俺だけ。

桃赤 黄赤

俺だけ。

俺は空き教室に入るなり、

赤の細い手首を両手で掴み

壁に押し付けた

赤が俺を睨みつける

その瞬間、赤の大きな目から

ポロポロと涙が零れる

ぁ....俺、なんで....泣かせるつもりじゃ

赤の涙が、頬を伝って流れていく

それすら綺麗だと思ってしまう俺は最低だ

赤の口からは、予想外の事ばっかり

赤が....俺を....好き?

夢じゃない？

赤は、俺が無意味で一緒にいると思ってたの？

....どんだけ鈍感なんだよコイツ

俺は、こんなに好きなのに

....なんで伝わらない？

俺は赤を強く抱きしめると

唇を重ねた

赤は突然の事に大きな目を見開いたが

俺がキスをどんどん深くしていくので

体の力が抜けていく

華奢な赤を支えながら

更に舌を甘く、優しく絡めて

好きだよって伝える

しばらくキスしているともう赤の顔が真っ赤で死にそうだったので

最後にジュッと赤の小さな舌を吸って離してやる

また赤の目から涙が取り留めなく溢れる

こんな事なら、もっと早く俺のものにしとけば良かった

俺が赤に告白して、長年必死で築いてきた関係が

壊れてしまうのなら

せめて誰の元にも行かせないように

幼なじみとして、赤を守っていけばいいと

そう思っていたのに

服の袖で赤の涙を拭ってやる

意地悪く俺が笑うと、赤はまたゆでダコのように真っ赤になる

可愛いなクソ

そのまままたイチャイチャしたのは秘密

放課後の教室で僕は赤に振られた

夕日が、凄く綺麗で泣いてしまいそうになる

あぁ、君はそんなんだから

僕は....

''これから''

君の目にこれから先、僕が映ることを期待さえさせてくれないの？

赤は一瞬間をおいて、照れくさそうに手を開いた

僕は思いっきり赤の小さな体に抱きつく

赤も僕の背中にギュッと手を回してくれる

あと、もう少しだけ....

そんなことを考えていると、ガラガラっと教室のドアが開く

つかつか僕達の方に歩いて来て赤を剥ぎ取り、僕に睨みをきかせる彼

赤の頬を両手でつまみ、問い詰める桃くん

ため息をついて赤の為に弁解する

悲鳴をあげる赤を見送り、僕はふぅと赤の席に座った

そして、赤との思い出を思い返す

あれは、今日みたいな夕焼けだったね

何となく夕焼けが綺麗で、見惚れていた所に

走って赤が教室にはいってきた

目を輝かせる赤に、僕は微笑ましく思った

見てたんだ....

えへへ、と笑う彼が

とても、愛おしく思えた

今思えば、もうこの瞬間

惚れていたんだと思う

あの頃に戻りたいだなんて

出来れば桃くんより早く、赤と出会いたかったな

僕は夕焼けの教室で、静かに涙を流した

え、黄くんなんかめっちゃ悲しい感じになっちゃったんだけどw 桃赤無理やりくっつけた感がやばいw 多分このシリーズこれで終わりです 最後まで読んでくれてありがとうございましたm(_ _)m