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Prolog

7年前。僕、本田瞬は交通事故で17歳の夏に亡くなった。

長いこと眠っていたが、ふと再び目覚めると、

元彼女の息子になっていた…。

1.僕とママ

ママ(朱里)

瞬、お目覚めかなー?

ママ(朱里)

おはよう、瞬

ママになった元彼女は、ベビーベットにいる僕を持ち上げて抱きしめる。

何とも複雑な気持ちだ。

こんなに記憶が鮮明に残ってるなんて、有り得ない。

突然思い出した記憶が怖い。

ぶぁ、ぶぁ

ママ(朱里)

なーに?どうしたの?

朱里と呼んでみたけど、まだ1歳になってない僕の言葉は伝わることも無い。

ママ(朱里)

あ、そろそろおやつの時間だね

朱里は立ち上がって台所に向かって歩く。

違う!おやつが欲しいわけじゃないんだー!

どんなに心で叫んでも届かない。

ママ(朱里)

🎶~

朱里は鼻歌を歌いながら、おやつを準備している。

楽しそうだ。

朱里が楽しそうなら、とりあえず文句はないかな。

ママ(朱里)

瞬、はい。ママお手製のポーロだよー♥

もぐもぐ…

そういえば、朱里は料理好きだったな。

いつもクッキング部から美味しそうな匂いしてたし。

ママ(朱里)

美味しい?

こくり。

僕は頭は上下に振る。

ママ(朱里)

凄い!ママの言葉わかるのね!

ママ(朱里)

瞬は、本当に瞬に似てる…

…っ

僕は朱里を見る。

少し切なそうに、泣きそうな顔で笑ってる。

僕は朱里の頬に手をあてる。

ママ(朱里)

え?どうしたの瞬

なーぶぁ

泣かないで。

僕は朱里の涙を拭う。

ママ(朱里)

ありがとう。瞬

朱里が僕を抱きしめる。

とても懐かしい匂いだ。

ママ(朱里)

えへへ。もう大丈夫だよ!

ママ(朱里)

あ、そろそろ夕方になるからパパの大好物作らなきゃ

ママ(朱里)

一緒に買い物に行こう

こくり

僕は頭を上下に振る。

そういえば、父親って誰だ?

2.僕のパパ

僕は朱里と一緒に駅前のスーパーに入って買い物を始める。

ママ(朱里)

瞬はこっちとこっちどっちのアイスがいい?

朱里は僕にミニソフトクリームとチョコレードバーの箱アイスを左右に持って尋ねてきた。

しょっち

僕はミニソフトクリームの箱アイスを指さす。

ママ(朱里)

うふふ。了解ー

パパ(徹也)

やっぱりアイスコーナーに居たか

僕と朱里の前に知った顔が立っていた。

(え…)

ママ(朱里)

パパ、おかえりー

(えー!?)

(パパって…あの)

パパ(徹也)

ただいま。朱里、瞬
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