君は何に見える？（完結済み）

画面では人が写ってますが 貸切です

レイは幼児のようにはしゃぎ回り

入口近くの水槽を片っ端から 見て回った

レイは水槽の中の生き物たちと 友達のように接する

手を降り、話しかけ、笑いかけた

東マン組も天竺組もレイに続き 水槽を見て回った

絵面としては "イカツイ野郎共が水槽を眺めている"

ように見えるわけでもなく、

普段特攻服着てヤンチャしているが 今は私服であり、

しかも全員顔が整っているため

なぜかイケメン集団が水族館を 楽しんでいるように見えた

今日が貸切でなければ間違いなく 人だかりが出来ていたであろう事は 容易に想像可能だ

さらには一部、 カップル（カップル未満）がいるため

誰もこの集団が 関東を代表する暴走族だとは 梅雨ほども思わないだろう

入口からずっと水槽を追って 奥へ進むと

今井はレイの顔の左半分を見た

今井は笑いながらレイの頭を わしゃわしゃと撫でた

今井は撫でる時力を入れすぎるため レイの頭がぐらぐらと揺れる

わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ

ここからレイを撫でたい人が増え 撫でられっぱなしのレイだったが

クラゲ水槽では 大きめの水槽に大量のクラゲが 煌びやかにふわふわと舞っていた

皆んなそれぞれ行きたい所 見たい所へ移動していった

そんな中

頑なにレイから離れようとしない 者が数名

レイは水槽の近くにある 壁と同化して見えずらいドアを開け

中へ入っていった

マイキーとイザナは ついて行こうとしたが

「ビックリさせたいから」と、 レイに断られてしまった

大寿は待っている間 腕時計を見てつぶやいた

ドアの前で待っていたマイキーたち

ドアばかり気にしていたため 水槽を見ていなかった

コンコンッ

水槽からノック音が聞こえる

そこには

クラゲと共に水中を漂う レイの姿

レイの言っていた 「あたしだけに許された事」 とは

ボンベや専用スーツを身につけずに 水槽に入ることだった

レイは今

ドアの向こうで着替えたであろう デカ目のTシャツと短パン姿で

クラゲと戯れている

水槽の中にいるレイと目が合う

瞬間、体が浮く

いや、浮くはずない

ないのに、それでも

ふわふわする

なんだろうこの感じ

懐かしい

どこかで同じことが起きた

いつだろう

あぁ、、そうだこれって

レイとイザナと飛んだあの時と 同じ感覚なんだ

言い表すのが難しいこの感覚

あの日

レイとイザナと死を同時に感じた時

その時からどこかで

繋がってるのかもしれない

今だって

レイと自分の区別がつきにくい

大寿の言ってた 「飛んでるところ」って

こういうことなのか？