Prolog
7年前。僕、本田瞬は交通事故で17歳の夏に亡くなった。
長いこと眠っていたが、ふと再び目覚めると、
元彼女の息子になっていた…。
1.僕とママ
ママ(朱里)
ママ(朱里)
ママになった元彼女は、ベビーベットにいる僕を持ち上げて抱きしめる。
何とも複雑な気持ちだ。
こんなに記憶が鮮明に残ってるなんて、有り得ない。
突然思い出した記憶が怖い。
僕
ママ(朱里)
朱里と呼んでみたけど、まだ1歳になってない僕の言葉は伝わることも無い。
ママ(朱里)
朱里は立ち上がって台所に向かって歩く。
違う!おやつが欲しいわけじゃないんだー!
どんなに心で叫んでも届かない。
ママ(朱里)
朱里は鼻歌を歌いながら、おやつを準備している。
楽しそうだ。
朱里が楽しそうなら、とりあえず文句はないかな。
ママ(朱里)
僕
そういえば、朱里は料理好きだったな。
いつもクッキング部から美味しそうな匂いしてたし。
ママ(朱里)
僕
僕は頭は上下に振る。
ママ(朱里)
ママ(朱里)
僕
僕は朱里を見る。
少し切なそうに、泣きそうな顔で笑ってる。
僕は朱里の頬に手をあてる。
ママ(朱里)
僕
泣かないで。
僕は朱里の涙を拭う。
ママ(朱里)
朱里が僕を抱きしめる。
とても懐かしい匂いだ。
ママ(朱里)
ママ(朱里)
ママ(朱里)
僕
僕は頭を上下に振る。
そういえば、父親って誰だ?
2.僕のパパ
僕は朱里と一緒に駅前のスーパーに入って買い物を始める。
ママ(朱里)
朱里は僕にミニソフトクリームとチョコレードバーの箱アイスを左右に持って尋ねてきた。
僕
僕はミニソフトクリームの箱アイスを指さす。
ママ(朱里)
パパ(徹也)
僕と朱里の前に知った顔が立っていた。
僕
ママ(朱里)
僕
僕
パパ(徹也)