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俺の行動は村の人間たちに見られていたらしい。 厄神様を無断で外へと連れ出した事。 厄神様の役目を妨害した事。 掟破りの罪人として俺はその日捕らえられ、地下深くの牢獄に放り込まれた。 その後は地獄の拷問にかけられた後に処刑されるということになってしまった。
ファウ
背中を焼かれる じゅぅぅ… 感じたことがない痛みが全身を駆け巡る。 痛い熱い痛い痛い痛い熱い!!!
ファウ
あまりの激痛で意識が飛んでしまう。 それから…どれくらいがたった…だろうか…。 何か…外が騒がしい…。 カチャカチャ…ガチャン! 牢屋の鍵が開く音がする。
アラキ
真っ暗で何も見えないが… 声でわかる。 親父の声だった。
ファウ
アラキ
ファウ
アラキ
ファウ
正直フラフラだがそんなの言っている暇はない。 すぐに応援の兵が来るだろう。
アラキ
ファウ
俺は敵に遭遇しない間は親父に肩を貸してもらいながら移動を開始する。 その矢先に…
兵
兵
アラキ
ファウ
アラキ
ファウ
アラキ
ファウ
アラキ
親父の怒声が響き渡る。 兵達がどんどん向かって来ている。 時間はもうなかった。
アラキ
ファウ
アラキ
俺の親父は本当の親父じゃない。 でも…
アラキ
無愛想で不器用で でも…優しくて… 最高にかっこいい親父だ。
親父に背を向けて
ファウ
俺は何も言わずひたすらに走り続けた。 目の奥が熱くて仕方なかった。 ボロボロとあふれる涙を振り切ってかけていく。 親父がその後どうなったのかわからない。 俺はヒメリの元に向かうのだった。