月曜日 放課後
茜
は?何だって?
遊
だーかーらー‼︎
遊
遊
全部の情報を張本人達に伝えたんだって‼︎
茜
何勝手なことしてんだよッ‼︎
茜
そんなことしたら、更に猫屋敷の被害が拡大するだろッ‼︎
遊
だって、いつまで情報収集とか武器とか言ってるのさ‼︎
遊
そんなこと言ってる間に精神状態が疲弊しちゃうよ‼︎
茜
それは...ッ‼︎
茜
(確かに...カメラはともかく、いじめ問題は早期解決をしなければ被害者の安全は確保できない...)
茜
でも、まだ情報の確証がないまま伝えるのは
遊
じゃあ、いつ解決するの?
茜
そ、それは...
遊
今でしょ‼︎
茜
....
遊
まあ、でも大丈夫だよ‼︎色々“対策”はしてあるからさ‼︎
茜
対策...?
遊
明日には分かるよ‼︎それじゃあね‼︎
茜
あ、おい‼︎
同時刻 空き教室
涙
一体どういうことだ?
私は小型通信機に向けて 問いかけた。
刹那
《私にも分かりかねます》
刹那
《何故、風祭 遊がそんな“奇行”に走ったのか...》
涙
というか、貴様...風祭の存在を知っているのか?
刹那
《知っているも何も、あなたの周辺関係図は全て把握しております》
刹那
《しかし、何の意図があって加害者達に収集済みの情報を流したのか...》
涙
猫屋敷が危ない...‼︎
刹那
《それは...“どっちの意味”ですか?》
刹那
《“善意”ですか?それとも“目的の為”ですか?》
涙
...何だっていいだろう
私は小型通信機の言葉を 無視するように保健室へ と向かった。
同時刻 教室
茜
クソ...遊、逃げ足だけは早いな...
茜
(でも全情報が伝わったとなると、まず優先すべきは猫屋敷の避難だな...)
茜
猫屋敷は...保健室か?
茜
...取り敢えず、行くか
私は猫屋敷を助けに 保健室へと急いだ。
保健室
茜
猫屋敷‼︎お前大丈...は?
私は勢いよく保健室のドアを 開けると、そこには 六道先生がいた。
涙
...蛇ヶ崎か、どうした?今は部活の時間じゃないのか?
茜
いや、それが...
私は遊から聞いたことを 話そうと保健室を見渡した。
茜
あれ?猫屋敷は...?
涙
猫屋敷はここにはいないぞ
茜
何で...ていうか、六道先生はどうしてここに?
涙
貴様の焦っている様子を見る限り、恐らく同じ目的だろうな...
茜
それって...加害者への情報公開と猫屋敷の避難ですか?
涙
そうだ。それで私も保健室に来たらもぬけの殻だったという訳だ
茜
何で遊はそんなことを...
涙
問い詰めるのは後だ、今は猫屋敷を探すぞ
私と先生は手分けして 校舎内の捜索を始めた。
廃墟
遊
あ、ここにいたんですね‼︎探しましたよ‼︎
遊
遊
“メイド”さん
刹那
...何故私のことを?そして何故ここが分かったのですか?
遊
あなたのことは前に校舎内で見かけたんですよ
刹那
そこから、どうしてメイドという発想に?私はスーツ姿なのに...
遊
つい最近、メイドさんと六道先生が保健室前で話をしてたじゃないですか
遊
実はあの日、忘れ物を取りに学校戻ってきた帰りに偶然会話聞いちゃったんですよ
刹那
私としたことが全く気が付きませんでした
遊
六道先生に指示を出すってことは、校舎内全体を監視できる場所じゃないといけない
遊
でも学校内にはそんな場所どこにもない。だから学校近くにあるこの廃墟に目を付けたんですよ
刹那
あなた...そんなに鋭い人でしたか?
遊
もっと褒めてください‼︎
刹那
...それで?ここに来た目的は?
遊
少し手伝ってほしいことがありまして...
刹那
手伝い?何のですか?
遊
それは...
刹那
...別に構いませんが、それをすることによってあなたにどんなメリットが?
遊
メリット?それは簡単な話です
遊
時間の有効活用ですよ
遊
前に茜に言われたんです。“時間は有限だ”って
遊
だからお願いしますね‼︎
刹那
まあ、“彼女”の話よりかはまだマシか...
刹那
かしこまりました、引き受けましょう
遊
ありがとうございます‼︎えーっと...
刹那
血洗島 刹那です、刹那とお呼びください
遊
ありがとう刹那さん‼︎じゃあ、また‼︎
すると彼女は外へ 消えていった。
刹那
六道 涙や血洗島 桃音...彼女らも相当狂人ですが、まさか風祭 遊まで...
刹那
この“悪魔”達め...