僕らの幸せ

病室で、重症の君は

ケロッとした顔で、いつも通り話を始めた

今の状況が分かってないのか、駄々をこねる

眩しい笑顔に、泣きそうになる

‪”‬もう君は生きていられないかもしれないんだよ‪”‬

なんて言えるだろうか

…言えるわけ、無いよな

だから俺は、いつも通り接した

青が悲しくならないように

その一言で全てがわかった

青も察しているのだろう

…だって、こんなに包帯や点滴があったら、重症だとひと目でわかる

青もそれくらいわかるよな…

『好きだよ』

今までたくさん言われてきた好きだったけど

人生で絶対言いたいこと、ということは恋愛的な意味なのだろう

俺も好きだった

男だけど

兄弟だけど

青のことが大好きだった

だからこそ言われた時辛かった

両思いがここまで辛いことはない

だけど俺も人生で絶対‪”‬青に言いたい

だから今、言うしかないんだ

青はびっくりした顔をすると

顔を歪ませて、綺麗な瞳からそっと涙が流れた

俺の手にしがみつきながら必死に声を出す青が

どれだけ苦しんでいるか痛いほど伝わった

いくら小さくても、意味はわかったのだろう

死ぬ

ということに

さすがに無理か…、

病院の屋上で、君と最後の会話をする

何があっても、君といられるならそれが何よりも幸せ

なんか、…この人、見たことある…ｯ？

あれ、これって

あの物語の＿＿＿

『青と一緒にいたいから』

良かった、地獄になんて、行かなかった…ｯ！

桃にぃと、

つきあって、幸せな日々を過ごして

それが、僕の夢だから

ずっとずっと桃にぃと一緒＿。

❦ℯꫛᎴ❧