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若井は自室に転がるように倒れ込む 荒れた息を整えながら 心底サッカー部で走り込みを しておいて良かったと思った
若井
若井
若井は天井を見つめながら 息を整える だが今、外を確認する勇気は無い
カーテンを開けたら 大森がこちらを見ている そんな想像しかできない
若井はさっき起こったことを 思い返した とにかく、頭の中を整理したい
大森は床を拭いてる訳ではなかった 布だと思っていたものは 布ではなかった
車のライトで一瞬、見えた 布の正体は動物だった 犬だ、それも小型ではなく大型だ
ほとんど原型を留めていなかった だから、分からなかったのだ
時おり聞こえた鳴き声のような音は 大森が使っていた 金属製の道具が鳴る音だった
若井
あの時 それを理解して大森の顔を見たら 大森はこちらを見ていた気がする
目の錯覚かも知らないが それを確認する前に逃げてしまった
そもそも、大森は 既に死んだ動物を触っていたのか 生きていた動物の命を奪ってから 触っているのか
その2つの間には 大きな溝がある 後者なら若井は今すぐ転校した方が いいほどのレベルだ
あれに大森は笑ったり 話しかけたりしていたのかと思うと 大森が突然、得体の知れない 化け物になった気がした
若井
若井は頭を抱えた
ーーーーーーーーーー
ーーーーー
ー2日後ー
月曜日の朝 無情にもスマホのアラームが鳴る 若井は結局一睡も出来ず アラームを止めた
若井はあの日から ろくに睡眠を取れていなかった 少しでも眠ると夢を見た
大森が笑いながら追いかけてきたり 自分のかけている毛布が あの犬の姿になったり そんな最悪な夢ばかり見た
あの時の大森の機械的な 笑い声が頭から離れない
どんな気持ちになれば あんな笑い声が出るのだろうか
若井はそろそろ疲れて来ていた 色んな事を考えすぎた 大森も正体も本質もよく分からない 若井は何故か怒りすら感じていた
若井
若井
若井
若井
若井は無理やり落とし所を作った むしろ、本当に夢なのではないか とすら思い始めてきた
若井
若井
若井は制服に着替えながら 何度も自分に言い聞かせた
若井
若井は結局いつもより 15分遅めに家を出た できるだけ大森と 話す時間を減らしたい
もちろん大森に 一切、関わらない方法もあるが 毎日仲良くしておいて 突然、無視をするのは不自然すぎる
どちらにしろ この1週間は自然に見えるように 努力しなければいけないだろう
若井
この先を想像すると気が重くなる 本当に夢だって事に なってくれないだろうか
大森
大森
若井はその体制のまま固まった
大森
若井
一瞬の沈黙のあと 若井がゆっくりと振り返る
大森が壁に寄りかかりながら 体育座りのように座っている
大森
大森
まるで青春映画のように いたずらっぽく笑って こちらに手を振る
若井
言葉が見つからない もう不自然な行動を してしまったかもしれない
ただこれ以上、黙れば ますます怪しくなる 若井はどうにか笑顔を作った
若井
若井
若井
大森はひょいと立ち上がると にこにこしながら 若井の方に歩いてくる
そして、顔に息がかかりそうな程 若井に近づく 唇が同士が触れそうで動けない
大森がすっと目線を外すして囁く
大森
若井が息を飲むと 大森は瞳だけ動かして若井を見る 若井は行動の全てが 審査されているようで身が強ばる
若井
若井
若井
大森
大森
若井
若井は大森が何を言っているか ほぼ理解せずに返事をした 驚くほど頭が緊張している
大森
大森が巻いている白いふわふわ としたマフラーを取って 背伸びをしながら 若井の首にふわりと巻く
若井
若井
そう言いながら若井は 首元のマフラーに触れる するとポロッと 白いもふもふの1部が落ちる
若井
若井はなんだろうと思って マフラーに目をやると それは尻尾だった
さらにそのマフラーから 黒い髭が何本か生えている
若井はあの日の映像が フラッシュバックする
大森が触っていたのは このマフラーのような ふわふわとした犬だった
若井
若井はとっさにそのマフラーを 地面に投げ捨てる そして断続的に叫んだ
若井
大森は黙って そのマフラーを拾い上げる
大森
若井はただ大森を見つめる 大森はマフラーから生えている 髭のような物を1本とる すると、ただの黒い髪の毛だった
若井
若井
若井
大森
大森
大森
若井
若井はやっと自分が 嵌められたことに気がついた
大森
大森
大森はもう一度マフラーを 若井の首に巻く 1周させた後 さらにマフラーをキツく締める
若井
若井
若井の喉から潰れた カエルのような声が出る
大森
大森
大森は若井の瞳を見つめる お得意の上目遣いだ まるで困っている子犬のような 雰囲気が漂う
そして子供をあやすように 甘ったるい声で続けて話す
大森
大森
若井
若井の体内の息が 足りなくなってくる 大森の腕を掴む、意外と細い
ふっと大森と 自分との身長差、筋力差を考えた
若井
若井
若井はぐっと力を込める 大森の身体を引っ張ると 勢いをつけて壁に叩きつけた
大森
大森が壁に叩きつけられる しかしマフラーは離してくれない
大森
大森が大きく口を開いて笑う
大森
若井は動いた分 さらに酸欠が悪化する 目がチカチカとしてきた
大森
大森
大森
大森が若井の顔を覗き込む 若井はどうにか 大森の方を見つめる
大森
大森
大森
大森の声が頭の上から鳴る もう息が限界だ 若井は必死に頷いた
大森
大森
大森はやっと首のマフラーを解く 若井は突然、肺に入ってきた 空気に咳き込んだ 苦しさで涙が滲む
大森
大森が膝を折って 地面に手をついて息をする 若井の背中を擦る
大森
若井
若井は意味が分からず 顔を上げると 大森がスマホを見せた 画面には見慣れた人が写っている
若井
サッカー部の不動のエースで 1年生の頃からレギュラー入りを 何度も経験している まさに、サッカー部の顔だ
大森
大森
若井
若井
大森
大森
大森
若井
大森
大森
若井は気がついたら 大森に歩みよっていた ぐっと大森の襟首を掴みあげる
大森
大森
大森が若井を睨む 若井も負けじと大森を睨む
大森
若井
大森
大森
大森
若井
若井
大森
大森
若井
若井
大森
大森
若井
若井は握っている拳を震わせる 大森はただその様子を見つめた
大森
大森
大森
大森
大森
若井
若井はぐっと掴んでいた 大森のシャツをぱっと離す
大森
大森はシャツの皺や カーディガンの形を撫でて整える
大森
大森
大森
若井
大森
大森
若井
大森
大森
大森
若井
若井
若井はぶっきらぼうに呟く
大森
若井
大森
大森
大森は残念そうな顔で 若井を見る 若井は目を逸らす
大森
そんな若井の様子をみて 大森は腕を引っ張る
若井
若井
大森
大森は振り返って笑う
大森
若井の心が少しだけ ちりっと痛んだ
大森に手を引かれて歩く しばらくすると 川沿いの遊歩道にたどり着く
川沿いの土手には 草が生い茂っていて まるで青春ドラマのようだ
大森
大森
若井
若井
大森
大森がどんどん歩いていく 若井は黙ってついて行く 人目の届きずらい橋の下に入ると 草むらに寝っ転がった
大森
大森
若井
若井はその様子を ただ突っ立って見つめた
大森
大森
大森
大森は上半身を起こして 若井を見つめる
若井
若井も仕方なく草むらに座る
若井
若井
若井
大森
大森
大森
若井
若井は答えない 座りながら流れる川を見つめた
大森が近づいてくるが 気にしない振りをした
大森
大森が若井の膝の上にのる
若井
大森
若井
若井はつい動揺してしまう 大森は若井の肩を押して 上向きに寝かせる
若井は押されるまま どさっと寝っ転がる 大森が上から見下ろした
大森
大森
大森の突然の告白に 若井の頭がくらっとした
若井
若井は脳裏にあの日のことを 思い浮かべる 大森は確実に異常者だ 心を許してはいけない
大森
大森の潤んだ瞳が若井を見る 若井は反応しないように どうにか心を殺した
大森が若井の手を掴むと そっと恋人繋ぎをする
若井
大森
若井の心の波が荒れる
若井
そう思うのに 握られている手すら 振り払うことができない
大森
大森
大森、独特の甘い声が頭に響く
大森
大森
若井
大森
大森が若井の人差し指を 口の中に入れる 若井は息を飲んだ
大森の暖かい舌が人差し指を舐める 若井は背筋に ぞわりとした快感が流れる
若井
若井は太ももを擦り合わせた 反応しないと決めたのに 若井の心は引っ張られるように 浮かび上がった
大森が若井を見つめる そして、人差し指を軽く噛んだ
それで完全にスイッチが 入ってしまう 下半身の棒が膨らみ始める
大森
大森が名前を呼ぶ 柔らかい舌がうねりと動いて 人差し指を刺激する
大森
大森の指先が 若井の膨らんでしまった下を ズボンの上から撫でる
若井
大森
若井は息を少し荒くして 大森を見つめた
大森は音を立てて 人差し指を口から出す 指から唾液が垂れる
大森
そして若井の 下半身に顔を近づけると ズボン越しに膨らんだそれに キスをした
その体勢のまま 若井を上目遣いで見つめる
大森
大森