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夜19:00
私は、ベットに入ることにした。
だってこうしなきゃ、寝れないから。
私は彼と別れてから、ちゃんと寝れたことがない。
もちろん、早く寝たからって寝れるとは限らないし。
ただ、寝れない時間が
彼 の事を忘れるのにはちょうどよかった。
それだけ。
寝れなかったら羊を数える
なぜか、夜は明けないままだった。
いくら目を瞑ろうと
頭に浮かび上がるのは【彼】だった
彼が
私を呼んでる。
布団を被って、
枕元に置いてあったイヤホンを耳にさして、
大音量で音楽を流す。
前は、好きだった。
聞き覚えのあるリズムとサウンド
だけど何か、足りなくて。
私が満たされるには、足りなくて。
もっと音楽の音量をあげる。
MAXにしても、響かない。
昔は好きだったのに。
大好きだった歌の歌詞も、
メロディーも変わってない
変わったのは
わたし。
音楽が止まる。
……何も聞きたくなかったから
電源を切って、床に放り投げる。
もう、寝ることは諦めて
彼との思い出に浸ろうか。
そんなことを思い描いていた。
気がついたら夜は明けていた。
まさか、寝ていた?
彼のことを思い出して、
寝るのを諦めたら、
寝れたなんて
シーツが湿っていた。
どうしてなのかは考えなくても分かった。
鏡を見た。
目が、腫れていた。
泣いてたんだ。
それほどまでに、彼が大事。
それは、痛い程分かっていた____
思わずこぼれたその言葉は、
彼に伝えればよかったと。
後悔 した。
彼を探しに行こう。
どこへ行っても追いかける。
わたしの 好き は
ほんと
だったみたい。
そんな何気ない文章
思わず微笑みがこぼれる。
彼が、好きだ。
ずっと、返事が来るのを待つ。
そんなの、ずっとぼうっとしてた
わたしには簡単なこと。
景色を眺めて、
周りを見渡して、
時々スマホに目を落とす。
そうしていたら、いつの間にか夜だった。
彼と別れてから、1度もちゃんと寝れてない。
あの日 から私の夜は
明けていない。
ようやく、夜が明ける気がした。
まあ、何となく分かってたけど
帰ろうと、来た道を戻る。
なにか音がして、
スマホのランプが点滅する。
彼 からのメールだった
メールの内容も、彼らしかった。
「明日、いつものとこ」
私が送ったメールに合っていない返信。
彼らしくて、嬉しかった。
ふとスマホに目を落とす。
メールの画面に表示されているのは、
相談窓口の番号だ。
消去する
苦しかった、
辛かった、
泣きたかった日々を、
消去した。
彼と別れてから、ずっとつけていたネックレスも、
ゴミ箱に捨てて
明日が来れば、やっと
わたしの夜は明ける。
世界の夜は勝手に明けている。
でも、わたしの夜は
明けないままだった。
夜が明けた感覚が、無いから
でも
やっと眠れたら
変われる。
夜は、明ける。
もう二度と、世界に置いていかれないで済む。
彼に、再会すれば
夜が、明けた。