コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 年齢操作注意⚠️ 兄弟パロ注意⚠️ 関東組虐められ注意⚠️
主
主
主
第5話 小さな灯り
夜の街を抜ける風はまだ冷たかったが、いるまの家の窓からはオレンジ色の灯りが漏れていた。
ちゃぶ台の上には、手作りのシチューと焼きたてのパンが並んでいる。
三人分にしては少し多めに作ってあるのは、こさめの癖だった。
こさめ
エプロンを外しながら、こさめが声をかける。
みこと
みことがスプーンを手に取り、いるまもそれに続く。
すぐに部屋の中は温かい匂いで満ち、ほんの少しだけ寂しさが和らぐ。
両親を亡くしてから数年。
三人で暮らすことは、いつの間にか「当たり前」になっていた。
それでも、ふとした瞬間に胸の奥に穴が開く。
食卓を囲むたび、もうひとつ、ふたつ、椅子が足りないような気がしてしまうのだ。
食事がひと段落した頃、みことがスプーンを置いて言った。
みこと
いるまは小さく頷く。
夕暮れの廊下で、袖口を押さえて歩くらんの姿が脳裏に浮かぶ。
らんは気づかれまいと笑っていたが、その顔色は青白く、歩みはどこかふらついていた。
いるま
いるまの声は低く重い。
こさめが唇を噛みしめた。
こさめ
こさめ
沈黙が落ちる。
ちゃぶ台の上で、三人の視線が交わった。
こさめ
最初に言葉をこぼしたのは、こさめだった。
みこと
みことが目を瞬かせる。
こさめ
こさめ
こさめ
唐突な提案に、しばし沈黙が続いた。
けれど、反対の声は出なかった。
いるまが眉をひそめて言う。
いるま
こさめ
こさめ
こさめの声は揺らがなかった。
みことはスプーンをいじりながら、俯いた。
みこと
みこと
その不安は、三人とも同じように抱いていた。
それでも、今のまま何もしないことの方が、ずっと怖かった。
いるま
いるまがぽつりと吐き出す。
いるま
いるま
強く握られた拳がちゃぶ台に置かれる。
みことはそれを見て、やがて小さく笑った。
みこと
こさめ
こさめが頷き、湯気の立つシチューをかき混ぜた。
こさめ
その夜、三人は寝る前に布団の上で小さな会議を続けた。
こさめ
みこと
いるま
くだらないやりとりの合間にも、心の奥底にある緊張は解けなかった。
けれど、その不安をかき消すように、誰もが少しだけ笑った。
暗闇の中で、いるまがぽつりと呟く。
いるま
いるま
その言葉に、こさめとみことは黙って頷いた。
翌朝。
校門で出会ったらんは、いつも通り笑顔を浮かべていた。
袖口の白い布がちらりと覗いても、何事もないかのように笑ってみせる。
らん
その声に、いるまは胸の奥が痛んだ。
それでも、笑顔を返す。
いるま
いるま
突然の誘いに、らんは一瞬驚いたように目を見開いた。
けれどすぐに、いつもの笑みを作る。
らん
その言葉は曖昧だった。
だが、心の奥に小さな灯りがともったことを、いるまは確かに感じ取っていた。
放課後、いるまの家に戻った三人はちゃぶ台を囲み、また作戦会議を始める。
みこと
いるま
こさめ
こさめ
言葉を交わすたびに、部屋の中に少しずつ温かさが広がっていく。
未来はまだ不確かで、不安だらけだ。
それでも三人は確かに知っていた。
──小さな一歩が、誰かの救いになるかもしれないことを。
そう信じていた。
第5話・了
主
主
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡60
主
主