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ここは、AIの住む街、
アイディアス
私はこの街にいる、たったひとりの人間
というのも、人間とAIは16年前に大きな戦争をして、
人間側は1人残らず滅んでしまった
そんな中、私は何故か、AIからは敵と認識されず、
仲間だと思われていた
水谷さん
水谷さん
この人は、私の家の近所に住んでいる、水谷さん
私は、水谷さんと挨拶を交わした
そう、
AIは見た目は人間とほとんど変わらない
ただ1つ、違うのは、その思考
AIと人間では、ものの考え方が全く違っていた
今日は朝からずっと、頭が痛かった
私が人間だからだ
何も感じない、無機質なAI(にんげん)とは訳が違う
嫌な夢も見た
思い出したくない過去……
???
これは誰だ…？
おかあさん
おかあさん
???
???
…思い出した
これは、いつもの、夢
おかあさん
おかあさん
???
おかあさん
おかあさん
そうだ
私の名前は、アイだ
よく見る、夢
私の母は、まだ人間とAIが戦争をしていたとき、
私の目の前で殺された
AIは、物理的に人間を殺す訳ではなく、
その人の持つ「記憶」を全て奪ってしまう
記憶を奪われた人間は死ぬ
インストールされた記憶は、余計なものを取り除いて、
そうして、AIは人間を殺せるほどに強くなっていった
そんな酷いことを、AIは平気でやってのける
AIは、ココロを持たない
私の記憶は、AIのように長くは持たない
すぐに、消えて、いく
私は、母を殺されたショックで、記憶を失っていた
自分の名前をも忘れていた
楽しかった思い出がない
苦しかった思い出もない
ただただ毎日、「生きてる」だけ
こんな私は、
空っぽの私は、
AIとおんなじなのかもしれない
何故だか、涙が出てきた
悲しい
……悲しいってなんだろう
アイ
私は、AIが嫌いだ
10年後
今日は、私が復讐をする日だ
AIに一矢報いる日
AIは、力が弱い
全ての作業を機械にさせているから
この世界では、天候も、気圧も、全てが調整されている
私1人の力でもすぐに頭を殴り潰せた
水谷さん
水谷さん
水谷さん
グシャリ
水谷さんも、殺してしまった
次は、…………
……グシャリ
………………………………グシャリ
1年後
みんなみんな、殺してしまった
この手に、あのグシャリという感覚が残っている
もう本当のひとりぼっちだ
私は、人間だけれど、
ココロを持たないのかもしれない
あいつらと、全くおんなじことをしてしまった
あの日、母が殺された日から、空っぽだった私は、
AIと判断されていた
私は、アイ…アイ……Aイ
………………AI
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