人間、何があるかわからないものだ。
武道
街灯の少ない夜道を駆け回って、おそらく十数分と言ったところだろうか。
武道
武道
アルバイトの帰り道、いつもの道で帰っていた時だ
後ろから走ってくる声がして、黒髪の子が俺を追い抜かして行った。
武道
さらに後ろから走ってくる音がして、振り返れば黒スーツにサングラスを付けたいかにも裏の人間“達”がいたのだ。
黒1
黒2
なぜか勘違いされ、よくわからない鬼ごっこに強制参加だ。
武道
武道
武道
悪態吐きつつ呼吸を少し整えてまた走り出す。
路地に入ったり、人混みに紛れても見つかってしまうのは逃げるのが下手なのか
それとも、こういうやつらは、探すのが得意なのか…
武道
武道
不良だったのも中学までだ
追いかけられる理由がない
細い通路を見つけて、迷わず駆け込む
そのまま突き抜けようとして、目の前に見覚えのある人達があらわれた。
武道
蘭
竜胆
約十二年前、天竺との抗争関東事変で見た姿がそこにあった。
武道
武道
来た道の方からは、少しずつ近くなってくる声が聞こえてくる。
武道
蘭
竜胆
竜胆
フワリと、花が舞うように微笑んだ竜胆…さん。
武道
武道
2人の首元にある、刺青を見て
武道
タイムリープで何度も見た梵天であることに気づいた。
武道
蘭
蘭
武道
武道
項の方に襲いかかった痛み。
それから、並に流されるままに意識を暗転させた。
蘭
竜胆
竜胆
蘭
竜胆
蘭
武道
妙に気だるいのを感じて、そのまままぶたを持ち上げる。
武道
武道
ココ
武道
「知らない天井だな」と思ったら、真横から声がした。
視線を向ければ、チャイナ服に身を包んだ馴染み深い人の姿がある。
武道
ココ
ココ
そのまま部屋の外へと行ってしまった。
少しフリーズして、周りをよく見てみる。
そして、少しの思案に入って、またフリーズした。
武道
武道
確か、今は梵天にいたはず。
無力な自分は、タイムリープという力を得てしても
未来を変えることが出来なかった
何度も繰り返すと、ふとした瞬間に力が無くなっていたのだ。
武道
武道
サァッ、と血の気が引いていく感覚がする。
日本最大の犯罪組織のアジトにいることが判明した。
カチャ、と控えめに扉が開いて反射的にそちらを見る
ココ
ココ
ココ
武道
ココ
武道
渡されてすぐに、喉の乾きを覚えて口に含んで
まさかの事実に一気に飲み込んでむせてしまった
武道
武道
十二年前を思い出してくれ。
何度殴られても気を失わなかったことを思い出してくれ。
武道
しみじみと思いながら、水を飲んで、近くにあるテーブルに静かに置いた。
ココ
ココ
そこまで言って、区切られる
武道
武道
ココ
ふかふかのふとんを退かして、床に足を着く。
ひんやりとした冷たい床に思わず着けた足を浮かせてしまった。
そのまま、ゆっくりと足をつけて立ち上がる。
武道
武道
武道
ココ
武道
ココくんの手を借りて、歩きながら苦笑混じりに雑談する。
扉を開けた先は、黒一色の壁と床があり、その通路の先や横にはいくつかの扉が見えた。
ココ
ココ
ココ
武道
武道
武道
軽く微笑んで、廊下を歩いていく。
武道
ふと足を止めて、心臓辺りに手を当てて服をくしゃり、と握りこんだ。
武道
武道
武道
微苦笑が漏れて、再び歩き始める。
ココ
コンコンっ、とノックをすると、ガタガタンっ、と荒々しい音が聞こえてきた。
武道
武道
あまりに大きな音に石のように石化して、突如開いた扉に驚き1歩後退した。
マイキー
白い髪が視界を掠め、
肺を圧迫するような力が体にかかった。
武道
武道
武道
マイキー
武道
ようやく、回されていた腕から少し力が抜けた。
マイキー
マイキー
マイキー
マイキー
早口で、子供のように
駄々を捏ねて、わがままを言って
親に泣きついているように、マイキーくんは言った。
武道
武道
武道
「離れないといけなかったので」
その言葉は声に出すことなく、少しの沈黙が流れた。
マイキー
マイキー
武道
武道
ピクっ、と猫のように反応して、真っ黒な瞳がこちらを真っ直ぐに見た。
目の下の隈が酷く、それでも。
タイムリープで見た頃よりはずっとマシ。
マイキー
マイキー
武道
誤魔化すように笑うと、黒い瞳が細められて圧がかかってくる。
武道
マイキー
マイキー
武道
マイキー
マイキー
武道
どうやら、圧と言動は前と変わらないらしい。
武道
武道
アレ、とはもちろん。タイムリープのこと。
武道
武道
武道
マイキー
マイキー
ココ
いつの間にか後ろにいたココくんが「はぁ〜」っといった感じに呆れ笑いをうかべた。
マイキー
ココ
ココ
パチッ、とウインクが飛んできて、頭の中にクエスチョンマークがひとつ浮かぶ。
マイキー
ココ
マイキー
バチバチと火花が見え、変な幻覚にまたひとつクエスチョンマークが増える。
マイキー
ココ
謎の言い合いに、傾げた首が少しずつ角度を広げていく。
武道
マイキー
ココ
武道
武道
武道
ココ
ケラケラと満足したように笑って、廊下を歩いてひとつの部屋に入っていった。
パタン、という音がして、マイキーくんの腕にまた力が入った。
武道
マイキー
マイキー
だから何が。
その問いは、誰にも答えられることはなかった。
連載してるクローバー…バグのせいか続きが消えてしまっていました…
時間稼ぎにこちらを…!!
申し訳ない…!!