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主
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第6話 初めての夜
ちゃぶ台の上にはカレーライスとサラダ、こさめの焼いたクッキーまで並んでいた。
いるまの家に入った瞬間、らんは小さく瞬きをする。
らん
ぽつりと漏らした声は、普段より少し掠れていた。
こさめ
エプロン姿のこさめが肩をすくめる。
こさめ
こさめ
なつとすちは遠慮がちに椅子に座り、皿の上を見つめたまま動かない。
みことがにこっと笑って、スプーンを二人の手に押し込んだ。
みこと
みこと
その言葉に、なつの喉が小さく鳴る。
恐る恐る口に運ぶと、熱々のカレーの甘みが広がった。
なつ
小さな呟きに、すちも頷きながら涙を滲ませた。
らんは黙って二人を見守り、やがて自分もスプーンを取った。
ちゃぶ台の周りはすぐに笑い声で満たされた。
こさめが
こさめ
と言えば、みことが
みこと
と返し、なつとすちは遠慮がちに笑う。
らんもつられて口元を緩めた。
ほんのひととき、胸の奥の痛みを忘れられるような時間だった。
夕食が終わると、布団の取り合いが始まった。
なつ
なつが言うと、こさめがすぐに首を振る。
こさめ
こさめ
なつ
こさめ
みこと
みことの提案に、いるまが即座に反論する。
いるま
いるま
みこと
みこと
言い合う二人を見て、すちが小さく笑った。
その笑い声に、らんは不意に胸が熱くなった。
──ああ、弟たちが笑ってる。
それだけで、自分の身体の痛みなんてどうでもよく思えた。
やがて夜も更け、順番に風呂へ入ることになった。
いるまが不意に、らんの肩を軽く叩く。
いるま
らん
らんの目が大きく開く。
らん
思わず声が裏返った。
こさめとみことが同時に振り返る。
こさめ
みこと
いるま
いるまが顔を真っ赤にして怒鳴る。
いるま
いるま
みこと
こさめ
いるま
ちゃぶ台を挟んで繰り広げられるやりとりに、なつとすちまで笑い出した。
からかう声と笑い声が重なり、家の中は温かさで満ちる。
けれどその裏に、いるまの真意が隠れていることを、誰も気づかなかった。
湯気が立ち込める浴室。
並んで浴槽に浸かった瞬間、いるまはさりげなく目をやった。
そして、息を呑む。
らんの背中は、無数の痣で覆われていた。
肩から腰まで紫色に染まり、ところどころ赤黒く腫れている。
腕には包帯の下から覗く切り傷。
いるま
いるまの喉から言葉が漏れる。
いるま
らんは静かに視線を伏せた。
らん
いるま
声を荒げるいるまに、らんは首を振る。
らん
らん
その言葉に、浴室の湯気より重い沈黙が落ちた。
いるまは拳を握りしめる。
いるま
けれど、らんの瞳は強情に閉ざされたまま。
湯の表面に映るらんの横顔は、痛みに耐えるように硬く固まっていた。
夜更け。
布団に潜り込んだ弟たちの寝息が聞こえてくる。
その隣で目を閉じられずにいるらんの背中を、いるまは静かに見つめた。
この家の温かさに触れてもなお、らんの心を覆う影は深い。
それでも――少しずつでいい。
必ず引きずり出す。
そう胸に誓いながら、いるまは目を閉じた。
外の夜風は冷たい。
けれど、六人で囲んだ布団の中には確かに温もりがあった。
第6話・了
主
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡70
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