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俺の行動は村の人間たちに見られていたらしい。 厄神様を無断で外へと連れ出した事。 厄神様の役目を妨害した事。 掟破りの罪人として俺はその日捕らえられ、地下深くの牢獄に放り込まれた。 その後は地獄の拷問にかけられた後に処刑されるということになってしまった。

ファウ

「ああああああっ!?」

背中を焼かれる じゅぅぅ… 感じたことがない痛みが全身を駆け巡る。 痛い熱い痛い痛い痛い熱い!!!

ファウ

「ぐあああああっ!?」

あまりの激痛で意識が飛んでしまう。 それから…どれくらいがたった…だろうか…。 何か…外が騒がしい…。 カチャカチャ…ガチャン! 牢屋の鍵が開く音がする。

アラキ

「ファウ!…大丈夫か!」

真っ暗で何も見えないが… 声でわかる。 親父の声だった。

ファウ

「…ぉ…やじ……。」

アラキ

「……ひでぇ……くそが…っ……………してやる…」

ファウ

「…ごめん…」

アラキ

「………謝るな…。それよりも…追っ手が来る!ファウ!なんとか立ってくれ!!」

ファウ

「…っ…ぅ…」

正直フラフラだがそんなの言っている暇はない。 すぐに応援の兵が来るだろう。

アラキ

「よし!流石俺の子だ。…道は俺が作る。お前は走れ!」

ファウ

「…ぁあ…」

俺は敵に遭遇しない間は親父に肩を貸してもらいながら移動を開始する。 その矢先に…

「おい!いたぞ!!」

「捕まえろ!!逃がすな!」

アラキ

「……くそっ!」
(早く逃がしてやらねぇと…いや…きっとファウなら行ける。)

ファウ

「……っ…。」

アラキ

「…ファウ。行け…」

ファウ

「…でも!親父!」

アラキ

「…お前には…やるべき事あるんだろ。行けよ」

ファウ

「…でも!!」

アラキ

「うるせぇ!!!」

親父の怒声が響き渡る。 兵達がどんどん向かって来ている。 時間はもうなかった。

アラキ

「…お前がこうしてる間、女がひでぇ目にあってるかもしれねぇ!ソレを救ってやれるのはお前だろうが!!!」

ファウ

「……っ!?」

アラキ

「…何が何でも生きてちゃんと気持ち伝えてこい。バカ息子。」

俺の親父は本当の親父じゃない。 でも…

アラキ

「……お前。家来るか?」

無愛想で不器用で でも…優しくて… 最高にかっこいい親父だ。

親父に背を向けて

ファウ

「…………っ!」

俺は何も言わずひたすらに走り続けた。 目の奥が熱くて仕方なかった。 ボロボロとあふれる涙を振り切ってかけていく。 親父がその後どうなったのかわからない。 俺はヒメリの元に向かうのだった。

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