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荻原 蒼介

遊び疲れた~

矢野 和樹

もうこんな時間か!

柳原 悠

早いね

島崎 伊織

本当に楽しかった

島崎 伊織

お前らと青春できて……

島崎 伊織

よかったぜ

柳原 悠

なに?伊織死ぬの?

荻原 蒼介

あははっ

矢野 和樹

じゃ、そろそろ帰りますか

矢野 和樹

今日は本当に楽しかったな

荻原 蒼介

ですね!

荻原 蒼介

(先輩と蒼介の姿で2人で道を歩くことになるなんて、夢見たい)

矢野 和樹

荻原と仲良くなれてよかった

荻原 蒼介

こちらこそ!です!

矢野 和樹

荻原って最初の方は俺の名前大きい声で叫んでたよな

荻原 蒼介

そそ!!そうでしたっけ〜!

荻原 蒼介

(一刻も早く忘れてください)

荻原 蒼介

(でも、それより前に入学式で助けてくれたことは……覚えてるわけないか)

矢野 和樹

あと、入学式の時!

荻原 蒼介

!!

矢野 和樹

荻原ってば、急に通学路で倒れてきたよな~

矢野 和樹

俺急いで荻原持って病院に駆け込んだっけ

荻原 蒼介

(覚えてて、くれたんだ……)

荻原 蒼介

(やばい、めっちゃ嬉しい……)

荻原 蒼介

あの時は本当に感謝してもしきれないです!ありがとうございました!

矢野 和樹

どういたしまして!

蒼介の心臓はギュッと熱くなった。

矢野 和樹

つか!まだ「矢野」先輩っておかしいだろ~

荻原 蒼介

は、はい……?

矢野 和樹

名前で呼んでよ

矢野 和樹

ほら!和樹!

荻原 蒼介

(そんなハードル高いことできないよ。蒼の姿ならまだしも……)

矢野 和樹

じゃあ俺は蒼介!って呼ぶ!

 ニッと和樹は笑った。

荻原 蒼介

(………これ以上好きにならせないでくださいよー…)

荻原 蒼介

わかりました

荻原 蒼介

和樹…先輩

矢野 和樹

…っ!

和樹くん!

荻原 蒼介

せん、ぱい?

矢野 和樹

あ!う、うん!

矢野 和樹

(また俺、蒼のこと考えてた)

矢野 和樹

(いや違う。蒼と蒼介の姿が被ったみたいな……)

矢野 和樹

(学校にいる時も蒼だって間違えて、蒼介の腕を掴んじゃったっけ)

矢野 和樹

(どうしたんだろ、俺)

荻原 蒼介

あ、僕ここで大丈夫です

矢野 和樹

わかった~

荻原 蒼介

さようなら!今日はありがとうございました!

荻原 蒼介

今も送っていただいて……

矢野 和樹

いやいや!大丈夫だよ!それじゃおやすみ~

荻原 蒼介

はい、和樹先輩!おやすみです!

矢野 和樹

……

矢野 和樹

(今日は本当に楽しかったな)

矢野 和樹

(でも現実から目を離しても、現実は無くなるわけじゃない…)

和樹はスマホを取りだし、連絡アプリを開いた。

矢野 和樹

(俺は蒼の気持ちを知りたい)

矢野 和樹

(蒼は本当に俺のことが好きなのか…)

矢野 和樹

(なんとなく俺が一方通行だって、決めつけてるだけだし大丈夫だと思うけど…)

矢野 和樹

(そして、蒼に会いたい)

和樹は指を動かしてメッセージを蒼に送信した。

 「明日の放課後会いたい」

荻原 蒼介

えっ!

「明日の放課後会いたい」

そう和樹から送られてきていた。

荻原 蒼介

和樹先輩……

荻原 蒼介

僕もあの日のこと謝りたい…

「私も会いたいです」

荻原 蒼介

(送信…っと)

荻原 蒼介

……わっ!

その時、誰かとぶつかった。

荻原 蒼介

すみません!!

その人は尻もちをついた。

矢野 麗華

…いえ

矢野 麗華

大丈夫です

荻原 蒼介

まじごめんなさい!

荻原 蒼介

(僕!歩きスマホダメ絶対!!)

蒼介は麗華を立ち上がらせた。

矢野 麗華

ありがとうございます

荻原 蒼介

(にしても、この人美人だなぁ)

荻原 蒼介

誰かに似てる……

矢野 麗華

は、はい?

荻原 蒼介

……うーん

矢野 麗華

…?

荻原 蒼介

あ!!!!

荻原 蒼介

(思い出した!!!)

荻原 蒼介

美樹さんだ!

荻原 蒼介

(目の形とか、輪郭とか!)

矢野 麗華

……え

荻原 蒼介

あ!すみません!こっちの話です!

荻原 蒼介

(うわ!知らない人に知人に似てますよ!って言うなんてただのヤバい奴じゃん)

矢野 麗華

は、はあ……

矢野 麗華

あの…貴方の名前は?

荻原 蒼介

荻原…ですけど

矢野 麗華

……

矢野 麗華

それじゃ、失礼します

荻原 蒼介

は、はい……

荻原 蒼介

…?

麗華は背を向けてスタスタと歩き出した。

荻原 蒼介

(なんだったんだ、今の人)

ガチャ。

矢野 和樹

うおっ

矢野 和樹

なんだよ急に部屋に入ってきて

矢野 麗華

荻原さんって知ってる!?

矢野 和樹

は、はあ?

矢野 和樹

学校の後輩だけど

麗華は和樹の両肩を掴んで、顔を寄せた。

矢野 麗華

美樹の姿では?!

矢野 和樹

バイト先の後輩

矢野 麗華

はぁ〜

すると、麗華はため息をついて額に手を置いた。

矢野 和樹

なんだよ

矢野 和樹

蒼介が何?

矢野 麗華

今さっき荻原さんと会ったの

矢野 麗華

私のこと美樹さんに似てるって

矢野 和樹

…!

矢野 麗華

女装するのは良いけど、荻原さんには正直に話す……

矢野 麗華

それか、荻原さんに趣味をバレたくなかったら荻原さんと距離を取る

矢野 和樹

…わかってるよ

矢野 和樹

(分かってた…けど)

矢野 麗華

私は兄さんの趣味は否定しないけど、和樹と美樹の存在を別にするのはまた違うと思うよ

矢野 和樹

……

矢野 和樹

言わなきゃ…だけど

矢野 和樹

(怖いんだ。)

矢野 和樹

(女装が趣味なんてキモイと自分でも知ってる)

矢野 和樹

(だからこそ、蒼とか伊織に知られて軽蔑されたらって考えると……)

矢野 麗華

……

矢野 麗華

兄さんの周りの人達はそんな人じゃ__

矢野 和樹

知ってる

矢野 和樹

俺が誰よりも知ってる……

矢野 麗華

…うん

矢野 和樹

…とにかく、蒼介とは距離をとるよ

矢野 和樹

(仲良くなれたと思ったけど、もうこれ以上は無理そうだ)

矢野 麗華

……

矢野 麗華

兄さんには、正直に話すっていう選択肢がないんだね

矢野 和樹

……

矢野 和樹

(伊織は美樹のことが本当に好きそうだから、まだ言える覚悟ができない)

矢野 和樹

(でも、蒼介なら言えそう……なのに)

矢野 和樹

(蒼介に言っちゃえば、何かが終わる気がして……)

矢野 和樹

(……すごく怖い…)
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