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颯飛
……っ
俺は病室から飛び出した朱里を追いかけた。
なんだか嫌な予感がしたから。
行先は、やっぱり屋上だった。
朱里
――――
颯飛
（何か…言ってる…？いや、それより止めなきゃ…）
颯飛
朱里！
朱里
！！！
朱里は驚いた顔浮かべ、直後すぐに苦しそうな顔を浮かべた。
朱里
なんで……っ
颯飛
朱里、死ぬのは…
朱里
ほっといてほっといてほっといてよぉぉぉぉー！！！！
颯飛
！！
俺はそれまでの朱里からは想像できないくらいに叫ぶ朱里を見て呆然とした。
朱里
私の気持ちも…知らないくせにぃ…
颯飛
だから、失恋したところにあの話をしたのは…
朱里
違う！！！！
颯飛
……え？
朱里
私なの…私なの！！！！！
颯飛
何…が？
朱里
彼女が…
颯飛
え？
いまいちなんなのか分からなかった。
朱里
事故った彼氏の見舞いに来ない彼女が！！！
朱里
私なの！！！
颯飛
…………え？
朱里
すれ違って別れた彼氏は颯飛のことなの…！
朱里
颯飛が私のこと忘れちゃったから…！
朱里
そんな中颯飛に好きな人が出来たから！！
朱里
……別れるしかないって…思ったの…。
朱里
そうすれば…そうすれば…。
朱里
丸く収まるから…。
颯飛
待って…
朱里
だから！！！！
朱里
死なせてください…。
朱里
もう正直無理…。
朱里
今までいっぱい抱えてきたけど、それって颯飛がいたから保ってたの…。
朱里
だけどもう無理…颯飛と別れるなら心が持たない……
颯飛
待って…！！
朱里
っ……
颯飛
どういうこと…？朱里の彼氏が俺…？そんな記憶ないし…友達誰も…
朱里
あ……そーだ
朱里
スマホ、見せて…
颯飛
え？いい…けど…
俺は言われるままにスマホを渡した。
朱里
見て…このストラップ…
朱里は、俺のスマホに付いているストラップと、自分のスマホに付いているを見せた。
颯飛
これは…？
朱里
事故にあった日のデートで買ったんだよ。
朱里
お揃いなんだよ。
朱里
でね…
そして朱里は写真フォルダーを開き、1枚の写真を見せた。
デートっぽく見えるツーショットだ。
颯飛
…！
朱里
これが、私達がそういう関係だったって証拠かな…
朱里
嫌だったら捨て……
颯飛
嫌じゃない
朱里
…え？
颯飛
さっきは言えなかったけど、俺の好きな人は朱里。
颯飛
まさか既に付き合ってたとは思わなかったけど…
朱里
………え？
俺は朱里を抱き締めた。
颯飛
辛い思いさせてごめん。好きだ。
朱里
う……え……？？？
感情が1度爆発したからか、外部から情報を受け取るのは難しいようで、混乱しているようだった。
颯飛
この状況でも好きで居続けてくれてありがとう。
颯飛
だから、死なないで？
朱里
……///わたし、てっきり他の誰かなのかと…
颯飛
そんなわけない。
朱里
……///ありがとう
その後、2人は記憶を取り戻すために写真を見たり思い出話をしたり、沢山話をした。
朱里
ねえ見て！
朱里
この颯飛が可愛くて〜！！
颯飛
ま、待って、何してんのこれ…///
颯飛
なんで猫耳メイド…
朱里
え私がさせちゃった
颯飛
……///朱里のそういう写真も探そ
朱里
えっ！待っっ！
颯飛
あ、これ執事の格好してるね
朱里
あぅ……///
颯飛
何があったの？これ(笑)
朱里
ハロウィンでコスプレしよってなって…女装と男装を……
颯飛
なるほど…その時の話、もっと聞かせて
朱里
うん！
＿＿fin.
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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