抵抗してみるも、 僕が男のくせにゆかりさんの前ではなんの意味も持たず、 恐怖と嫌悪感が溢れ出した。
JUNGKOOK
そう叫びたいのに、 うまく声が出ない。
女子生徒(ゆかりさん)
女子生徒(ゆかりさん)
ゆっくりと、 近づいてくるゆかりさんの顔。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
SUGA
J-HOPE
J-HOPE
昨日、2人から言われた言葉を思い出す。
その意味を僕はやっと理解した。
JUNGKOOK
女子生徒(ゆかりさん)
あの時、 なんで転んじゃったんだろう。
怪我をした、 自分を恨む。
僕は今から、 汚れちゃうんだ。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
今、 出せる精いっぱいの声で、 届くわけない人に助けを求めた。
いつだって、 助けを求めるのはテヒョニヒョンしかいない。
でも、 去ってしまったあの日から… 一度も来てはくれなかった。
当たり前だよね。
だって僕、 嫌われているんだしね。
勝手に想って、 こんな時に助けてだなんて、 テヒョニヒョンにとったらいい迷惑以外の何物でもない。
JUNGKOOK
__ガラガラガラッ。
保健室のドアが、 荒々しく開く音がした。
僕に近づいていた、 ゆかりさんが止まる。
規則的な足音が聞こえて、 その音は近づくごとに大きさを増す。
そして、 すぐ近くでピタリと音が止まった。
代わりに聞こえてきたのは…。
V
誰よりも愛おしくて、 何よりも求めて焦がれて、 諦めかけていた人の声…。
JUNGKOOK
女子生徒(ゆかりさん)
V
V
少し挑発するようなテヒョニヒョンに、 今まで笑顔を絶やさなかったゆかりさんの表情が崩れる。
V
V
V
低いテヒョニヒョンの声に、 ゆかりさんはゴクリと唾を飲んだ。
女子生徒(ゆかりさん)
女子生徒(ゆかりさん)
ドカン!!
大きな音が、 保健室に響く。
それは、 テヒョニヒョンが保健室のベッドを蹴(け)った音だった。
ゆかりさんさんはもちろん、 僕も思わず身を強張らせる。
JUNGKOOK
明らかに激怒しているテヒョニヒョンを、 僕はただ呆然と見つめるしかなかった。
V
次の瞬間、 ゆかりさんの腕を掴み、 ベッドから引きずり下ろしたテヒョニヒョン。
V
女子生徒(ゆかりさん)
V
地面に倒れ込むゆかりさんに罵声(ばせい)をあびせ、 見たことないような顔で睨みつけるテヒョニヒョン。
僕は1つ、 疑問が浮かぶ。
JUNGKOOK
そしてゆかりさんは、 怯えたように保健室から出ていった。
とりあえず身の危険が去って安心したのか、 体から力が抜けた。
JUNGKOOK
…来てくれた。
どうして?
どうして、 来てくれたの?
今は、授業中なはずで、 テヒョニヒョンはサボったりするような人ではない。
V
まるで僕がゆかりさんと同意の上でさっきのような状況になった、 とでも言うかのように言い方に、 胸が痛む。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
僕にはテヒョニヒョンだけ。
ゆかりさんのことは、 なんとも思ってないのに。
言いたいことが山ほどある中、 口から出たのは、 とても単純な言葉。
JUNGKOOK
テヒョニヒョンがいなかったら……。
想像するだけで、 止まっていた涙がまた溢れ出しそうになる。
みっともなく泣く姿なんて見られたくなくて、 テヒョニヒョンの前では泣きたくない僕は、 ぐっと涙をこらえた。
そんな僕に、 面倒くさそうにため息が降ってくる。
V
V
V
勘違いするなと言いたいのか、 視線が冷たい。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
わかってる。わかってるよ。
僕、勘違いなんかしてない。
身のほどわきまえてるつもり。
そして笑みを浮かべると、 冷たい視線と向き合う。
JUNGKOOK
そう言うと、 テヒョニヒョンは一瞬バツの悪そうな表情をした。
イラついたような舌打ちが、 保健室に響く。
V
V
V
……え?
腕を組むテヒョニヒョンから、 早口に述べられる言葉の中のいくつかかが引っかかる。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
僕の質問に、 テヒョニヒョンは“しまった“とでも言うかのような顔をした。
あからさまに動揺した様子で僕に背を向ける。
JUNGKOOK
一瞬、 そんな考えが浮かんだものの、 その確率は極めて低いことに気づいてバツ印をつけた。
JUNGKOOK
きっと、 1番考えられるのは…本当に、 たまたま保健室に居合わせた。
わざわざ来てくれるなんてこと、 あるわけない。
JUNGKOOK
V
どうやら、 答えてくれる気はないみたいで、 保健室から出ていこうと歩き出すテヒョニヒョン。
JUNGKOOK
僕はとっさにそう叫んで、 引き止めた。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
昨日のこと…まだ謝ってない…
次にあったら絶対に謝ろうって決めていたこと。
ちゃんと言えた。
テヒョニヒョンは振り返って、 苦しそうな顔で僕を見る。
どうしてそんなに苦しそうな表情をしているのかは、 僕にはわからない。
すると固く閉ざした口を、 ゆっくりと開けるテヒョニヒョン。
V
そのセリフに、 僕は首をかしげた。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
何か、 間違ったことを言ってしまったのだろうか。
そう思ってしまうくらい、 テヒョニヒョンの表情は見ていられないほど悲痛に歪(ゆが)んでいた。
何も言えなくなって、 思わず下を向く。
テヒョニヒョンはゆっくりと僕に歩み寄ってきて、 目の前で足を止めた。
顔を上げると、 僕を見つめるテヒョニヒョン視線が交わる。
V
V
テヒョニヒョンから出てきた予想もしていなかった言葉に、 僕は目を見開いた。
JUNGKOOK
昨日、 突き放されたと思った。
さらに嫌われていたと…思ったのに…。
JUNGKOOK
一瞬、 昔のテヒョニヒョンと重なる。
優しかった、 あの頃のテヒョニヒョンに…。
V
コメント
7件
めっちゃやばい!上手いな!作るの!最高
ヤバヤバ、馬過ぎ、、、 続き楽しみに待ってます!
続き待ってます!