カモフラージュのあの子。
第8話
〇〇
グクの両親が…。
殺された?
嘘、そんな…。
写真撮影のときは あんなに元気だったのに…?
〇〇
…ッ!
殺された理由は?
犯人は?
グクは? どうなるの?
婚約は…?
頭の中でぐるぐる回る、 数々の疑問。
〇〇
…ッ!
ウナ
〇〇?大丈夫?
〇〇
ごめんウナ、ちょっと男子の方行ってくる。
そう言って私は、 グクのもとへ走った。
〇〇
グク!
グク
…〇〇…。
ほろほろ涙を流すグク。
グク
俺、どうすれば…。
グクの涙を見たのは、 いつぶりだろうか。
〇〇
しっかりして。
グク
さっき…、
グク
会社の副社長から電話が来て。
〇〇
…うん。
グク
とりあえず俺、家に帰らなくちゃ。
〇〇
…そっか。
〇〇
…。
〇〇
グク、大丈夫
〇〇
、なわけないよね…。
どう声をかければいいの?
グク
俺、大丈夫だから。
〇〇
…うん、気をつけて。
そのくらいしか、 言えることがなかった。
〇〇
…あ、
〇〇
お父様からまた電話だ…。
〇〇
お父様…、
〇〇父
ああ、〇〇。
〇〇
あの、私も戻ったほうがいいんですかね?
〇〇父
…いや。
〇〇父
絶対に戻ってくるな。
〇〇
何でですか…?
〇〇父
グク君にも、殺人予告が来たんだ。
…え?
グクにまで…、
〇〇
は…犯人は⁉
〇〇
いつになったら…。
〇〇父
大丈夫だ。
〇〇父
グク君には、ボディーガードを手配した。
〇〇
でもっ!
〇〇
本当にそれで大丈夫なんですか⁉
〇〇父
落ち着いて聞け。
お父様が低い声で言う。
〇〇
は、はい…涙
〇〇父
お前も、絶対に一人になるな。
〇〇父
犯人の狙いは、おそらくチョングループに恨みを持つ者だ。
〇〇父
婚約者にも危険が及ぶかもしれない。
〇〇
…分かりました。
こう言うしかなかったんだ。
でも私は後に、 強く後悔することになる。
家に帰っていれば。
私はー。
大切なものを失わずに済んだのに、と。
予告
この物語も終わりに近づいています。 ここから、 衝撃的な切なすぎるラストに 展開が加速していきます…。