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マガツキ・M・ミコト

お待たせしてしまい
申し訳ありません。

マガツキ・M・ミコト

準備に手間取ってしまいまして。

ヴィエリ・アスター

お初にお目にかかります。

ヴィエリ・アスター

モリア王国より遣わされた、
ヴィエリ・アスターと申します。

マガツキ・M・ミコト

外交を担っております、
マガツキ・ミコトといいます。

マガツキ・M・ミコト

どうぞ、お掛けください。

マガツキ・M・ミコト

…さっそく本題ですが、
この突然の訪問はどんな要件で?

カッツェ・キナリ

……。

カッツェ・キナリ

(通達もなく押しかけてきたからには、それなりの用があるんだろうな?と…。)

カッツェ・キナリ

…だいぶイラついてんなー。

ヴィエリ・アスター

…この付近で、少女を保護していませんか?

マガツキ・M・ミコト

…少女…?

ヴィエリ・アスター

17、8の金髪の少女です。

マガツキ・M・ミコト

(…ジェーンさんのことか。
ふむ…そうだな、ここは…。)

マガツキ・M・ミコト

まず、何故その少女を探している
のか、ご説明を。

マガツキ・M・ミコト

あなた方の目的は?

マガツキ・M・ミコト

(カモども(王国)が、わざわざ俺たちにまで協力を要請するとなれば、それなりの理由があるはず。)

ヴィエリ・アスター

…保護しているのならば、
"それは王国のもの"なので
引き渡すように、とだけ…。

ヴィエリ・アスター

私は王に遣わされただけですので、
何故なのかまでは分かりかねます。

マガツキ・M・ミコト

……。

ヴィエリ・アスター

ッ…!

ヴィエリ・アスター

(なんという凄まじい圧…!
 思わず、祝福を
 使いかけてしまった…。)

マガツキ・M・ミコト

はは、突然な要請の裏も知らず、私どもが、はいわかりました、と協力すると思ってらっしゃるようだ。

マガツキ・M・ミコト

…それは我が国を軽んじていると受け取ることになりますが。

ヴィエリ・アスター

…ごっ…ご無礼をお許しください。

ヴィエリ・アスター

…しかし、王にとっては
重大な事態らしいのです。
どうか、ご理解を…。

マガツキ・M・ミコト

だが私どもには、その重大な事態とやらの詳細は知らされない。

マガツキ・M・ミコト

…やはり、我が国を新興勢力だからと侮っていらっしゃるのでは?

ヴィエリ・アスター

っ…!

カッツェ・キナリ

お話中のところ、失礼しまーす。

ヴィエリ・アスター

!?

マガツキ・M・ミコト

…キナリさん。

マガツキに近寄り、 使者には聞こえぬよう耳打ちする。

カッツェ・キナリ

この人は何も知らないです。これ以上聞いても無駄ですよ。

マガツキ・M・ミコト

…調べたんですか?

カッツェ・キナリ

はい。

マガツキ・M・ミコト

…わかりました。

マガツキはまだ少し納得のいかない様子で、頷いた。 しばらく考え、口を開く。

マガツキ・M・ミコト

…では、王にこうお伝えください。

マガツキ・M・ミコト

積極的に捜索を手伝うつもりはない。

マガツキ・M・ミコト

見つけたとしても、引き渡すか否かはこちらの裁量とする、と。

ヴィエリ・アスター

…承知いたしました。
間違いなく、王にお伝え致します。

カッツェ・キナリ

じゃ、お送りしますよ。

カッツェ・キナリ

ただいま戻りました〜。

カッツェ・キナリ

…マガツキさん?

マガツキ・M・ミコト

…あ、すみません。

マガツキ・M・ミコト

王国がどういう目的なのか考えていて…。

カッツェ・キナリ

王国の捜し人は恐らくジェーンさん…
王国の真意も判らず…と。

カッツェ・キナリ

さて、どうしたものでしょうか。

マガツキ・M・ミコト

…本人には報せないでおきましょう。

カッツェ・キナリ

それは…なんでですか?

マガツキ・M・ミコト

彼女の記憶喪失っていうのが嘘で、
王国のスパイとした場合。

マガツキ・M・ミコト

王国の状況を伝えたくないので。

マガツキ・M・ミコト

とはいえ、スパイであればこちらから
伝えずとも、向こうと何かしらの形で
連絡を行っているでしょうけど。

カッツェ・キナリ

…でなかったら?

マガツキ・M・ミコト

報せる方が好ましいでしょうね。

マガツキ・M・ミコト

記憶喪失が本当だとするなら…

マガツキ・M・ミコト

それがきっかけで、何か思い出せるかもしれないですし。

マガツキ・M・ミコト

…オミズさんの診断結果ということを加味すれば、真実なんでしょうが。

カッツェ・キナリ

…記憶喪失を信じるのに、
報せないんですか?

マガツキ・M・ミコト

リスクの問題ですね。

マガツキ・M・ミコト

報せずにジェーンさんの記憶が
戻らないより、

マガツキ・M・ミコト

報せてスパイが動きやすくなる方が
圧倒的に不都合なので。

マガツキ・M・ミコト

なんらかの祝福でオミズさんの目を掻い潜ってる可能性もなくはないですし。

カッツェ・キナリ

…わかりました。

カッツェ・キナリ

それでは、ジェーンさんには伝えないという方針で。

マガツキ・M・ミコト

…という内容でした。

ハワード・オミズ

それはまた…。

リーラ・レモン

だからジェーンさんは抜きで、って召集だったんですね。

マガツキ・M・ミコト

ええ、私の独断ですが。

マガツキ・M・ミコト

話すことはいつでもできますし、
まずは話さない、という形で
様子を見れば良いかと。

プリーメル・シム

モリアもうちじゃなく、帝国のところへ行けばいいのに。

プリーメル・シム

国の規模ではうちよりよっぽど大きいんですし、人手だって帝国の方が多いんじゃ?

ハワード・オミズ

今やうちの国も、帝国や王国に負けない勢力をもってるからな。

ハワード・オミズ

それにうちと王国もそれなりに険悪だけど、帝国と王国は国の方針も正反対でクソ仲悪いからね。

カッツェ・キナリ

あの王ですから、帝国に頼むのが癪だったんでしょうね。それで、いくらかマシなルストに…。

カレイト・コヨミ

にしても、王国か…。
彼らが絡んでくるとなると…。

プリーメル・シム

…やっぱり強い祝福を持っているとか、
そういうことなのかな?

プリーメル・シム

検査で何か分からなかったの?
オミズ。

ハワード・オミズ

…自分の祝福も覚えてないみたいだったから、確かめようもなかったね。

ハワード・オミズ

そもそも能力者かどうかすら、
わからないけど。

リーラ・レモン

ともかく、相手が王国となれば、
動き方も少し考えた方が
良さそうですね。

リーラ・レモン

下手をすると戦争になりかねない。

マガツキ・M・ミコト

やはり、カモどもの腹のうちを
探りたいところですね。

ハワード・オミズ

(絶対、「王国=カモ」の姿勢を
 崩さないんだよなぁ…。)

マガツキ・M・ミコト

…となれば、
まずは情報収集でしょうか。

カッツェ・キナリ

久しぶりのお仕事ですか?

マガツキ・M・ミコト

そうなりますね。

リーラ・レモン

でも…そう簡単に潜り込めますかね?

カッツェ・キナリ

ま、王国なら祝福を使った警備でしょうから、少しばかり面倒ではありますが。

カッツェ・キナリ

となれば、明日辺りには出発しますね。

カレイト・コヨミ

もう行くつもりなの?
まだ様子を見たほうがいいんじゃ…。

カッツェ・キナリ

むしろ、王国が「少女探し」で外に目を向けてる、今がチャンスですよ。

カッツェ・キナリ

警戒してるはずのルストにまで協力を呼びかけてる、ということは…。

ハワード・オミズ

圧倒的な人手不足ってこと、ね。

マガツキ・M・ミコト

これほど潜入に適した
タイミングはない…か。

マガツキ・M・ミコト

では、とりあえず王国への
対応については以上で。

マガツキ・M・ミコト

シムさんの報告は?

プリーメル・シム

うーん…報告ってほどのことでもないんだけど…。

プリーメル・シム

ジェーンさんが初めに着ていた服について、少し調べたんだよね。

プリーメル・シム

布自体は上等な割に、あまりにも簡素な作りだったから、気になっちゃって。

リーラ・レモン

それで、何かおかしな点があったと。

プリーメル・シム

そう。

プリーメル・シム

実は服自体に、祝福の行使を阻害するような効果が付与されてたんだよ。

カレイト・コヨミ

…ということはやっぱり、制限しないといけないほど強い祝福ってこと?

ハワード・オミズ

自己によるセーブなのか、それとも他者から課されたものなのか。

ハワード・オミズ

それによっても、だいぶ意味は変わってくるね。

マガツキ・M・ミコト

(…結局、情報は増えたもののジェーンさんについては何もわからないまま…か。)

マガツキ・M・ミコト

…引き続き動向に警戒しつつ、
うちで保護しましょう。

カレイト・コヨミ

わかりました。

ハワード・オミズ

俺も、何かわかることがないか
注意して診察してみるよ。

ハワード・オミズ

(…いったいジェーンさんは、何を隠しているんだか。)

To be continued—

ジェーン・ドウの偽言

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