
石山先生
石山先生
若井
若井はびっくと肩を跳ねられる
そちらの方向を見ると 1人の生徒が怒られていた 俯いて制服の スボンをぎゅっと掴んでいる
若井
若井は同情した 職員室には、他の生徒もいるし それに、あんなに怒鳴られたら 怖いだろうと思った
石山先生
大森
大森
石山先生
大森
大森
石山先生
石山先生
大森
その少年は俯いてしまう
石山先生
石山先生
大森
石山先生
石山先生
石山先生
石山先生
石山先生
大森
大森
石山先生
石山先生が 机を叩きながら ヒステリックに叫ぶ
石山先生
石山先生は 折れたシャーペンを 大森の前に差し出す
石山先生
大森はすっと顔を上げると 石山先生を見つめて 言い放った
大森
石山先生
石山先生は右手を振り上げると 大森の顔を引っぱたいた 職員室にパンと乾いた音が響く
大森
若井
西野先生
周りにいた3人くらいの先生が 石山先生の身体を抑えて 落ち着かせる
西野先生
石山先生
石山先生は混乱しながら呟く
石山先生
石山先生
大森
大森
大森がよく通る声で話す 職員室にいる先生も生徒も 何故か、大森の話に耳を傾けた
石山先生
大森
大森
大森
大森
大森は一息に捲し立てる そして、すっと息を吸うと もう一度、聞いた
大森
大森
石山先生
石山先生
石山先生が突然、床に崩れ落ちる
石山先生
石山先生
石山先生
石山先生が叫ぶと 立ち上がって 職員室を出ていってしまった
若井
若井は驚いた 先生という存在に 大人という存在に立ち向かった
しかも、勝利を手にした 若井は心から尊敬して 同時に羨ましく思えた
そして2年後、この少年が 大森だったという事も忘れた頃
大森と同じクラスになった 若井は何故か惹かれて 大森の家に通いつめるのであった
コメント
15件
妖怪っていうのでちょっと「新時代妖怪」を思い出してしまったww
初コメ失礼します、🙇 陰ながらいつも見させて頂いてます!今回のお話も癖にぶっ刺さりです🥲︎ 大森さん妖怪に取り憑かれてるんでしょうか…わざと幼児化したような演技をしてるようにも汲み取れますね🤔 続きが楽しみです頑張ってください!応援しています‼️
最高すぎます!!続きありがとうございます🥲🥲!!