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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

暗い暗い夜

近くに人影がライトに反射して見えた

荼毘

…誰だ

その人影が光りに変わると、

緑谷出久

…すみません、

雰囲気の悪い高校生ぐらいの奴に、話しかけられた

泣いていたと分かるほど、目元は赤く、腫れていた

そいつは、どろどろに汚れた雄英の制服を着ながら

俺にこう言った

緑谷出久

僕…あなたのようになりたいんです

緑谷出久

ついていかせてください、お願いします

そして、深々と頭を下げ続けていた

季節は夏、

山奥の殺風景な公園で

ただ、戯れていた

緑谷出久

あ ~、あっつい…

太陽を遮るものはなにもなく

強い日差しが目に直撃する

少女

きゃ‼︎

目の前で、1人の少女が転んだ

前まで簡単に差し伸べられた手が、重りのように感じる

緑谷出久

っ…

ただただ泣き続ける少女

緑谷出久

…、大丈夫……?

しかし、その声は

少女の耳には届かなかった。

人通りの少ない所で座り込む

荼毘

お前、雄英の奴だろ?

荼毘

なんでここに来ちまったんだ

緑谷出久

……どうして、でしょうね

突然聞かれた質問に動く手が止まる

緑谷出久

僕にも、っ…よく分からないんです…

かすれた声だが、頑張って出した方だった

荼毘

…訳ありヒーロー科か

緑谷出久

僕は…ヒーローには向いてないので

初夏の夜

蒸し暑いはずなのに何故か体が冷え、震えていた

ヒーロー科一年、ヴィランになったらしい

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